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高校生だもの。#5

「 深夜、通話。」


深夜に始まった通話は深夜に終わる。
ノイズ混じりに聴こえてくる声と、深夜だから話せる話。
相手に自分の声がどう聴こえているのかふと気に掛かる。
「おやすみ」
その一言で切られた通話の後は、なんとも言えぬ余韻と現実に襲われる。あぁ夜だったと実感する。
手で持っている長方形の無機物は、時間を忘れさせてくれる魔法道具かもしれない。

#創作大賞2022

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