FAR EAST REGGAE CRUISEがあまりにもよかったので書きなぐらせてほしい
先日とんでもないイベントに参加してきました。
レゲエに染まる5泊6日の船旅。
日本人アーティストとジャマイカ人アーティストによる5夜連続ライブ。
これが音楽イベントとしてあまりにも最高だったので、レゲエに興味ないからとブラウザバックせずにぜひ最後まで読んでほしい!!お願い!!!
音楽イベントの形を大きく変えかねない伝説的な6日間でした。
とても長くなりそうなので目次を作っておきます。
読みたい部分だけ読んでもらえればOKです!
っていうか最悪目次だけでもいいので読んでください!!
1.クルーズの仕掛け人"Mighty Crown"
今回の仕掛け人はMighty Crownというレゲエサウンド。
レゲエ界にはサウンドという、DJグループみたいなものがあって、レゲエ音楽を流しながらMCで観客を煽ってみんなで踊る…みたいな文化がある。
(たぶん説明が圧倒的に足りていない…申し訳ない…)
そしてクラッシュというサウンド同士のバトルがある。
これ多分他界隈の人からすると理解できないと思うんだけど、カッケー曲をかけあって、お客さんをぶち上げたほうが勝ちっていうシンプルな対決。笑
レゲエにはDUBというカルチャーがあって、自分の曲をサウンドのためにアレンジして提供して、サウンドにイベントでかけてもらう。
そのDUBを多用してバトルするのが特徴。(のはず)
このクラッシュの世界大会で日本のサウンドグループとして何度も優勝しているのがMighty Crown。
もう少しなじみがありそうなところだと、「横浜レゲエ祭」というイベントの仕掛け人もMighty Crown。
なかなかレゲエに縁がないと知らないと思うけど、レゲエ界隈では知らない人はいないくらい有名な人たちです。
とりあえずレゲエ界を引っ張ってきたすげー人たちって認識で間違ってないのでよくわからない人はそう思ってください。笑
なぜこんなにふわふわした書き方かというと、私が長いこと邦ロックの界隈に浸かっていてレゲエ文化への理解が正直まだ追いついていないから…。
周りにレゲエ好きな人も少なく、イベントに行った回数も少なく、自分で調べたことと少ない経験数の浅い理解で書いているのでなにか間違っていたら大変申し訳ない…。もし違っていたり補足があったら教えてください。
そしてそんなMighty Crownがサウンド活動を休止するということで、その集大成として仕掛けたのが今回のクルーズでした。
実は2022年9月に予定されていたんですが、コロナの影響で一度流れ、結果として2023年7月の実施となりました。
裏ではいろいろなことがあって大変だったと思うけど、個人的には延期になってよかったと思っている…。
今回の気持ち良すぎるクルーズでマスクが必須だとか、陰性証明が必要とかあまり考えたくなかったです。笑
2.音楽イベントとクルーズの親和性
これがね!!!びっくりするくらい親和性が高いんだ!!
本当に全音楽イベントクルーズでやろうよと思った!笑
他の音楽イベントでの懸念点がクルーズになった瞬間ぜんぶなくなっちゃうのあまりにも素晴らしかったですね…。
細かく素晴らしいと感じたポイントを解説していきます。
※私の比較対象は基本的にロックバンドのイベントです。
地方遠征や小さな箱でのサーキット、フェス4日間通し、ホールやドーム、武道館でのコンサートなどある程度のものには参加してきたと自負しています…。
①音出し時間に縛りがない
なにせ私たちがいるのは海の上。
近隣住民もいなければ警察もいないし、条例なんてものも存在しない!
私たちさえよければライブが1時間押そうが、日付を超えようがおかまいなし!!時間にルーズになれるのはイベントとして素晴らしいなと思いました。
実際テンションあがって15分間コール&レスポンスをするアーティストとかいたけど、あれが許されるのはクルーズだけ。笑
普通は箱の時間とか、音出し時間の限界とかがあるから巻くために曲数を削ったり、調整が必要なものだけれど、運営としても柔軟に対応できるのはやりやすいポイントなんじゃないかなと思っていました。
(柔軟に対応できるからこその判断の難しさもありそうだけど、、)
②酒・食事・寝床がすべて船内で完結
なによりこれでしょ。笑
帰ることを心配しなくていいライブって本当に素晴らしい…!
疲れたら部屋に戻って寝ればいいし、肌寒くなったら上着をとりにいけばいい。ライブが終わったらビュッフェで夜食を思う存分食べて、そのまま部屋に戻ってバタンキュー。こんな最高な生活、ある?
ちょっと歩けば飲み物がもらえるバーがあって、ボトルのハイネケンを何本でもくれる。(飲み物パッケージは別途課金)
深夜のDJイベントも普段は終電とかを考えちゃって覚悟が必要だけど、「ちょっと様子見に行ってみるか~」で覗きにいけるからとにかくすべてが気軽で最高だった!
