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大人なあなたのための渋谷観光8選

 滝居健さんのこの投稿、「謎な世界クールな通りランキング」になぜか下北沢の茶沢通りがランクインしているというのを拝見した時、昨年末、タイムアウト誌が「渋谷でしかできない101のこと」という記事を紹介していたのを思い出しました。
 
 そこで、マチュアな大人向けの、Lolo流・渋谷しかできない8のことを書いてみます。

*ただし、ここで言う「渋谷」とはスクランブル交差点から歩いていける距離の界隈のみにしました。


1 道玄坂の名曲喫茶ライオン

古い本のしおり代わりにしていた、このビラがでてきました
2000年の三元日に、私が「ライオン」に行き、ライオン新年コンサートを鑑賞しているようですが、ほとんど記憶にありません。恐るべき健忘症、、、


 道玄坂と聞くと、非常に印象が悪い。円山町寄りですし、昔はヤ◯ザの抗争で悪名高く、昔は朝◯と日本のヤ◯ザがここでしょっちゅう揉めており、
「絶対に道玄坂には近づくな」
 と子どもは親たちに強く言い聞かせられていたそうです。力◯山も本当は道玄坂でヤ◯ザの喧嘩で死んだんだ、と地元のお年寄りたちは申しています。

 ラ◯ホ街もあって、そんなラ◯ホ街にマリオカートの店があるとか、コロナで一番緊迫していた時もホテルを利用するカップル(しかも中高年と老人男女)が多かったのを、自転車で「通り抜け」で通る時に私はよく見かけました。

 そんな道玄坂にある立体音響のクラシックの名曲の数々を味わえ、本格的なコーヒーを淹れてもらえる名曲喫茶ライオン
 1926年に創業です。ですから、渋谷で一番のお勧めといえば大古株の、このクラシック喫茶店しか考えられません。

 すぐそばの東急百貨店本店は「噂では」中国企業に土地を買われ、フランスグループ企業が上の箱物(建物)を建てると耳にしましたが(*あくまでも地元の噂ですので、真偽は不明)、「太い」松濤の外商客をあれだけ捕まえていたのに、まさか本店が無くなるとは、なかなかショッキング。
 地元民はなるべく渋谷駅側に行くのを避けたいので、ちょっと離れたところにある本店は立地条件も最高でした。

 東急本店が消滅し、個人的に困ったのはデパ地下です。なにしろろくなスーパーがない街なので、デパ地下で日頃の食品を買いものするしかないものの、なくなってしまった…。

 もし渋谷に引っ越したい方がいれば、忠告しておきます、まともなスーパーがないです。デパ地下か、小さなマ◯エツか、富ヶ谷のハ◯マサ、上原駅のOXぐらいです。
 あと美容院でも外食でも何でも高いです。隣の新宿区や世田谷区の方が全然安いです。

 話がそれましたが、名曲喫茶ライオン。
 もう少しで閉店するというのも噂で聞きました。2026年で開業100周年になるのに。再開発もいいけれども、なんだかなあ。

2 コスモプラネタリウム渋谷

 渋谷といえば、そもそも五島家です。上原からずうと松濤までは鍋島家の土地でしたが、今の渋谷の繁華街を開発したのは五島慶太。 そして、渋谷のプラネタリウムといえば、東急会館の五島プラネタリウムでした。

 多くの中高年NOTERさんは五島プラネタリウムでデートしていると思いますが、 サザン・オールスターズとの歌の数々とのコラボ映写の回や、それこそ「タイタニック」とのコラボの回もありました。
 その「タイタニック」のプラネタリウムの回では、船が沈んだ時の夜空を再現しました、というもので、My heart will go onがかかり、観客たちはジャックとローズを思い出し、シクシクすすり泣きをしたものです。

 しかし、外に出るとスクランブル交差点のところの109の電子掲示板には浜崎あゆみの出ているツーカ(携帯電話)の巨大広告がきらびやかに映っており、ガン黒ちゃんとヤマンバちゃんが大勢いました。

