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リラックマおばさんに遭遇した話。


今年の春頃の話。

私は夜勤明けで帰りに飲み物を買うためコンビニに立ち寄った。

眠い目をこすりながら店内をうろついていると、突然、


「こんにちは!」


と目の前に50代から60代くらいの女性が声をかけてきた。

そのおばさんは笑顔で私を見つめ、私の言葉をじっと待っている。


私「あ、こんにちは…。」


まだおばさんはじっと私の顔を見ている。


……あっ、これアレだ。多分どこかで会った知り合いだ。

と瞬時に思ったが、その顔には全く覚えがない。

何なんだ。誰なんだおばさん。一体どこで出会った…?


生保レディ?親の知り合い?会社の別部署のパートさん?

いや、どれも当てはまらん…。


そう考えてる間、何と10秒程私たちはカップラーメンコーナーの前で見つめ合っていた。


誰でしたっけ?と聞くのは流石に失礼か…と思っていたら、ニコニコしていたおばさんが口を開いた!!


「リラックマのグッズをお得に手に入れる方法教えましょうか?」


と言ってきたのだ。

数々の変人に絡まれてきた経験豊富な私、

そこでこのおばさんが完全に全く知らない人だと気付く。


いやその前に何て言ったこのおばさん。

ヤバイ人や。こういう時に限って店員さんや他の客はどこにもいない。

とはいえ変人には慣れきっている私。


いつもなら、嬉々としてそのリラックマのグッズをお得に手に入れる方法とやらをご教示いただこうとガンガン首を突っ込んでいくのだが、

夜勤明けの頭では、

「そんなことより帰って寝たい。」という思いの方が勝ってしまった。


なので、

「いえ、よく知ってますから大丈夫です。ありがとう。」

という、こっちもなかなかに頭のおかしい返事をしてしまった。

よく知ってますからってなんだよ絶対知らんだろ私。

そういうとおばさんはものすごくショックを受けた顔をし、

早足で距離を開いて一気に店内の奥に。

そしてこちらを振り返り、


「いきなり声かけてごめんね!!!またね!!!」


と、店内に響き渡る大声で叫び、そのまま去っていってしまった。


何だったんだ…。


確かに私は重度のグッズオタクであり、キャラものは大好きだけど、その日は特に何もキャラものは身につけていなかった。


まさか見抜かれたのか?それともリラックマ好きそうな顔をしてたのか?


そもそもおばさんはサンエックスの回し者なのか?


そのリラックマおばさんは、またね!と言っていたので、おそらくまた会うことになりそうな予感がしています。


夜勤明けの私は「知り合いちゃうんかい…。」という無駄な脱力感でいっぱいでした。





自分には何ができるのか、色々な仕事に就きましたが、いずれは執筆だけで生きていこうと思っているしがないライターです。