③子どもも連れてこれる
子どもがいるからイベント参加を諦める人は多いと思うんだけど、クルーズはむしろ子連れのためでは?っていうくらい子連れに優しかった!
ぐずったら部屋に連れて帰ればいいし、ご飯もお湯も簡単に手に入る。
暇になったらプールに浮かんでおけば楽しいし、ちょっと大きくなったらライブも一緒に楽しめるし、子どもを連れて参加できるイベントとしてかなり需要があるなと感じた。
なによりちびっこたちがライブ中一緒に踊って楽しそうにしてるの可愛かった…。
子どもと一緒に好きな音楽を楽しめるの最高ですよね?もっとミュージッククルーズやりましょう!!
④電波を遮断しようと思えばできる
お仕事が忙しい皆さんに朗報です。電波がありません!
もちろん船内Wi-Fiがあるから課金すれば外ともつながれるんだけど、1週間船の上だから電波がないって最高の仕事しない口実じゃないですか?笑
(と言いつつ社畜時代の私だったらWi-Fiを契約していただろうと思う)
外部とのつながりを断てることでよりバカンス味がまして音楽に集中できるんですよね…。仕事が気になっちゃう!なんてことがないのもクルーズだからこそだなと思ってました。
⑤深夜イベントばっちこい!
2つ目にちょっと近いんだけど、イベント終了して10分後にはお布団の上なの、もうそれだけでクルーズでイベントする価値ありませんか??
テントでもなく、徒歩圏内に静かな自分の部屋があるの、なによりも最高のポイントでした。
しかもちゃんと豪華客船なので1日に2回ベッドメイキングが入ります。
夕方、夜のイベントに備えてお昼寝しても夜ライブが終わって戻るときれいなベッドが迎えてくれます!!
途中雨が降ったことがあったんだけど、気持ちよく濡れてちゃったとしても部屋に戻って着替えればいいだけ。笑
部屋に干しておけばある程度は乾くし、部屋が手近なところにあるのはちょっとほかのイベントではないかも。雨が降ってもデッキだから絶対に田んぼフェスにならないのも高得点…。
3.FAR EAST REGGAE CRUISEのここが最高だった!!!!
ここまではあくまで音楽イベントとクルーズの親和性だったけれど、ここからは"FAE EAST REGGAE CRUISE"のここが最高だったよポイント。
Mighty Crownの人望とか歴史があったからこその部分も多かったのでそこも書き残しておきます。
❶全曲生演奏なの信じられる?
レゲエアーティストはピンの人が多く、基本的に個人でバンドを持っていません。
普段は音源(いわゆるカラオケ的なこと)を流して、本人はマイクで歌って…っていうのが基本のスタイルです。(そのおかげで機材転換がないので、アーティストが1曲ごとにかわるがわる歌って飽きにくいような構成になっていたりしてそれもそれでバンドとはまったく違うカルチャーで面白い)
しかし、今回はなんと、レゲエアーティストは"全曲""生演奏"でした。
しかも1つのバンドが。信じられますか?1つのバンドが全アーティストのバックバンドを務めるんです。すごいことですよこれは。
(厳密にはジャマイカ人アーティストはまた別のジャマイカ人バンドが演奏していました。日本人アーティストのバックバンドの話です)
その演奏曲なんと130曲…。アーティストの無茶ぶりにもちゃんと応えていたからさらに多いはずです…。本当に敬礼の気持ち、、感動しました。
そんな偉業を成し遂げたのはHome Grown(以下Home G)というレゲエバンド。
130曲覚えてくるだけでももちろんすごいんですが、何よりすごいのがその技術力です。
レゲエの文化として、バンドに指示を出して自分のやりたいことに合わせてもらうというものがあります。(正式名称があるのかも…?)
(音を抜いてもらう、音量を下げてもらう、ビートを強めてもらうなど)
「ダウン!」等言葉で指示をすることもありますが、身振りやなんとなく雰囲気で指示をすることも。。。笑
そんな無茶ぶりに確実に、気持ちよく対応できるのがHome Gなんです。
アーティストたちもHome Gへの信頼が厚く、めちゃくちゃ気持ちよくライブが見れるのは彼らの存在があってこそでした。鳥肌立ちまくり。
❷飲み放題なのに民度が鬼高い
最高のライブはやっぱり最高の酒があってこそですよね??
