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ザ・ビートルズ | シン・赤盤青盤の衝撃。

ビートルズの新曲 “Now And Then” 発表の1週間後にリリースされたのが、ビートルズの公式曲のうち53曲を収録し、長く「ビートルズ入門編」とか「ベスト盤」とか言われてきた "The Beatles 1962-1966(通称「赤盤)" と、" The Beatles 1967-1970(通称「青盤」) " の新装盤【2023 Edition】です。

物理フォーマットは各2枚組のCDと各3枚組のLP、そしてストリーミングやDLでも聞くことが出来ます。

The BEATLES - Red & Blue - 2023 Edition

収録数はオリジナル盤の54曲から75曲に拡充され、特に赤盤では今回ほとんどの楽曲で新たに『2023 Mix』が施されています。

シン・赤青収録曲

・結局どの楽曲が新たに追加されたの?
・2023 Mixなのはどの曲?
・それぞれの盤には何曲ずつ入っているの?

…など、混乱している方がいらっしゃるかもしれませんので、こちらをご参考にされてください。

▼赤文字、青文字が追加曲、色で囲われているものが2023 Mixの楽曲です。(◀︎G! はジョージ追加曲です♡)

2023 赤盤収録曲
2023 青盤収録曲

アナログ盤の曲順は、CDやストリーミングとは異なり、時系列ではなくオリジナルの曲順に忠実な2枚に加え、赤盤青盤ともそれぞれボーナスLPとして各アルバムに新たに追加された楽曲だけを集めた3枚目のLPが追加されています。

情報解禁直後は「新曲 “Now and Then” が収録される青盤と比較して、赤盤はちょっとパンチが弱いかも」なんて思っていましたが、いやいやどうして「全然赤盤の方が聞き応えあるでしょ!」と思い直し、発売を首を長くして待っておりました。

赤盤青盤の歴史

赤盤青盤は、1973年に当時解散後のビートルズのマネジメントをしていた悪名高きアラン・クライン主導で作成されました。
ビートルズのメンバーはそれぞれがソロ活動などに忙しく、選曲やリリースに関してはほぼノータッチとされています。
「ジョージが選曲した」なんて言われていたこともありますが、現在は否定されています。

そのあたりの経緯など含め、オリジナルの赤盤青盤については過去にまとめている記事がありますのでよろしければご覧ください。

なぜ今赤盤青盤?

赤盤・青盤 2023 Edition

今回、ビートルズの最後の新曲のリリースと同タイミングで、なぜこの赤盤青盤がリニューアルされることになったのか?

理由のひとつとして、この赤青2つのアルバムがリリースから50周年ということは、まずあるんじゃないかと思います。
今年は去年のアルバム "Revolver" に続き "Rubber Soul" がリミックスされるんじゃないかと噂されていたので最初は少し驚きましたが、“Now And Then” を違和感少なめに収録できるアルバムという意味でもこの選択はベストだったのではないでしょうか。

しかも追加曲含めて時系列に並べられたCDの場合は、赤盤のTOPに 1962年のデビュー曲 “Love Me Do”、そして青盤のLASTに 2023年の最後の新曲 “Now And Then” と、最新シングルの両A面の楽曲を配置していて、この2作品のリリースのタイミングを揃えた意図が際立っていてなかなか美しい仕事だなと感じます。

ビートルズに詳しい方だと、「あれ?元祖赤盤に収録の “Love Me Do” のドラムは、リンゴじゃなくてアンディホワイトじゃないの?」と思われたかもしれません。
(※ “Now And Then” のカップリングの “Love Me Do - 2023Mix” のドラマーはリンゴ・スター。)

そこはわたしも赤青リリースの前から気になっていたところでしたが、結局、赤盤2023 Edition には “Love Me Do - 2023Mix”(リンゴのドラムver.) が収録されています。

『ビートルズの最後の新曲 “Now And Then” と同時にリリース』され、『今後ビートルズの手引きとなりえるアルバムの一曲目に収めるデビュー曲』と考えると、やはりここはリンゴのドラムであって欲しい。

ただ、そのことと、アンディver. の “Love Me Do”  の現代版ステレオミックスが聴きたいという願望は別問題なので、そこはアルバム “Please Please Me” のリミックスに期待したいと思います。

