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未来に思いを馳せる映画3選

今回のお話

未来について考えたことがありますか?
自分が○歳になった頃、20xx年になった時など少し先の未来について思いを馳せたことがあるでしょうか?

今回は少し先の未来を考えることについて考えていきましょう。

3行まとめ

①人類の進化の謎に迫る「2001年宇宙の旅」
②論理と直感=人を構成するモノ「ブレードランナー」
③猜疑心と予測「マイノリティー・リポート」

①2001年宇宙の旅

1968年公開のスタンリー・キューブリック作品。
人類の夜明けという猿がキーキー叫ぶシーンが開始30分ほど続く超大作です。

突如現れたモノリスに触れた猿が、これまでになんとも思っていなかった骨を「道具」として認識し、行動を変容させる。壮大な音楽と共に時はすぎ、木星探査船にシーンは写る。

人口知能「HAL」と共に五人の乗組員が船内で宇宙を旅する。
「HAL」に課せられたミッションと探査船に隠された真意とは。
たどり着いたその先に見たものとは。

あらすじともいえないものですが、なんだかわからないもののすごいものを見たというのが、この作品の印象です。

1968年に撮られたとはいえ、カットや構図、シーンのカラーなど名作と言えるほどに素晴らしいものがあります。

これほどまでに削ぎ落とされたストーリーは、いささか抽象的すぎるものの見た人に想像と感想のシェアを残すという余韻があり、ぜひ見てない方には見て欲しいものです。

AIと人間の意思決定の差という観点でみても面白いものがあります。
論理的な回路で構成された人工知能が、まるで人間のようにふるまう様子は、果たして人間が持つ直感や感情的な思考もアルゴリズムで弾き出された演算処理の結果なのではないかとも思わせられます。

ただ、一つ言えることは、木星探査船にAIとは乗りたくないなという思いです。

②ブレードランナー

1982年リドリー・スコット監督作品。
2017年に続編であるブレードランナー2049という30年後の未来が舞台のものもあります。(ララランドでおなじみライアン・ゴズリング主演作品)

時は、2019年(もう現実ではすぎてしまいました)。
人間と擬似記憶を埋め込まれたクローンのようなレプリカントが隷従のような形で共存する社会。

主人公は、人類に反旗を翻したレプリカントを追う刑事デッカード。
逃げ出した5体のレプリカントを追って雨が降るロサンゼルスを駆け巡るストーリー。

当時の時代背景もあってかどこかしこに日本的なものが溢れています。
「お客さん。2つでいいですよ」と日本語で言ううどんのような物を売る店主。舞妓のようなホログラムだとか。警察車両に写る日本語だったり。

主人公がレプリカントを追う中で出会った限りなく人間に近いレイチェル。
レイチェルとデッカードの関係。5体のレプリカントを追う中でデッカードが出した答えとは。

当時からすれば30年後の未来。現実では、すでに通り越してブレードランナーのような世界にはならなかったなという印象。
もちろん、デロリアンもないし、恐竜が蘇って跋扈することもなかったですが、空を飛ぶバイクが開発されていたり自動運転が普及に近づいてきていたりなど世界レベルで見るとずいぶん未来に生きている感覚はあります。

論理的思考が重要視され、問題解決能力が基本基軸に置かれているビジネス社会においても直感的思考など問題発見能力が重要視されつつあります。

モノに溢れ、人の「不/負」を簡単に解消することができるようになると「意味付け」を要求することになってきます。
人でなくても良いことはAIで代替しようなど、AIまで行かずとも簡単なプログラムで可能な自動化の波が押し寄せています。

コストカットの名目でRPAなどのシステムを導入している企業も多いでしょう。アナログな紙やコミュニケーションから脱却し、DXとかっこよく声高にクラウドやITツールを導入することもあります。

論理的に仕事を排除していった先に、本当に人がやるべき仕事=価値を生み出す事象というのは存在するのでしょうか。

決められたシステムの中で意味を見出し、思うがままに生きることを選ぶことは「意味がない」のでしょうか。

自分にとってあるべき姿や「意味」というものを考えさせられる作品です。

レプリカントがいる社会において、現社会の価値観というのを考えてみるとかなり崩壊するんだろうなとも思います。

③マイノリティー・リポート

2002年公開、スティーブン・スピルバーグ監督作品。
私のベストオブベスト俳優三銃士の一人トム・クルーズ主演です。
(三銃士のもう二人は、ブラッド・ピット、レオナルド・ディカプリオです。異論は認めません)

未来予知が可能なプリコグという特殊な能力を持った人間が、事前に犯罪を予知して未来に起こるであろう犯罪を犯す物を犯罪者として逮捕する物語です。

そんな未来において犯罪予知部門の刑事がトム・クルーズです。
いつものようにプリコグから受け取った犯罪予知の犯人が、自分であるとわかった主人公は、真犯人や真実をみつけるために逃避行をするというこれまでの2作品よりはシンプルでアクションを楽しめる作品となっております。

結果は、行動によって発生し、行動は、思考から想起させられるというのが「思考→行動→結果」プロセスとして認識しています。

この作品では、起こり得る行動に対して抑制をかけられるとしたらどうする?ということを問いかけています。

好きな女の子と遊びたいと思っただけでセクハラになるような社会は怖いですよね。

確実に起きた事象と起こり得る事象では、その人に本当にリンクしているということを立証することは、おそらく現代社会では不可能でしょう。

ただ、それが可能だとしたら行動を想起させる思考を抑制する社会になるのではないかと考えられます。

もし自由に思いを馳せることができなければミステリー作家は即座に逮捕されるかもしれません。

何者にも思考は抑制されるべきではないと考えます。
起きた事象に対する責任は本人にあるべきものですが、起こり得る事象に対する責任はどう所在を落とし込めばよいかわかりませんし、誰にもお前の責任だと問われてはい、そうですかと納得する気持ちもありません。

思考の先にある行動の帰結とその抑制についてよく考えさせられる作品です。

最後に

生きていく中でこれからの人生や働き方、何をしたいかなど考える上で役に立つのは、「歴史」と「SF」だと思っています。

これまでに起きたこと、行動と帰結をセットで学べ、その時代や国家においてどういう判断がなされるのかというある意味、思考→行動→結果のプロセスを学べるのが「歴史」です。

一方で、結果→行動→思考と逆のプロセスで未来はこうですけどどうしますか?と思考のアップデートやアンチテーゼ、問いかけによる内省を促してくれるのが「SF」です。

どちらも人間の行動における本質的ななにかを問いかけや事例として投げかけてくれます。

個人の時代としても「美意識」というものを各個人がアップデートし続けるべきだと考えていきます。
もちろん、アートや音楽、ファッションに学問と学ぶべきことは様々ありますが、始めの一歩として未来について少し思いを馳せてみてはいかがでしょうかという提案となります。

それでは、また。

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