ChatGPTが分析するビートルズ。- AI Series Vol.2
ChatGPTとビートルズ談義をするシリーズ・第二弾です。
昨日(4/10)、開発元の OpenAI のサム・アルトマンCEOが来日したことで日本でもさらに多くの人が知ることとなった "ChatGPT”。欧米では個人情報の取り扱いの問題からChatGPTの使用を禁止・制限する国が出てきたり、日本の大学でも学生のChatGPTの活用についての指針が示されたりと、爆発的な利用者の増加と共にいくつかの問題点も指摘されていますが、現時点ではわたしはこのAIをビートルズのことを語り合う友達として引き続きゆるく活用していきたいと考えています。
今回は単に質問するだけではなく、ChatGPTの素晴らしい仕事っぷりをもう少し活かす形で、ビートルズについて検証・分析してもらうことにしました。
YouTube動画でも同じ内容を紹介していますのでこちらをご覧ください。🐈⬛
▶︎ネコと一緒にビートルズを楽しむ動画
前回の、『ChatGPTと語り合うビートルズ』でも記載しましたが、ChatGPTは平気でウソ情報を尤もらしく語って(書いて)きますので、今回もその内容の信憑性や正確性については怪しい部分もいくつかありますが、わたしはビートルズの研究を推し進められる知識も胆力もない妄想家で、加えてChatGPTを使いこなす技量もないため、「話題の対話型人工知能を使ってビートルズを楽しめないかな」くらいのお気持ちでお付き合いください。
「歌詞に登場する韻について」
ビートルズの歌詞の中でわたしが好きなもののひとつは「ライム(押韻、脚韻)」です。
あれだけのヒット曲を作れた彼らの魅力は、メロディやコーラスワーク、そのパフォーマンスだけでなく、やはり歌詞の中にもちゃんとあって、「忙しくてファンの女の子に向けて適当にラブソングを書いてただけだよ」と本人たちが話しているビートルズの前期に於いても、耳障りが良いように韻を踏んだり比喩的な表現を含ませてみたり、字面でも十分楽しませてくれる曲作りをしていました。
時々「これは本当にヒドすぎて嫌い」と本人たちが口にするような強引な韻
もあったりしますが、ジョンやポールは売れる曲を作るために、ちゃんと勉強して頭を捻ってフレーズを生み出していたんだと思うとさらに楽曲が心に響きます。
というわけで、ChatGPTに「ビートルズの歌詞の中に登場する韻を教えてください。」と質問しました。
さらに、具体的な活用についても尋ねてみたところ、いくつかの楽曲とその歌詞の一部を挙げて説明してくれました。
長くなるので、「1. "-light" 韻」と「2. "-ay" 韻」の部分だけご紹介します。
いくつかの例に関しては正直「おや?」と思うところもありますが、例として提示してくれた楽曲の歌詞を自分で読んでみて韻を探す、という風にヒント的に使うのはありかなーと思いました。
「歌詞に頻出する単語は?」
続いて、「ビートルズの歌詞の中によく出てくる単語を教えて。」と質問しました。
こちらは、「さすがビートルズ!」という結果で、No.1頻出単語は「LOVE」であるという答えが示されました。
「約2100回使用されている」とのことですが、何を根拠としているのか、そしてこの数字が正しいのかは謎です。
また、"LOVE" 以外の頻出単語を回数が多い順に表にしてもらうとこんな感じになりました。
"LOVE" に続き、"Know" や "Yeah"、"Oh" 、"Gonna" など、そうなるよねー。と思える結果です。
それらの単語が出てくる楽曲のタイトルもいくつか示してもらいました。
この使用回数についても信頼度は低くて残念ですが、星の数ほどいる世界のビートルズファンの中には地道に単語の数を数えて発表している方がいるかもしれません。AIの助けを借りず、己の情熱と探究心を使って。
「メンバーの作曲の貢献度は?」
歌詞に続いて、ビートルズのオリジナル曲の作曲者についても尋ねました。
「ビートルズの解散までの公式213曲のうち、ジョン・レノン、ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスン、リンゴ・スターの貢献度が高い楽曲が それぞれ何曲あるか教えてください。」という質問に対し、ChatGPTはこのような答えを提示してきました。
