スナイパーの意外な使い方（毎週ショートショートnote参加）

腕は立つが依頼人の言うことを聞かないKと、口は達者でも腕がイマイチな俺はスナイパーとして食い詰めていた。しかし、ダメ元で始めた『ハート撃ち抜きます』という事業が大当たり。

プロポーズと同時に、相手の心臓に向けて角砂糖の弾丸を撃つのだ。胸にあたった僅かな衝撃を"感動"と錯覚し、プロポーズは大成功、砂糖は飛び散って証拠隠滅。めでたしめでたし。
角砂糖はご丁寧にハートの形にした。

事業が話題となり、母校のスナイパー養成所で【人を殺さないスナイパーライフ】という講座を持つことになった。今では卒業生の半数が人を殺さないスナイパーになっている。

俺はお昼の情報番組によばれ、Kはイケメンスナイパーとしてファッション誌の表紙を飾った。

人気がでたKには、『私を撃って♡♡』という依頼が殺到した。最近じゃ、Kが気が向いた時に依頼人に弾丸の雨（もちろん角砂糖）を浴びせる、【KのきまぐれHACHINOSU】コースが人気だ。

街は今日も平和だ。

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