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純ファンレター

2023/11/09

 尾崎祐介様

 お誕生日おめでとうございます。丁度20歳年下の私があなたに出会ったあの日から、気づけば3年7ヶ月の付き合いになるみたいです。あなたが三十九、四十に差し掛かる頃、私は十九、ニ十。あと10年。あなたが10年前に歌った前向きな絶望に私が辿り着くまで、もう少し時間が掛かりそうです。これから先、今よりずっと傷ついて失って、でもその分だけあなたの声に縋って、足りない心の隙間を埋め合わせる日々を送ることになりそうです。それでもあなたは今と変わらず、何年経っても初めてみたいに私をドキドキさせてくれると確信しています。あなたに与えられてばかりの私は、きっとあなたに返せるものなんて何も無いけど、せめて感謝くらいちゃんと伝えたい。取り敢えず10年、あなたの声を頼りにどうにか生きてみる。明日の朝恥ずかしくなるいつものやつかもしれないけど、今日だけはちゃんと幸せって言い切れる気がしています。別に自分の為に用意された日でもなんでもないのにね。でも本当に幸せ。寝言とおっしゃられてももう夢中なのです。言葉にすれば足りないけど、あなたに出会ったあの日から、僕の喜びの八割以上はあなたでできています。もうどんな日の先にも、"なんでもない日々"を重ねて、そばに居なくても分かるほど笑っていてください。

 こんな場所で言ったところで尾崎さんに届くことはないことくらい分かっているけど、僕にはこんな場所しかないのだ。どうすれば感謝を伝えられるのか、全く目処が立っていない。ライブで尾崎さんが一曲歌い終える度に今にも消えそうな声で放つ"ありがとう"を全部突き返したい。でも、手放したくないから全部大事に抱えながら、今日も生きている。きっと明日もそうやってやり過ごしている。がんばれあたし、明日はいい日だ。

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