へっぽこぴーりーまん書紀〜2社目編⑨
(→前編から)
モノクロの生活
2社目。とにかく好転のきっかけが掴めない日が続く。
ボクの売り上げ予算構成比は、営業所の1割程度でインパクトがない数字。
影響度として少なかった。
地方の担当先がメインとなり、ストレートに言うと「うまみのなく、かつ、成果があがりにくい客先」を押し付けて持たされていた格好だった。
つまり、営業活動に対して、効果が出にくい。
売上のインパクトが少ないから、雑用は右肩上がりに増えた。
軽く見られているから、雑用の振り方も適当だった。
雑用を振ったことさえ忘れている者もいた。
1人で初詣事件
新年。前任の支店長の時代から、近所の神社に会社で詣でる習慣があった。
ところが、支店長の東野はあまりそういう一体感のある行事を嫌い、面倒くさがる傾向にあった。
そこで、その新年の祈祷の旗振りをボクに任せることになった。
しかし、誰も「忙しいから、へっぽこぴー1人で行ってきてよ」と応じない。
ボクがその部署にいる時、3度ほど新年の祈祷はボク単独で行った。
他の会社が、新年の祈祷を支店長や、社長を筆頭に参拝し祈祷を行う中20代のボクが一人で立ち祈祷を受けている。もはや何のための祈祷なのかよくわからなかった。なにより一体感もなく、孤立した感じの職場の空気がいたたまれなく思えた。
彼女と武道
今にも完全に折れそうなボクに彼女ができた。妻となる人である。
友人の会社の集まりに呼ばれ、そこでたまたま会った形。
絶不調のボクだったのだが、そんなヘナヘナの状態のボクを受け入れてくれた。今にして思うが、この絶不調の時でもボクから離れなかった人が本当に大事にすべき出会いなのだと思う。
土日を一人で過ごすだけたっだのだが、彼女ができて出かけることが増えた。彼女がいたことで、何とか折れなかったと思う。
潜在的に「もっと強くならなければなあ」と思った。
とても単純な発想なのだが、精神・体を鍛えたいと古流武道(空手のようなもの)を習い始めた。
息が切れるまで体を思いっきり動かし、汗をかく。
渾身の力でミットを叩き、蹴る。
強くたくましい師範の話を正座して聞く。スパーリング形式で胸を借りる
そうすると一時的にでも情けない仕事のことを忘れて、無心になることが出来た。
仕事の成果に直接繋がったことはないが、彼女と武道が崩れそうな精神を支えてくれた。今にもプチンと切れそうなボクは何とか繋がった状態で保たれた。
NO PAIN NO GAIN
ボクの靴紐はまだ切れてはいないと思った。
まだまだボクはダメになってはいけないと。せめてそう思わなければと。抗わなければと。
「苦は楽の種」この苦難にも何か意味があるはずなんだと。
そのわずかな気持ちが自分を奮い立たせていた。
反面で、その気持ちだけでは中々事態の好転にはつながらなかった。
今にして思うと、俯瞰して戦略的に考えることが気持ちに加えて必要だったのだと思う。
(→次回に続きます)
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