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発達障害児とディズニーシー

 家族5人(旦那、私、大介、チビ介、私の母)で東京ディズニーシーへ冒険の旅に出かけた。

 我が家は発達の凸凹を抱えた兄弟がいて、長男の大介と次男のチビ介はそれぞれASDの診断を受けている。
 長男大介は出来るものの、次男坊チビ介は多動、そして何より"待つ"ことが難しい。1秒たりともジッとしておらず、お喋りは止まらず、チビ介の辞書に待つということは載っていない。

 2人を連れて行きたいが列に並べない。どうしよう?と悩んでいたら、同じく発達障害と共に生きる日本の何処かにいるお友達のお母さんから、ディスアビリティアクセスサービス通称DAS(ダス)を利用するのはどうでしょう?と教えてもらった。

 障害者手帳や障害福祉サービス利用の受給者証があれば待ち時間を待機列ではなく他の場所で過ごす事ができるサポートサービス。その間は他のアトラクションの利用は出来ない。目的のアトラクション前にいるキャストさんに「ダス(DAS)を利用したいです」と伝えれば手続きをしてもらえる。全てのアトラクション、グリーティングで利用可能。
 アトラクションに入る前に「大きな音が鳴ります」「暗い所を進みます」「高い所に行きます」などアトラクションの説明と緊急時にキャストさんによる介助が必要か聞かれる。
 ありがたい情報。

 すぐに疲れて抱っこやおんぶをねだるのでチビ介には車椅子を借りる事にした。事前にディズニーリゾートへ歩けるけれども疲れやすいので車椅子を借りられるか?を尋ねたら借りられますとの返答だった。良かった。これで抱っこ回避。

 [準備したもの]
・各自の水筒に氷を多めに詰めて麦茶
・スポーツドリンク500mlペットボトルを2本凍らせる。
・帽子
・日傘
・チビ介の着替え
→タワー・オブ・テラーの前の広場に噴水があり、水遊びができる。水を見れば飛び込んでいくチビ介には必要。
・ラップタオル
→チビ介が着替える時に目隠しにもなる。
・イヤーマフ
→聴覚過敏のチビ介用
・モバイルバッテリー
→チケット管理やアトラクションの待ち時間確認の為に結構、バッテリーを消費する。
・塩分タブレット

 当日は7時ごろに入園ゲートに着き、開園を待つ。チビ介には仕方ないが動画を見せて待たせる。

 予定よりも早い8時30分に開園。入園後、直ぐに車椅子を借りる。子ども用の車椅子があって驚いた。サイズがピッタリの子供用車椅子を借りた。

 チビ介とパートナーとの2人組、大介、私の母、私の3人組に別れる。大介とチビ介ではペースが違いすぎてお互いにストレスになる為。残念ながら、我が家はみんなで楽しむ事がなかなか出来ない。

[乗ったアトラクション]

チビ介
・トランジェットスチーマーライン
・タートルトーク(DAS利用)
・インディ・ジョーンズ・アドベンチャー・クリスタルスカルの魔宮(プライオリティパス利用)
・アクアトピア(DAS利用)
・タワー・オブ・テラー(DAS利用)
タワー・オブ・テラーの前の噴水で水遊びあり。

大介
・海底2万マイル
・トランジェットスチーマーライン
・エレクトリックレールウェイ
・タートルトーク(DAS利用)
・ビックシティビーグル
・キャラクターグリーティング、ドナルドダック

私と母はこれに加えてソアリン、チビ介チームと合流して、インディ・ジョーンズ、タワー・オブ・テラー

 大介はウォーターフロントのエリアが気に入ったようでずっとカメラ片手に散策。YouTuberのスーツさんの動画を見て出てきていたアトラクションや街並みの再現を見て回るのに夢中になった。
 「ディズニー、すごい!時代考証とか面白い!」との事、そして色々と解説してくれた。その能力、勉強で使えないかい?使ってくれないかい?

 大介とは途中、別行動を取りつつも園内を一周するトランジェットスチーマーに乗ったり、浮き輪まんを食べたりとのんびりと過ごす事ができた。因みに大介は絶叫系のアトラクションは全く受け付けません。

 インディ・ジョーンズで合流したチビ介は入り口で身長を測ってもらい「これを着けていれば何でも乗れるよ」と緑色のリストバンドを着けてもらい意気揚々とアトラクションへ。
途中の遺跡発掘現場で不穏な空気を感じたのか「こわいの?」と聞かれるものの「多分、平気だよ、恨むならパコを恨め」「ぱこって?」「このアトラクションを作った人」と話しながら、乗車。
結果、私と旦那の手を握りしめて「こわいいぃ、やだぁぁぁぁぁぁ!おりるぅぅぅぅぅ」と同乗したゲストさんが大笑いする中、ラストはさすがに可哀想になって耳元で「もう直ぐ◯◯するからね」と囁いた。降りた後、近くにいたキャストさんに泣きながら「はじめてのったぁ…」と報告していた。
 親になった醍醐味というのかアトラクション自体よりもアトラクションに乗る我が子の様子を見るのがとても嬉しい。

 旦那がちょっと苦手だからとバトンタッチしてチビ介と私、私の母とでチャレンジしたタワー・オブ・テラー。この間、大介と旦那はオヤツにビーフパイを食べたそうな。DASの続きをしてくれたキャストさんには「始めのお話を聞く部屋で音に驚いてリタイアするかもしれません」と伝えたら「その時は近くのキャストにお知らせください。乗車する時は真ん中に乗せてあげてください」との事。
 それから1時間ほど、タワー・オブ・テラーの前のベンチで座って待つ。3分毎位にもう、じかん?とチビ介に聞かれて疲れる。それにしても、タワーから聞こえる悲鳴に「やっぱりやめる」とは言わずに待てるチビ介の肝の太さよ。
 大きな音が鳴るからとイヤーマフを着けて入場。最後までイヤーマフは付けたままでOKだった。音と演出に驚いていたものの、話を聞く部屋を何とか通り過ぎて、秘密の倉庫(乗り場)へ。
 最前列だった。はい、背中をしっかりお椅子にくっつけて、深く座ってね、ベルトはキツく締めるよとやっていたら「お手伝いします」とキャストさんがチビ介のベルトを留めてくれた。
 小声でこうなるよと伝えて、鏡の間に。ここでバイバイしたら…と言い終わる間もなく急上昇。
そして落下。「ぎゃぁぁぁぁぁ!」といつ息継ぎをしているんだ?と不思議な程叫び続けるチビ介。
 終わった後はしばし放心、そして大号泣。
 
降りた後に通るお土産屋さんで母に手持ちバルーンを頑張ったご褒美に買ってもらい、喜んで「乗れたよー」と外で待っていた旦那と大介の元に駆け寄って行った。

 みんなで夕食をドッグサイドダイナーで食べた後、ビリーブ!シー・オブ・ドリームスを少し離れた場所から見学。チビ介は花火が上がる度に手を叩いて「たまや〜」と叫んでいた。それを見て「恥ずかしいからやめてよ」という大介。

そして、現実に引き戻されて帰宅。

結果、DASと車椅子のお陰で体力温存、精神的にも安定出来て冒険とイマジネーションの海を存分に楽しむ事ができた。

今度はディズニーランドへ行きたい。

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