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素敵な母親たち

私と彼女は高校時代からの親友であり、もう20年前ほどの付き合いだが、お互いの家や親のことをこれといって話し合ったことはあまり記憶にない。そんな彼女が、最近何やら画像が盛りだくさんのLINEメッセージを送ってきた。開いてみると、彼女のお母さんが、地方新聞の「はがき随筆」というコーナーに日々エッセイを投稿し、月間賞に入選するまでの軌跡だった。

読んでみると、それは約500文字のエッセイ達。日常でお母さんが感じたちょっとした幸せや気づきがお砂糖となって、小さなアンティークのシュガーポットに収まってそこにいるような、ちょこんとした可愛いお話がたくさんあった。なんて素敵な随筆たちなんだ。

ふと思う。私の母も、昔は運動嫌いだったのに今やなぜか高齢者向けの体操の先生もどきをやっている。彼女のお母さんも、こうして日々の中に自分の才能を見つけて、創造性を発揮している。ただの田舎の普通の母親だと思っていた女性たちが、こんなにも身近に輝いているのだということを、遠く離れた東京から改めて認識したのだった。

嬉しそうな親友のメッセージを眺めながら、私たちのお母さんって最高だよねと呟いた。そして、私も負けてはならないと、今こうしてこの日のことを書き綴ってみているのである。

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