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人生とお酒

こんにちは。ざわです。

お酒って美味しいですよね。僕は成人するまで、お酒なんかアルコール臭いし絶対に飲んでなるものかと腹に決め、「飲まない派」に所属するつもりでした。人間の意志って弱いですね。

さて、成人してからというもの、友達を引っ張り出し、はたまた友達に引っ張り出され、いろんな所でお酒を飲んでいました。僕は早生まれで、誕生日が2月の後半でしたので、他の同級生と比べるとかなり損な生き方をしていたんだな、と両親に恨み節を放っています。(無礼な奴)

初めてお酒を外に飲みに行ったのは、誕生日の夜、当時のサークルの先輩に連れられ、駅前にあるチェーン展開されている居酒屋さんの暖簾をくぐったのが最初でした。その時はお酒の種類もイマイチ分からず、とりあえずスーパードライを流し込んで「苦っ」と言い、ハイボールを流し込んで「渋っ」と言い、日本酒の御猪口を傾けて「辛っ」と言った記憶があります。

その後は色々な居酒屋さんに友達を引っ張って行ったり、ビルの一角にあるバーに街が寝静まったころに一人で繰り出していったり、他の人より遅れていた分を取り戻そうと様々なお酒を堪能していました。とりあえず、美味しんぼの山岡四郎がバーでいつも飲んでいるショートカクテル「マティーニ」をぐい飲みしてみたり、「獺祭 45」でのど越しを楽しんでみたり、なかなか無茶な飲み方をしていたなと、今震えながらタイピングを続けています。

そうやって街の居酒屋に足しげく通ううちに、お酒の好みができてきました。これは少し甘すぎる、とか、これは少し配分が違うんじゃないか、とか。けれど、友達は美味しい、と言う事も勿論往々にしてあり、その様な時にお酒を飲んだ勢いで軽口を滑らせないように気を付けなければ、と日々考えています。

そんなこんなで誕生日から3か月、2日と開けてお酒を飲まなかったことはありませんでしたが、飲み続けて思ったことは、お酒の良し悪しとは、まったくもって好みの問題であるとしか思えないのです。だからこそ日本には山のような数の日本酒があり、ヨーロッパには星の数ほどワインがあるのだと。

昨今、コロナウイルスというワードが各メディアで引っ張りだこにされていますが、これが流行る前と後、それぞれ息を抜くために遠距離旅行に何度か行っています。もちろんその先でもアルコールを嗜むわけですが、日本国内を旅する限り、必ず「地酒」という言葉が土産物屋のポップに踊っています。「地酒」という言葉があるように、日本各地、色々な地域で、ご当地のお酒をもっているわけです。

もちろん日本狭しと言えど、北は北海道から南は沖縄まで、気候も風土もまったく違います。それぞれの地域の人が生きているので、それぞれの地域に合わせた「地酒」が発達するのは自然の理と言えるでしょう。それらを今、現地に行かなくても、下手したらチェーン店の居酒屋ですら地酒を楽しめるようになったのは素晴らしいことです。しかしその反面、悲しいことですが、その地域の他の情報を全く知らないのにも関わらずお酒だけが独り歩きしてしまい、その地域感を代弁しているかのような感想を述べている人も居ます。

僕は地酒を楽しむなら、そのお酒が造られた土地まで行って、その土地でとれたものと一緒に楽しむのが一番そのお酒の良さが分かるような気がしています。別に山形県産の日本酒と三重県産のおつまみ合わせても合わなくなるとか、そういったことを言いたいわけではありません。ただ、「自分が知っている世界」だけでその物事を図るのは少し視野が狭いのではないかな、と感じてしまうのです。

お酒はほんの一例ですが、世間には往々にしてそういった傾向が見られますよね。まるでゲームセンターにあるピアノの音ゲーをして、ピアノすべてを語っているかのような、まったく醍醐味を味わうことができていないのではないかと考えてしまうような事が多いと思います。

「好き」はまだしも、「嫌い」などと人の前で平然と述べている人は、まだ人生の醍醐味を知らない人なのだな、と考えています(棘があるな..)。だから皆さん、とりあえず旅行行きましょう。どうせ暇でしょう?もうすぐ始まるGo to トラベルキャンペーンを利用したら、破格の値段で国内旅行を楽しむことができます。それも、安全が保障された公共交通機関で。僕のようなどこでも車で行きたい、というような人には厳しいかもしれませんが。笑

公共交通機関を利用し、現地のお酒を飲み、現地の風土(フードも)を最大限満喫してくるような、いわゆる「観光客タイプ」ではなく、「地元の人に紛れるタイプ」の旅行もとても楽しいです。そして、そういった濃厚な「地元民体験」をすることで、より自分の人生において豊かで幅広い感受性・文化心を持つことができます。

例えば、大学を卒業し、就職したとしましょう。全国から集まってきた同僚と初めてのコミュニケーションを取るとき、「あぁ、○○県なんだ!あそこの○○めっちゃおいしいよね!」とかいうと、相手は「分かってるな....」と感じ、一気にコミュニケーションが捗りますよね。

どこで使うか分からないし、人生で一度使うか一度使わないか、といったニッチな情報になることも非常に多いですが、その一度を「使える」か「使えないか」という差は本当に大きいのです。それだけで人生の転機が訪れたりすることもあります。

その情報がどこぞの小さな酒造から作られた日本酒から生まれることももちろんあるかもしれませんよね。自分にとって「嫌い」というだけで一つの情報を切り捨ててしまうのは、些か不経済ですし勿体ないと思ってしまいます。一度触れてみたからこそ、そのまま深く知ってみたい、と興味を持てるようになると、色々な「雑学欲」や「知識欲」が芽生え、更に人生が面白くなりますよ。みんなの早押しクイズで無双できます。笑

皆さんも、若くて味覚が鋭敏なうちに、お酒に限らず、いろんなものを楽しみ、考え、行動してみるとおもしろいかもしれません。

ではまた。

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