革新的なデミックス技術

今回、後期曲のようなリミックスが難しいとされていたモノラル全盛期の前期ビートルズの楽曲のリアルステレオ化ミックスを可能にしたのは、やはり “Now And Then” を完成へと導いた MAL(マル)の存在です。

MAL”と いうのは “Machine Assisted Learning” (記事によっては ”Machine Audio Learning” ) と表記される、ピーター・ジャクソン監督とそのチームが 2021年のビートルズのドキュメンタリー “The Beatles : Get Back” の制作過程で開発したAI・マシンラーニングの技術です。

もちろん、ビートルズに献身的に尽くしたローディのマルとのダブルミーニングです。
このあたりもさすがPJ監督だなと思わせられます。
(他にも、私が直接見聞きした情報ではありませんが、映画『2001年宇宙の旅』のHALへのオマージュ説も小耳に挟みました。)

特定のサウンドをいくつも学習させることでその音だけを抽出させることができ、そのお陰で Get Back でもあんな風にクリアにメンバーの会話や演奏を聞き取ることが可能となりました。
この技術が「デミックス」です。

同様に、ジョンのデモテープからピアノや騒音を取り除き、クリスタル・クリアなジョンの声だけを取り出すことが出来たことにより、私たちはビートルズの最新曲 “Now And Then” を聴くことが叶ったのです。

加えて、今回赤盤でファンに大注目されていたのが、これまでマスターテープが廃棄されている等の理由で "なんちゃってステレオver. " しか作られてこなかった超初期の "Love Me Do" や "She Loves You" などの重要曲が、MALによってリアル・ステレオ Mixで聴けるんじゃないか!?ということでした。

ジャイルズと赤盤青盤

本当に、ここ数年のビートルズ界隈に於いてはPJ監督さまさま♡なんですが、MALの技術を使うことで「恐れ多くて触ることも憚られていた前期の楽曲のリミックスも行えた」と、プロデューサー兼エンジニアのジャイルズ・マーティンは語っています。

初期の音源の変化ぶりには、本当に驚かされた。
まさかこんなことが可能になるなんて。
『I Saw Her Standing There』や『All My Loving』、それに『Twist and Shout』のような曲に、このテクノロジーが使えるとは思っていなかったから。
たとえばリンゴのドラムなんかは、本来のパワーが見事に表現されている。
演奏自体が圧倒的に優れているから、それに見合ったものにできて嬉しく思っているよ。
赤盤でやったようなことは、半年前でもできなかったと思う。
私は、ビートルズが今でも他のアーティストに道を開くようなテクノロジーで新境地を切り開いているという事実が大好きなんだ。

Giles Martin

こんな風にジャイルズが語っていることから想像すると、赤盤・青盤のリミックスは新曲 “Now And Then” プロジェクトが動き出した後に始まったのではないかと考えられ、ジャルズの仕事量を考えると目眩がしてきますが、幼い頃の彼にとって赤盤青盤はビートルズの入門書だったそうなので、その作業はきっと非常に楽しくもあったのではないかと想像します。
そして改めて、感謝の気持ちが湧いてきます。

60年代からずっと、ビートルズは最先端の音楽を世の中に提示してくれていて、2023年にもこうして新しいテクノロジーとの融合と共演を先頭に立って果たしてくれました。
さすがビートルズです。

そしてまた別の側面から、この赤盤青盤が今 2023年にリリースされることはとても意義深いことだと思わせてくれるジャイルズの発言もあります。

従来の『赤盤』『青盤』の最大の欠点はジョージ・ハリソンが書いた曲の欠落だったが、その点が解消されたことは多くのファンを喜ばせるはずだ。
「多分アラン・クレインの意向だったんだろうけど、今は、そういう重要なことはビートルズ自身が決めている。
意思決定に関わっている人数は驚くほど少ないんだ。
世間一般の認識に反して、ビートルズに関わっている人はみんな思いやりのある人ばかりだ。
だからジョージの曲が入っていないのはおかしいと感じれば、ポールもショーンもリンゴもそれを正そうとする。素晴らしいことだよ。

