見出し画像

20001009 防毒マスク

 有毒ガスを扱う事業所などには、漏洩したときのために空気呼吸器$${^{*1}}$$が必ず備えてある。

 ガスによっては目の粘膜を冒すものもあるので顔を全体覆う形になっている。眼鏡をしているとこめかみに隙間ができてこのマスクを装着することができない。だから眼鏡を取って装着する。極度の近視の場合は何も見えなくなるので、恐ろしくてこの空気呼吸器を付けることができない。

 有毒ガスの中には呼吸器や目だけを保護すればいいという甘っちょろいガスばかりではないだろう。フッ素ガス$${^{*2}}$$などは空気中の水分と反応してフッ酸$${^{*3}}$$になり皮膚から浸透して骨を冒したりする。そんなガスが漏れたとき顔だけを覆う空気呼吸器で漏洩処理をするのは非常に心許ない。

 そう思っていたらどうもこれは勘違いであることが判った。備えてあるあの空気呼吸器は、あってはならないが、何らかの事故で僅かに漏洩したときの処置作業用のものである。大量に漏洩したときは退避するのが基本で、呼吸器を付けて漏洩容器の処置をするわけではないようだ。こういう場合は消防機関などに通報して専門家に任せるのだろう。

*1 ライフゼム Z30 - 自給式呼吸器 | 製品情報 | 株式会社 重松製作所
*2 猛毒・危険なハロゲン元素、フッ素(F)~表面処理の王様~
*3 半導体用フッ化水素酸

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?