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新米サラリーマンのためのサバイバルダンス

今回のオススメ本

オススメ度:★★★★☆

著者:田端信太郎
概要:様々な大企業を通して得られた知見やノウハウを社会人一年目や若手に向けて習得すべきものとして田端流の物言いで教えてくれる著作

私自身は、もう若手ではない時間帯に突入していますが、最近流行っているため、また後輩や新卒などにおすすめできるかといった観点で読んでみました。

オススメ度としては、星4つです。(5つ星中)
割と高めにしています。その理由を以下で述べていきたいと思います。

サラリーマン20年選手による若手に向けたサバイバルガイド

本書を一言で表そうとするとまさにこうなるだろうと思います。
一見すると、40代半ばのおじさんが若者向けによく言われることをまとめたものと思われがちですが、たかがおじさん、されどおじさんと言っても過言ではありません。

リクルートやNTTデータ、ライブドアにLINEにZOZOと名だたる大企業で成果を上げ、そのサラリーマン人生で培った経験をもとに若手はこれを習得すべしというものを教えてくれます。

今の若者的感覚で読むと、昭和的社会人観と言えるでしょう。
ただ、自分の胸に当てて聞いて欲しいのですが、根回しや単純作業に意味を見出したり、上司のメンツを保ったりなどちゃんとしてきたでしょうか。
少なくとも振り返ると自分はそこまでできていなかったなと感じました。

そしてもう一つ感じたことは、当たり前じゃないのってことです。
でもよく考えてみると、そういった当たり前のことを当たり前にできるだけで成果をあげられるとするとかなりコスパが良いということになります。

プライドや自分を棚に上げて斜に構えて当たり前のことができないのが、凡人の性であり、プロになれない由縁なのだろうとも感じます。

昨今個人の時代と言われていますが、やはり人との「繋がり」が重要だと思います。オンライサロンやフォロワー数などの客観的指標もそういう意味では個人の発信力や影響力を図るものですが、サラリーマンとして培った根回しやメンツを重んじることは意外とそこに効いてくるのではないかと思います。

他人を巻き込む力やリーダーシップがあるなど就活生はよく面接の場で言ったりしますよね。それって結局誰かのメンツを立てたり、トレードオフをうまく捌く能力ですよね。

本書では、宴会の幹事をしっかりこなせや根回しをしっかりやれなどかなり今時の若者には全く耳に入らなさそうな言葉が出てきますが、実例としてもメタファーとしても良い言葉だと思っています。

新卒の時にうまくやっておけばと思いましたが、やはりそういった昭和的価値観は、成果を出したいならどんな手でも使えという教訓のように読み取ることができます。

本書でも書いてあり、個人的にもそう思いますが、なんでもロジカルさや正しいものが勝つとは限らないんですよね。個々人の思惑やメンツといったまるで意味のないこともやはり人間である以上持ってしまいます。

そこで、あいつほんまアホやわと愚痴るだけで終わるのか、早めに根回しして提案を通して自分の成果としてあるいはチームの成果として旗を揚げるかどちらかが望ましいかというと、後者ですよね。

逆に若者の立場になって考えてみると、多くの新卒社員や若手のメンバーが嫌がる根回しやメンツを重んじるような行動ができるだけで同期や若手の中で差別化を図れるということにもなります。
評価する人は、往々にして「おじさん」です。ここでのおじさんは自分とは異なる世代という意味で性別関係なく便宜的に使用します。

おじさんが評価する際に、そういった少しのことでも差があるだけで評価しやすく良いポイントがもらえるかもしれません。媚を売ったりなどアンフェアだと感じるかもしれませんが、世の中はアンフェアなのです。法律やモラルなどある一定のルールの中では、何でもやりたい放題なのです。
そうです。社会は残念ながら学校教育のように明確な指標で測られていないからです。

上司の評価と自己評価がかなり異なると感じる人も優秀な若手に多いと思いますが、それもそういった昭和的行動をするだけでもしかしたらかなり良い評価が得られるかもしれません。
もちろん、大前提として評価されるだけの成果を残すというのはあります。

最後に

これを読んだと同時に、新卒のころを思い出しました。頭でっかちで論理的に正しいことだけを追求しようとして、昭和的行動がうまくできず葛藤していました。

今でこそ、少しはそういった根回しや相手のメンツを慮るということを意識するようにしていますが、もう少し早くこれを読んでおきたかったなと思いました。

おそらく自分の周りの若手にオススメしてもそこまで食指が伸びるような本ではないような気がします。
そうだとしても、他者の思いを重要視する、成果のために手段を選ばず時には気合を利用するという考え方は持っておいても損はしないのかなと思います。(もちろん、論理性だけで自分はやっていくんだという硬い決心があるならその道を追求して欲しいですが)

若者とおじさんの間にいる時間帯の人間としては、年長者から学べることを吸い尽くしていいように利用することも「成長すること」に役立つことなんだよとこの本を持ってオススメしていきたいですね。

逆に若手以外の人に関しては、これらができていない、あるいは理解できないというのは中々ヤバイのかもしれません。新卒や若手にこういう考え方もあるんだよとオススメする傍、自分自身でも読んでみて行動を内省して実践してくことをオススメします。

あまりこういう昭和的感覚が淘汰されてきている時代に、この手の持論を展開するのはすごいなと思いました。
なにかと考え方古いなと切り捨てることが多いですが、この時代にアップデートさせると適応可能な考え方などはないかという視点でこれからもニュースやおじさんの話を聞けるようになるという発想の転換という形で思考をアップデートさせてくれたのも読んでよかったのかなと。

それでは、また。

P.S
そういえばYoutubeもやってらっしゃるんですね。若干ダウンタウン松本氏のような感じですが、髪色を変えると若く見えますね。


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