Giles Martin

これを読んで、今回の赤盤青盤の追加曲にはちゃんとメンバーやビートルズに近しい人たちの意向が反映されているんだと分かり、ますます嬉しくなりました。
「なぜこの曲があってこれは入ってないの?」という疑問は、今回の新しい赤盤青盤にもあるでしょうし、すべての楽曲を一枚のアルバムに収めない限り永遠に続く議論だと思いますので、まずはこの新しいアルバムに収められた75曲をありがたく聴かせてもらいたいと思います。

選曲・追加曲の妙

さて、これまで少なすぎたジョージ曲以外にも、今回いくつかの興味深い楽曲が追加されています。

赤盤だと、個人的には "Twist and shout" , "This boy" , "You can’t do that" …
いや、もう全部大歓迎ですね…。

「なぜ “Rain” が入っていないんだ」という声がちょろちょろ聞こえてきて、それにはレイン好きの私も同意しますが、そこは『入れて欲しかった曲プレイリスト』を作って心を慰めましょう。

ジョージの “If I needed someone” はリミックスも素晴らしくて、追加してもらって大正解だったと思います。

そして青盤で一番歓喜した追加2023 Mix曲は、大好きな ”Hey Bulldog” でした。

ジョージファンが歓喜しているであろう ”Within you without you” は、ビートルズの楽曲の中でとても東洋音楽みのある曲で、彼らの振り幅を感じることができる選曲だと思います。

” I want You” は失礼ながらちょっと意外な選曲に思えましたが、前曲の "Oh Darling" のポールのシャウトとジョンのシャウトとの対比なのか、ヨーコがジョンに与えた影響を示す為に入れたのか、熱狂的なファンがいるのか、ビートルズって色んな音楽やってたんだぜっていうサンプルなのか、など色々憶測します。
そしてこれはまったく妄想家の考えそうなストーリーですが、”I want you” はビートルズの4人全員がアビーロード・スタジオに揃った最後の日にミキシングされた曲なんです。
この1969年の8月20日以降、4人がスタジオに集まることは一度もありませんでした。
なので、そんな「メモリアルな曲」としても入れておいてもいいのかな、と勝手に納得しています。

シン・赤盤の衝撃

まず赤盤を聞きましたが、ひとつひとつの楽器がすごくクリアで、"Please Please Me" はジョージの指使いまで見えそうなくらいそれぞれの楽器の音がはっきり聞こえて、リンゴのタム回しもステレオだとすごく効果的だったり、本当に目の前で4人が演奏してるような臨場感があり、ものすごい衝撃でした。

"Please Please Me" はジョンが歌詞を間違えて歌っているステレオver. からリミックスをしてるようで、これまでは歌詞の間違いも「かわいいな」と思う程度でしたが、新しい音源では何かライブを見に行っているような感覚に陥りました。

ジャイルズはこの楽曲で、ボーイズの若いエネルギーと、音楽を全身で楽しんでいる姿をまず私たちに伝えてくれようとしたんじゃないかと思います。

"She loves you" でビートルズが世界中を夢中にさせた理由も理解できましたし、"I saw her standing there" のポールに圧倒されてたら "Twist and shout"  のジョンに骨抜きにされて "A Hard days night" のリンゴの演奏に耳が釘付け…という感じで、デミックスのお影でボーカル、コーラス、それぞれの楽器の演奏がミスタッチまで細かく聞こえて、これまで存在しなかったブレスとか呟きみたな声が聞こえたり、聞こえづらいところを勝手に脳内で補完していたような部分が細部までクリアに聞こえてめちゃくちゃ新鮮だったり、今まで何聴いてたんだろうって思えるくらいの驚きと感動で、ある意味 “Now And Then”  以上の衝撃かもしれない…と最初に聞いた時思いました。

もちろん、バンドの音が一塊となって向かってくる迫力のあるモノラル音源にも、そこでしか聴くことのできない良さは間違いなくありますが(実際 "Love Me Do" は今回のミックスver. よりオリジナルの黒っぽい感じの方が好みかも)、「ビートルズがそこで奏でていた(思わず出しちゃった)音をつぶさに聞かせてくれた!」という意味で、今回の2023 Mixは 自分にとって非常に革命的でした。

あ、あと1曲だけ言わせてもらうと、"We can work it out" の三拍子になる前のサビのところでめちゃくちゃかっこいいギターが聞こえてくるんですが、あれはジョンでしょうか。
あんな演奏、恥ずかしながらこれまで全く聴こえていなかったので、今回のリミックスで知ることができて良かった…と喜びを噛み締めています。