 五島プラネタリウムがなくなったのは2003年の東急文化会館の解体の時でしたが、長年、渋谷の人々に愛されていたプラネタリウムが消え、街が寂しくなりました。
「プラネタリウムのない渋谷繁華街は渋谷繁華街ではない」

 そこで、住民の要望があまりにも大きく、2010年でしたでしょうか。渋谷区がコスモプラネタリウム渋谷を別の場所、、、セルリアンタワー側にオープンさせました。

 大人向けのプラグラムも多く、去年はクラシック「木星」をテーマにした番組が上映されました。素晴らしかったです。黄金色の楽譜と音符が星空に登場し、それが星に変わり流れ星となって落ちてきて、どかんと木星が登場。感動しました。

 コスモプラネタリウム渋谷の長所は区営なので安い。そして平日の日中はほぼガラガラ。大人向けのプログラムも多い。短所は、それこそ区営なので司会がプロではないため、解説が上手い下手の当たりハズレがあること。(笑)

3 川本喜八郎人形ギャラリー

撮影はNGですが、これは特別の時です

  五島プラネタリムが入っていた東急文化会館は老朽化によって解体されましたが、その後にヒカリエという建物が誕生しました。

 そこの8階に行くと、川本先生の三国志と平家物語の素晴らしい人形が展示されており、ヤンヤンムウのぬいぐるみたちがまずお客さんを迎えてくれます。渋谷区の運営なので入場料は無料です。意外と穴場で空いています。

 昔、教育テレビ(Eテレではありません、教育テレビです)で放送されていた人形劇「三国志」を見ていた世代には涙ものですが、私は正直言うと、この人形劇は記憶になく、石川ひとみが声優を務めた「プリンプリン物語」はおぼろげに覚えています。(笑)

4 タワーズバー「ベロビスト」

 ジャズの生演奏を聴きながら、渋谷の夜景を眺めるなら個人的にはこのバーがお勧めです。
 このバーが入る東急セルリアンタワーは2001年に開業しました。

 当時はやたら「渋谷を大人の街にする」と息巻いていた時代で、おそらくベビーブーマーに大量に生まれた団塊ジュニア世代が10年後には中高年になるのを想定したからなのかな?と思いましたが、マークシティも「大人のためのショッピング」とかそういうキャッチフレーズがあった気がします。
 しかし、渋谷駅のところにある、そのマークシティビルに百均ショップと300円ショップが入った時に
「もうこの国はだめだ」と本気で思いました。

 セルリアンタワーはホテルなので、多くの著名人も宿泊しており、モンティ・パイソンのテリー・ギリアムも泊まっていたのを見た時はテンション上がり、「未来世紀ブラジル」を鼻歌しそうになりました。

 開業当時、このホテルはどんどん外国のスターやセレブの定宿になるのかな?と思いましたが、2年後に六本木にヒルズが誕生、ハリウッド映画新作の発表会は六本木のそこになり、六本木のリッツカールトンが彼らの宿になってしまいましたし、「大人の街」も六本木になってしまいました。

5 松濤美術館と戸栗美術館

松濤美術館

 スクランブル交差点を拠点にするとちょっと歩きますが、どちらも小規模な美術館で、ちょいちょい、いい展示もやっています。そのもう少し先に東大駒場キャンパスもあるので、紅葉シーズンや桜のシーズンの散歩にはもってこいです。

6 渋谷川沿いを散歩する

 あのドブ川こと、汚い渋谷川沿いを開発しおしゃれにしたのは数年前。そこをまっすぐ歩くと代官山または恵比寿まで繋がります。犬散歩では本当によく歩いたものです…。

 しかし川沿いにかつてあった八百屋や魚やなど見事になくなり、商業施設やスィートの店ばかりできて、全く地元民のこと、特に年寄りの住民のことを考えていません。

7 明治通り

キャットストリート

 ホームレスが多く汚かった宮下公園が宮下「PARK」の横文字になり、しかもビルの屋上に公園が移動してしまうとは驚きました。
 年寄りに言わせると、明治通り側は昔は連れ込み宿が多かったそうですが、繰り返すと、戦後は闇市場だったセンター街(今やバスケットストリートにネームチェンジ)が取り残され、明治通り側がどんどん栄えてしまうとは…。

