ざきやま

Medical Student. Research. Music Lover.

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カルボナーラと牛乳鍋

昼食にカルボナーラを作った。 正確に言おう。昼食に「カルボナーラ的なもの」を作った。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ Twitterで流れてきた料理系のリール動画を見ていて、唐突にパスタが食べたくなった私は、昼食にカルボナーラを作ることにした。 食材を買いに行き、ベーコンと玉ねぎとしめじを炒め、パスタを茹でるところまでは全てが順調だった。 牛乳を注いだところで、事件は起こった。そう、牛乳を入れすぎ

    • 紙のはなし

      紙の書類を管理するのが苦手である。というか、絶望的にできない。 思えば小学生の時から、これは親御さんに渡しておいてくださいね、みたいに配られた書類をきちんと両親に渡せた覚えがない。多くの場合は数週間ほどした後、教科書に押しつぶされてぺしゃんこになった状態でランドセルの底から発掘され、それを見た母親にこっぴどく𠮟られていた。ひどい時は、雨か何かに濡れて書類が判読不能になっていたこともあった。中学に進学してからは、机の片隅には常に1mを超える書類の山ができていて、崩壊の危険と隣

      • 学術誌のOpinionを読む(5)~インドのCOVID-19対策~

         今回は、NEJMと並んで臨床医学の頂点と言われるThe Lancet誌に4月25日に掲載された、EDITORIALコーナーを紹介します。インドのCOVID-19対策は、今のところ非常にうまくいっているようですが、抱えている問題はどこの国でも共通している印象を受けますね。 The Lancet, Volume 395, ISSUE 10233, P1315, April 25, 2020 DOI : https://doi.org/10.1016/S0140-6736(20

        • 学術誌のOpinionを読む(4)~マスクを巡る攻防戦~

           今回は、臨床医学の最高峰、New England Journal of Medicine(NEJM)誌に4月17日に掲載された、Correspondenceというコーナーを紹介します。「編集長へのお便り」といった軽めの投稿欄ですが、ここでは防護具を手に入れるために息詰まる攻防を繰り広げる医師の姿が描かれていて、まるで小説のようです。4月26日時点で、今週のNEJMの'Most Viewed Article'の1位でした。 N. Engl. J. Med. April 17

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          学術誌のOpinionを読む(3)~ゲノム編集を用いたがん治療~

           今回は、4月2日のCell誌に掲載された、Nevertheless, They Persistedという文章を紹介します。いま話題になっているがん免疫療法の進歩について書いたもので、タイトルのpersistは「遺伝子編集を受けた細胞が体内に定着した」という意味だと思われます。Cell誌は、山中先生がiPS細胞について初めて報告した雑誌です。 Cell. Volume 181, Issue 1, 2 April 2020, Pages 4-5 https://doi.org

          学術誌のOpinionを読む(3)~ゲノム編集を用いたがん治療~

          学術誌のOpinionを読む(2)~コロナの影に隠れた他の感染症~

           今回は、4月10日号のScience誌に掲載された、IN DEPTHという欄を紹介します。コロナウィルスのパンデミックを抑えるために、それ以外の感染症の予防接種が中止になっているという内容です。 出典(原文リンク) Science 10 Apr 2020: Vol. 368, Issue 6487, pp. 116-117 DOI: 10.1126/science.368.6487.116 Author:Leslie Roberts  「悪魔の選択」-ここ数週間世界

          学術誌のOpinionを読む(2)~コロナの影に隠れた他の感染症~

          学術誌のOpinionを読む(1)~コロナウィルスによる民族差別~

           毎日家にいて暇(本当は勉強しないといけないのですが)なので、英語の練習を兼ねて、学術誌のオピニオンコーナー(論文ではなくて、昨今の科学事情に対して編集者が意見するコーナー)を翻訳してみることにしました。非常にレベル的にも良い英語ですので、英語に自信のある方は原文を読んでみてください。  今回はNature誌に4月7日に掲載されたEDITORIALの記事を取り上げます。テーマは、コロナウィルスによって起こっているアジア人への差別についてです。 出典(原文リンク) Natu

          学術誌のOpinionを読む(1)~コロナウィルスによる民族差別~

          指揮者とリーダーシップ

          はじめに クラシック音楽が好きだというと決まって、「楽器やってたの?」と聞かれる。  確かに経験上、「クラシックが好きだ」と公言している人の大半が、いや、ほとんどが、小さいときからピアノやヴァイオリンを習っている。過去の名録音を漁るのも、大概が自らの練習の参考にするためという、言わばリファレンス的な目的である。多様な娯楽が溢れる現代において、クラシック音楽をわざわざ取り出して聴こうとする動機も、それくらいしかないのだろう。  しかしながら、「楽器をやっていた人」が聴くク

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          【速報】2020年グラミー賞主要部門ノミネートと感想

          いよいよ、ノミネートの発表です。発表とほぼ同時に書いています。 主要部門の前にジャンル別の発表がありましたが、Best Pop Solo PerformanceがBillie Eillish, Taylor Swift, Lizzo, Ariana Grande, そしてBeyonceによるLion Kingのエンドタイトル(!)と、全員が女性でした。今年の音楽シーンは女性が本当に強かったです。 --------------------------------------

          【速報】2020年グラミー賞主要部門ノミネートと感想

          2020年グラミー賞主要部門ノミネートを予想する

          2020年度のグラミー賞のノミネートが、11月20日の米国東部標準時の8:20(日本時間では22:20)に発表されます。この記事を書いているのは発表の10時間ほど前ですが、主要4部門のノミネートを予想してみました。 ------------------------------------------------------------------ まず、Album of the Yearから。 Billie Eilish 'When We All Fall Asleep

          2020年グラミー賞主要部門ノミネートを予想する