シン・青盤の衝撃

一方の青盤には、2023 Mixの楽曲は6曲収録されています。

I Am The Walrus
The Fool On The Hill
Magical Mystery Tour
Revolution
Hey Bulldog
Old Brown Shoe

”Magical Mystery Tour” はとてもゴージャスになっていて、このイメージでPJ監督に映画もリミックスして欲しい…と思ってしまいました。

大好きな ”Hey Bulldog” はリミックスによりドラマチックになっていて、ポールのベースもブル感があって好きです。
ひとつとても気になってるのが、”you can talk to me” の部分で聞こえてくる「シュコー」みたいな音です。
ライトなダースベイダーの呼吸音みたいなのが聞こえるんですが、一体何の音だろうって気になります。

"Old Brown Shoe" もベースがモコモコじゃなくなったりボーカルが前に出てきたりとクールなミックスになっていますが、何よりも1分52秒あたりのひときわ大きい奇声が気になりすぎます。
そういう耳で聞きなおすと、2009年リマスター版 "Past Masters" の音源にも奇声は入ってはいるんですが、これまで全然気にしたことがありませんでした。
こんな風に、デミックスによって新たに発見するポイントがたくさんあり、
それを探すだけでもめちゃくちゃ楽しいです。

青盤の New Mix 音源の中でちょっと物議を醸してそうなのが "I am the walrus" かな?と思いますが、わたしがこの2023Mix を聴いて思ったのは、ボーカルが際立ったことで “Mister city policeman sitting pretty little policeman in a row” とか、ラストの “goo goo g joob, joob joob” とか、ジョンの韻を踏んだ破裂音が心地よい奇怪な歌詞が際立つようになっていい感じだな、ということでした。

ただ、エンディングがオリジナルとは結構変わっていて、リア王のセリフも聞こえにくいし、色々ごちゃごちゃっと音が加えられている感じがするので、ちょっと違和感があるな。。という方には、ステレオのバランスも良くドラマチックな、わたしの一番のお気に入りミックス LOVEバージョンの "I am the warlus" をおすすめします。

The BEATLES ”LOVE”

あと、2023mixではありませんが、今回の追加曲のひとつ “Dear prudence” の冒頭がどうなっているのか、というのも聞きどころのひとつでしょう。
シン青盤では見事に前曲 "Back in the USSR" のエンディングの余韻は完全に消え去り、独立したイントロを聴かせてくれます。

そしてCDやストリーミングの青盤には、一番最後に 11/2にリリースされたビートルズの新曲 “Now And Then” が収録されています。
初めて通して新しい青盤を聴いていて "The long and winding road" に続いて "Now And Then" が聴こえてきた時、ポールの冒頭のカウントがますます効果的になるなーと感じました。

1970年に解散したビートルズの音源の後ろにボーナストラック風についてくる 2023年の新曲に違和感があるという方もいらっしゃるかもしれませんが、わたしは ”Let iet be” くらいから、ゲット・バック・セッションのビートルズを想像しながら ”I me mine” に至り、”The long and winding road”でデビュー→解散→ジョンの悲劇→アンソロジープロジェクト→ジョージとの別れ→そしてやっと今 “Now And Then”  をビートルズのラストソングとして世に出すことができたんだな…と色々思いを馳せながら、いい流れだなと思って聴きました。

このあたりも、曲順的にはオリジナルの赤盤青盤のままで、追加曲を別に聴きたいという方はアナログの曲順の方がしっくりくるでしょうし、何ならオリジナルのプレイリストを作って聴くこともできますし、自分の好みでアレンジして楽しめばいいんじゃないかと思います。

まとめ

赤盤青盤2023 Edition は、これからビートルズに出会って聴くであろう新しい世代の人たちに向けて作られたという意味合いも強いと思うので、オリジナル盤との違いも、彼らが今後過去のビートルズの音源を漁って色々発見し感動してくれる素材になるのかも…と想像すると非常にエキサイティングです!

