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20051209 複雑な漢字

 大抵の漢字は偏(へん)と旁(つくり)との組み合わせになっている。この組み合わせによって文字数が莫大$${^{*1}}$$になった。偏や旁になる文字は大抵、物の形や抽象的な概念を表した符号が原形となっている。例えば$${^{*2}}$$や亀などは絵が直接字に変化$${^{*3}}$$している。

 物事を表すのにいちいち絵を描いていたら面倒だから、簡略化$${^{*4}}$$される。簡略化されて文字になった$${^{*5}}$$とは言え「馬」や「亀」などのように西洋文字やエジプトの文字$${^{*6}}$$よりも複雑である。歴史的な文字にはかなり複雑なもの$${^{*7}}$$もあるが、現役である漢字は文字の中では世界一複雑だろう。

 馬、亀の他に比較的複雑な漢字には「鳥」「鹿」「黽」「鼠」「龍」「鬼」「鼎」「$${^{*8}}$$」などがある。これらは部首として漢字の構成要素にもなっている。それにしても何故これらの漢字は比較的複雑なのにもかかわらず他の漢字の構成要素となったのだろうか。部首$${^{*9}}$$ならばもう少し簡略化されてもいいはずである。使用頻度が少なかったので変化し難かったのかも知れない。

 以前、怪物専門の字として「$${^{*10}}$$」を取り上げた。この「き」と読む漢字は、「怪物」としての意味が殆どなので日常では使われない。従ってコンピュータで表示できる文字に採用$${^{*11}}$$されていないので、素直に表示できないのである。「き」というのは顔が牛か獅子舞の獅子のようで足が一本しかない怪物で、山梨にある山梨岡神社ではこの怪物が祭られている$${^{*12}}$$。

 「き」はこんな漢字$${^{*13}}$$だ。漢和辞典の見出し字を電子的に取り込んだ。印刷物を拡大した所為か縁がガタガタしている。もっと滑らかな字がweb上にないかと探している内にあらゆる漢字をコンピュータで表示しようと試みている所$${^{*14}}$$を思い出した。そこならばちゃんとしたコンピュータ用の活字らしき物があるかも知れない。

 調べてみたらあった$${^{*15}}$$。辞書の活字より少し貧弱な雰囲気だが、コンピュータ用に設計された活字である。ここにはどんな漢字でもある。以前に話題にした変な漢字$${^{*16}}$$が全て揃っている$${^{*17}}$$。ここは凄いサイトだ。

*1 Q1003 漢字はいったいいくつあるのですか?
*2 甲骨文字(こうこつもじ)
*3 書は人なり [32] 私流にたどる年賀状の歴史
*4 東京大学総合研究博物館 デジタルミュージアム展 釈文の仕方-大克鼎を例に-
*5 異体字の世界 ― 漢字の形の美しいバリエーション ―
*6 ヒエログリフ
*7 アズティック文字
*8 20040209 美乳
*9 部首(ぶしゅ)
*10 20021022 きの神
*11 JIS漢字コード
*12 山梨妖怪旅行1日目
*13 ki.gif
*14 今昔文字鏡とは ※今昔文字鏡を維持する母体は2019年に解散してしまった。Internet Archive上のデータも削除されている。
*15 005746.gif ※2022年現在、グリフウィキというサイトであらゆる漢字のフォントが公開されている。
*16 20010623 曲線漢字
*17 メインページ - GlyphWiki

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