 明治通りに行き、その隣のキャットストリートを抜け表参道の通りに出ると、原宿側は安い雑貨屋などが多く、表参道交差点方面にはブランドショップが並んでいます。
 ここも、特に夏の時期の犬散歩の定番でした。なぜなら案外日陰が多いのと、ずらりと並ぶショップから冷房が流れてくるので涼しかったからです。

8 NHK放送博物館 

 意外と楽しいと思います。それに渋谷といえばなんたってNHKです。おそるべし数のNHK関連ビルが建っており、私の周りも多くNHKまたは関連会社に勤めています。ペットに「どーも」とか「ガッテン」とか「大河」と名前をつけているのを聞くと
「ああこの人もNHK勤務だな」
とぴんときます。笑

 ちなみに、コロナ前は毎年秋にNHKの文化祭が開かれ、誰でも無料で館内に入り、「今日の料理」番組チームが作った料理を食べたり、なかなか面白かったのですが、なくなっちゃったようで残念です。

渋谷繁華街エリア

 以上、私が選んだ渋谷繁華街側の8選です。
 タイムアウトの記事では、フルーツカクテルを飲もう、パエリアを食べよう、スクランブルビルの上から景色を眺めよう等などで、全然違う🤣

 ところで、スクランブル交差点にヤングが集結するようになったのは、私の記憶では2002年の日韓ワールドカップで、日本が勝ち進んだ時からです。
 
 それ以前はあそこにあんなに人が集まることはなかった、せいぜい、1999年に郷ひろみが無許可でゲリラライブをしちゃった時ぐらいのはずです。

 ハロウィーンイベントも、松濤の欧米人と北米帰りの日本人とインターナショナルスクールの子どもたちしかやっていませんでした。そう、渋谷ハロウィーン=松濤のイベントでした。
 それがなぜ観光客ばかりの表側(商業地区のスクランブル交差点側)でああいうことになったのか、さっぱり分かりません。

 また、スクランブル交差点周辺は確かに昔から混んでいますが、ここまでひどくなったのは色々路線が増えてからです。しかも埼玉とずいぶん電車が繋がりました。

 完全に渋谷へのアクセスはさいたま県民に有利になっており、以前は東横線も半蔵門線も渋谷から必ず座れたのに、埼玉とつながったせいで!、座れなくなりました。
 その上、駅構内はまだまだ工事が続きカオスです。穴も掘り過ぎで地震は大丈夫なのか?みんな心配しています。

 さらに「玉川上水旧水路緑道の桜を含む樹木189本伐採計画」が登場。案の定、元博報堂の区長のゴリ押しプロジェクトで、子どもやペットの散歩道のそこの木を一気に伐採し、商業施設を作ると。
 そんなにまた伐採されてしまったら、東京の夏がもっと暑くなります…。

 渋谷よ、そんなに緑の木々を伐採し穴を掘ってどうする、そんなに商業施設ばかり作ってどうする。使いにくい公衆トイレをどんどん作ってどうする。(壁が透けるとか鬱蒼とした暗い公園トイレとか)

 企業が多い区なのにも関わらず、住民税がバカ高く、香港から渋谷に移住した私の知り合いは
「渋谷の住民税は香港の11倍!」
とぎょっとしていました。

 この街の10年後、20年後はどうなっているのか…。その前に日本はどうなっているのか。
 とりあえず、春休みに渋谷に初めて遊びに来られるマチュアーな皆様、マリオカートの暴走には気をつけてください。笑

 



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