ジャイルズ・マーティンによると、サブスクでは "Abbey Road" のような音質の面で優れている後期の作品の方が有利で、これまで再生数の多いビートルズの楽曲のほとんどが後期の作品なんだそうです。

しかし今回のシン・赤盤青盤の誕生によって、前期・中期の楽曲のサウンドも格段に良くなり、若い世代のメジャーな音楽鑑賞スタイルであるイヤフォンで聞いた場合でも遜色のない仕上がりとなったと思うので、その印象は大きく変わっていくでしょう。

ジャイルズ・マーティンは、次のようにも語っています。

リンゴが『僕らはパンクスの集まりだった』と話しているけど、まさにそれを地で行く音になっている。
4人の若者による溢れんばかりのエネルギーっていう初期の音源の魅力を、やっと正しく伝えられるようになった。

Giles Martin

本当にその言葉どおりの音を体感できていると思います。
わたしは初期の頃の【4人組のバンド】のビートルズが特に好きなので、今回のリミックスには、かなりかなりかなり感激しました。

突き詰めていくとデミックスの功罪というかデメリットみたいなものもあるんだと思いますが、わたしにとってはこの赤盤青盤の誕生は、ビートルズをもっと好きになる起爆剤となったことは間違いありません。

赤盤がデビュー曲 ”Love Me Do” で始まり、青盤のラストには “Now And Then”  が収められているというのも、その2曲が同じタイミングでリリースされた『ビートルズ4人の(多分)最後のシングル』の両A面曲だというのも、1973年に発表された赤盤青盤の意義をここに来て回収してきたんだと思わせられ、神がかり的なビートルズマジックに思えて感動します。
長い伏線でしたが、そうだからこそ、ますます彼らのストーリーに深みが増します。

そして新しい赤盤青盤は、すごくいいスピーカーが欲しい!と思わせてくれる音源です。
初めてサウンドにこだわり抜く人の気持ちが少し分かった気がします。
こんなエモーショナル担当のミーハー人間の耳にもそんな風に思わせるサウンド技術の進歩もすごいし、リミックスしてくれたジャイルズ・マーティンとサム・オケルには感謝ですし、何と言ってもやっぱりビートルズサウンドの奇跡の賜物だと思うと、ビートルズを好きでよかったなと新ためて感じます。

今回のわたしの音源に対する感想は、Apple Music のストリーミングの音源を有線のイヤフォンで聴いた時のもので、手持ちのスピーカーで聞くと少し感動が薄れる気がしました。
他にも、ジムでトレーニングしながらスマホ音源 × チープなBluetoothイヤホンの組み合わせで聞いたり、車のスピーカーで聞いたりもしてみましたが、これまでの「右と左で全然違う音がする…」みたいなことがなくなり、バランスよくクリアに聞こえるという意味ではどれも満足のいくものでした。

私にとって今回のリリースは、「ビートルズの一番好きなアルバムは?」と聞かれたら、今後は「赤盤2023 Edition!」と答えるかも。。と思うくらいの感動と衝撃を与えてくれました。

でも、今後同じようにMALやさらに進化した技術を使ったリミックスアルバムが新しくリリースされる度に「このアルバムが一番好き!」って言ってそうな予感もしています。

次のリミックスアルバムは "Please Please Me" か "Ruber Soul" かどっちだろう?みたいな、「ビートルズは終わっても、終わらない」という歓迎すべき矛盾を早く体感したいなと思います。

長くなりましたが、最後にローリング・ストーン誌による『Now And Then 評』の抜粋を紹介して終わりたいと思います。
これは赤盤青盤を聴く上でも重要な指針となるでしょう。
それでは、引き続きビートルズからの素晴らしい贈り物を堪能しましょう!

「Now and Then」は、興奮と緊張を隠しきれないリヴァプール出身の4人の若者が「Love Me Do」を歌った「過去」と、60年の時を経て 死で隔たれている「現在」をつなぐ。
あらゆることが変わった2023年の今でも、音楽への確固たる情熱で結ばれた4人の絆という核の部分は、今なお少しも揺らいではいない。
ポールとリンゴが様々な困難を乗り越え、何十年もの時を経て完成させたこの曲は4人の友情の証であり、その原動力となったのは音楽への忠誠心に他ならない。
それは音楽、そしてメンバーへの狂おしいほどの愛の産物だ。
誰にも決して真似できないストーリーを宿している。

Rolling Stone  - US

▼ シン・赤盤青盤の【開封の儀】動画です。



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