クルーズはドリンクパッケージを購入することで、どのバーでもお酒がもらえる実質5日間飲み放題状態になります。
絶対そのへんに潰れて転がってる人とかいるだろうなって思ってたんですよ…。
いないんです。
ただの一人も。本当にびっくりしました。
もちろん声がちょっと大きくなっちゃってる人とかはいましたが、我を失ってプールに飛び込んだり、ビュッフェで寝たり、廊下でうずくまったり、、
酔っ払いあるあるな行動をしている人が誰もいなかったんです。
これがわりと何より嬉しかったかもしれない…。一度も嫌な気持ちになりませんでした。
そもそもクルーズが高いから(1人20万弱払いました)良い大人しか来ないとか、Mighty Crownファンの年齢層が高いとか、いろいろ要因はあると思うんだけど、正直ロックバンドでこの民度が担保できるかというと、、。もちろん主催するバンドにもよると思うけど…難しい気がするよ…
❸アーティストの圧がすごい
レジェンドMight Crownの集大成で、5日間スケジュールをこじ開け、さらには日本初のミュージッククルーズのステージともなればそりゃ気合も入るわな。笑
毎晩のライブの満足度の高さが!クルーズ全体の満足度にもつながっているなと心から思います。
毎晩にっこにこでお布団に入ってライブのハイライトを話しながら寝落ち…本当に幸せな日々でした…。
なんとなくお察しかと思いますが私がレゲエに縁ができたのは本当に最近の話で、詳しいかと問われれば迷いなくNOと答えるライト層です。
でも!そんな私でも!ライブ楽しかったー!!!って大きな声で話しながら部屋に帰るくらい気合いの入ったカッケーライブばかりでした!!
レゲエ音楽そのものがわかりやすく音に乗れるっていう特徴はあるんですが、でもアーティストの楽しさとかわくわくって直接伝わりますよね。
みんなここでのライブが本当に楽しくて気持ちいいんだろうな!って思いながらずっと見てました!!
帰ってきてからエンドレスでアーティストたちの音源を聴いています。切実に戻りたいぜ…。
❹クルーたちも楽しそうだった
どう考えても普段クルーズに来る人たちと客層が違うんですよ…。
右を見ればカラフルなドレッド、左を見ればちびっこのコーンロウ、タトゥーに関しては入ってないほうが珍しいよね…?くらいのタトゥー率。
高級志向の人もゼロで課金レストランはすっかすか。(そりゃみんなライブ見てるからね)そして飛ぶように出るハイネケン。
「なんだこいつら!?」の雰囲気がひしひしと伝わってきました。笑
でも1日中鳴っているレゲエや超ゆるい雰囲気は楽しいらしく、踊ったり歌ったり、瓶で音を奏でたりしながらクルーたちもお仕事されてました。笑
私たちもクルーズに慣れていないのでサービスへの不満とかももちろんあるわけなく、全員にっこにこの幸せ空間でこれもレゲエクルーズの成せる技だなと思いました。
❺とにかくレゲエが大好き!!!
ちょっと興味がある友だちを誘ってポンってこれるようなイベントではもちろんないので、レゲエ猛者しかいないのがなによりよかったー!!!
みんなレゲエが大好きで、つまらなさそうにしてる人が誰もいない!!
全員顔に「わくわくしてるよ!!!」ってうるさいくらい書いてあって最高でした。笑
エレベーターで一緒になった人にプチ情報を教えてもらったり、トイレで手洗いながらライブの感想話したり、ちびっこと水鉄砲バトルしたり。
心の垣根が圧倒的に低くて、これはMighty Crownの今までの歴史が積み重なって、それに付いていき続けた同じ志の仲間同士だからなんだろうなと思いました。
みんながにこにこしている空間が大好きなので、もうプールサイドで寝っ転がってれば幸せでした。そんなことある???
4.最後に
もしまたMighty Crownが同じことを仕掛けたら行くかと問われたら、
圧倒的に「YES!!!」です!!
行くよ!そりゃ!なんなら今すぐ戻りたいよ!!
しかもなんなら今度はレゲエに興味のない親を誘ってみたいなと思ったり、
自分に子どもができたら子どもと一緒に乗りたいなと思ったり、
早くも「次は…」を考えてしまうくらいにはあまりにも最高のイベントでした。
本当に本当に本当に人生の、最高の思い出になりました。
帰りの横浜駅が現実すぎて「もしかして夢だったのでは…?」「夢ってことはもう一度やってくるのでは…?」なんてほざくくらいに終わってほしくなかったなって思います。
最高の6日間をくれたMighty Crownとすべての関係者にBig Up!!
また海の上で!!
P.S.
つたない鬼の長文を読んでいただきありがとうございました。
音楽に関係する仕事でもなんでもなく、クソ生意気な自覚はありますが、見てきたことを記録せねば!!と書きなぐったまでです。
弱小noteですが、ぜひ他界隈にも届いてミュージッククルーズが音楽イベントのカルチャーとして生き残ってくれればと祈っています。もちろん民度の担保を祈るのは大前提ですが…。笑
よければいいね的なことをしてもらえると嬉しいです。