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人間って 3 ヶ月間 (死ぬ気で)頑張ったら、どこまで体力向上するん ?
「何かに打ち込むと言うのは、学生以来トンとない」...という方は多いのではないだろうか。さらにいうと、学生の時に部活にせよ何にせよ、自分の能力がどのくらいの期間でどれだけ伸びたかを明確に把握し記憶している人間はほとんどいないだろう。把握している人は、大会常連者か指導者が良いか記憶力の良い人だと思われる。
今回、大人になって何か体力的なことにチャレンジする人に向けて、
(死ぬ気で) 頑張ればこれくらい伸びるのでは? というベンチマーク的なことを書こうと思う。
参考になれば幸いだ。
ちなみに、何をどれくらいの期間どのように方法で頑張ったのかというと、
陸上自衛隊の前期教育 を 3 ヶ月間 強制的に(死ぬ気で)頑張った。
入隊直後のスペック
年齢: 26 歳 1 カ月
身長: 174 cm
体重: 不明 (たぶん 64~65 kg)
腕立て伏せ: 50 回 / 2 分
上体起こし: 55 回 / 2 分
懸垂: 4 回
3000 m 走: 13:30
走り幅跳び: 4m 40cm
ソフトボール投げ: 65 m
これでも割と準備していった方だと思う。
入隊前の仕事が酪農業で、結構力仕事だったこともあり、体力はある方なんじゃないかなと思っていた。
しかし、持久力が絶望的だった。
陸上競技を知っている人であれば、3000 m 13 : 30 がどれだけ絶望的な数字かがお分かりいただけることだろう。
入隊中にやった体力錬成メニュー
私がいた教育隊はとにかく走らせることが大好きだったみたいで、ほとんど毎日、訓練で走ることの他に 1 時間走が課されていた。
陸上自衛隊は、とにかく走れないとお話しにならないとのことらしい。(普通科だけだけどね)
他のトレーニングは、腕立て伏せをよくやらされていたが、教官たちは結構理論的だったので、体幹トレーニングとかをゴリゴリやらせてきた。
教官曰く、
「何事にも段階ってものがある。いきなりキツいトレーニングをやったってできないんじゃあ意味ないんだよ。まずは 【できること】を【できなくなるまで】やって素地をつけねえとな。」
だそうだ。
(昔の自衛官や Ranger 隊員は、かがみ跳躍を必ずやらされるそうです。これは、身体への負荷が大きすぎて、故障の原因になるため、今の教育隊では、(たぶんだけど...)ほとんど廃止していると思います。事実、私の教官は鬼を絵に描いたような人たちでしたが、かがみ跳躍を課せられたことは一度もありません。...回し蹴りは喰らいましたが。)
思い返してみると、課業中にやる体力錬成は意外にもこんなもんである。
なので、就寝前自主的にトレーニングしていた。
やはり、男が約 40 人 (全体で 130 人) も集まると自然と競争が生まれる。自衛隊で何かに秀でるのに最もわかりやすいのは体力だ。
だから向上心の強い同期たちは寝る前に必ず、自重・体幹トレーニング をやってから就寝していた。(もちろん私も負けたくなかったので、こっそり懸垂をやっていた。)
ここまでを振り返ると、少なくとも以下のようなことを毎日やっていたことがわかった。
- 1 時間走 (日課: 10 km ~ )
- 体幹トレーニング (課業中: 指導でやらされるやつ)
- 腕立て・上体起こし(課業中: 指導でやらされるやつ)
- 懸垂 (自主トレ)
(...文字に書き起こすと、あんまり頑張ってないような気がしてきた。)
食事は...?
筋 trainee なら理解していただけると思うが、バルクアップのためには何よりも食事が大切である。
自衛官も身体が資本なので、しっかり食べないといけない。
私は、基本的には 1 日 1 食主義者だが、体力を使う時は、3 食主義者に変更する。
自衛隊の食事は量もカロリーも常人が摂取する想定量よりも多めに設定されている。
なので、食事は栄養バランスが優れたものを摂取していた。(味はふつう...)
ちゃんと 寝てるん?
基本的にしっかり寝る。
7 時間は睡眠時間を確保していた。
たまに、「非常呼集」というふざけたイベントで朝 3 ~ 4 時に起こされるのには、毎度憤死しそうになるが、だいたいは寝れる。
そして、もうすっかり抜けてしまったが、起床ラッパの音を聞くと反射的に起きてしまうので、スヤァ~~~ な自衛官の友達におふざけで起床ラッパを聞かすのはやめよう。部隊に配属されて、すぐに招集しなくても良いとわかっていても、一度身についた習性はすぐには消えないのである。
3カ月後
このような毎日を過ごした結果...
年齢: 26 歳 4 ヶ月
身長: 174.5 cm (+0.5)
体重: 61 kg (-3.0)
腕立て伏せ: 76 回 / 2 分 (+26)
上体起こし: 76 回 / 2 分 (+21)
懸垂: 11 回 (+7)
3000 m 走: 12:05 (-1:25) (左膝十字靭帯損傷)
走り幅跳び: 4m 60cm (+20)
ソフトボール投げ: 69 m (+4)
以上のような結果となった。
走り幅跳びやソフトボール投げはほとんど練習する機会がなかったので、これらの数値は微妙だが、3000 m 走 は意味のある結果となった。
左膝十字靭帯損傷とデカデカと書いたのだが、本当に冗談抜きに痛くて、正直いうと、3000 m 走は辞退したいくらいだった。
でも人間というのは本当に不思議なもので、これだけ辛酸なめて頑張ってきて、何も成果として残せないのは悔しいと思うようになるのである。
だから当日、激痛にも関わらず出走した。
この時、アドレナリンという物質の偉大さに出会った。
出走して 30 秒も経たないうちに、痛みは完全に消え去ったのだ。
確かに左膝の感覚がニュルッとしていて、気持ち悪いのだけれど、ちゃんとした動作はするのだ!
全力を出し切ったのち、文字通り膝から崩れ落ちた。
結果を出し切れたという多幸感と共に、夥しい量の激痛が忍び寄ってきたのである。...当然だが、何の代償もなしにあれほどの痛みを麻痺させることなどできるはずが無い。
私は、糸が切れた人形のように動けなくなってしまい、同期に支えられながら、自分の居室に戻っていった。
痛みは酷かったけれど、自分で決めた何かを達成できたことの喜びに勝るものではなかった。
最後に
陸上自衛隊前期教育という特殊な環境だったので、特定の項目に対してそれほど数字は出なかったが、人間が(死ぬ気で)頑張ればこれくらいはできるということが判明した。
何かで成果を出すにあたっては、当然なのですが、
自分の意志 <<< 仕組み化 がいかに重要かを如実に体験した出来事でした。
今ではもうすっかり走らなくなり、走れない身体になってしまった私ですが、新年を機にまた何かを頑張ろうと思って書いた次第です。
これを読んで、新年何かやろう!と思ってくれたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
* 画像は https://web-sozai.com さんからいただきました。
ありがとうございます。
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