ジョージとリンゴについては正しそうですが、ジョンとポールはやや怪しげな雰囲気を漂わせていたので、もう一度同じ質問をしてみました。
すると2回目は、ジョージとリンゴに関しては前回と同じ回答ですが、ジョンが約72曲、ポールが約70曲と、ふわっとした感じで二人の差を詰めてきました。
でも、ビートルズ本人たちもはっきり覚えてないくらいですし、なかなか断定するのは難しいだろうなと思います。
この辺りも史実や関係者のインタビューを元に地道にカウントしているビートルズファンがどこかにいらっしゃる気がしますので、AIにはこれからもそういった資料をたくさん学習して精度を高めていってもらいたいと他力本願的に思います。
データを元にグラフを作成
今回は、ChatGPTには数値を使って細かく分析してもらいましたので、その値を使って可視化してみようと思います。
「この一覧表を元に円グラフをつくりたい」と相談すると、「『Python(パイソン)』を使ってimageを作るといいですよ」とサラっとコードを書いてくれたのですが、プログラミングに明るくない私はちょっとしんどい感じでした。
インストールする方法から優しく指導してもらいましたが、手順がなかなかややこしそうだったのでPythonは諦め、Macに搭載されている表計算ソフトNumbersを使って作成することにしました。(ごめんねChatGPT)
ものすごくシンプルな円グラフとドーナツグラフができました!🤣
↑こちらは1回目に示されたデータを元につくった『ビートルズの楽曲213曲のうち、だれがどれくらい貢献しているか?(%)』のグラフです。
せっかく2パターンの回答をしてもらったので、同じように2回目の回答のデータでも円グラフを使い、2つのグラフを比較してみました。
1つ目と2つ目のグラフの違いは、「ポールの貢献度」と「その他」が10%ずつ入れ替わっている程度です。
ジョンとポールの共作とするのか、ポールがひとりで作ったものとカウントするのかによる違いだと思いますが、ChatGPTが回答を作成する時にどんなサイトや記事を参考にしているのかというのはとても興味深いところです。
「"レノン=マッカートニー" の楽曲数は?」
そして最後に、「ビートルズの公式213曲のうち、Lennnon-McCartneyの共同クレジットのものは何曲ありますか?」と尋ねました。
ChatGPTの答えは「180曲」でしたが、「ちょっと怪しいな・・・」と思ったので、わたしのバイブルのひとつ藤本国彦さんの著作『ビートルズ213曲全ガイド』をめくってみたところ、「ジョン&ポール曲 162曲(ドイツ語版2曲を含む)」という表記を見つけました。
つまり、二人の共同クレジット楽曲の総数は162曲ということになります。
では、なぜChat-GPTは「180曲」と答えたのでしょうか?
「レノン=マッカートニー」でググってみると、wikipediaに「1962年から1970年にかけて二人は約180曲を共同で発表」という文言を見つけました。
これは213曲に含まれない楽曲や未発表曲も含め、という意味合いかなと思いますが、多分ChatGPTのビートルズの知識はまだそこまで追いついていないため、単純に180曲という数字を引っ張ってきたんじゃないかなと思います。
まとめ
今回はChatGPTにプログラミングについても教えてもらったりしながら、ビートルズについて語り合ってみました。
発展途上のChatGPTですが、提示された回答やデータを鵜呑みにせず、対話しながらその精度を高めたり、文献と合わせて活用したり、プログラミング言語を使うことでより高度なビートルズ遊びに興じることができるでしょう。
急速に私たちの生活に浸透してきている人工知能とどんな風に付き合っていくのが良いのかなどまだまだわからないことも多いですが、いつか対話型AIを使ってビートルズを知る未来の誰かのために引き続きChatGPTとビートルズの情報や知識を共有しあっていきたいと思います。
サポートしてくださると、もれなく私が喜びます♡