見出し画像

20020102 問題の解決法

 「解決策のない問題はない$${^{*1}}$$」という言葉を初めて聞いた。「人生は問題解決の連続$${^{*2}}$$」とか「有為 (うい) の奥山(おくやま)今日(けふ)越えて$${^{*3}}$$」というようなことを考えると、どんなことでも必ず実現出来そうな気がしてくる言葉だと一瞬思った。

 その次の瞬間「解決策のない問題はない」というのは、「解決策のない事柄は問題とは言えない」と思えてきた。つまり解決策があるから「問題」と言えるのであって、どうしようのないことは「問題」とは言えないのではないか。

 言葉の定義の話になってしまうが、ここで言う「問題」とはなぞなぞや試験の問いではなく、「解決を必要とする事柄」という意味である。上の言葉は再建を懸命に行っているどこかの大企業$${^{*4}}$$の社長の言葉だった。数年前には誰もが再建が非常に困難だと考えていたのだが、この社長に交代して何とか持ち直しかけてきた。この実績に対して語った言葉が「解決策のない問題はない」であった。

 問題を解決するにはその事柄を「問題」と認識できないようにすればよい。これには方法が二つあり、一つは対象となっている事柄に手を加えて問題と認識出来ないようにする。あと一つはそれを問題と認識しないように自分自身の考え方を変える方法である。

 天井から雨漏りがしている。これが「問題」であると認識したとする。まず問題であると考えなければ始まらない。この問題の解決法の一つは屋根を修復することである。もう一つはこれが問題であるという考えを改めることである。雨漏りを気にしなければいい。

 問題には必ず解決策があり、解決出来ない問題であると考えるのは、その解決法が非常に困難であったり面倒臭いだけである。

 そして本当に「解決できない問題」というのがあれば、既にその事柄は「問題」とは言えなくなっている。その事柄はそういうものなのである。どうしようもないのだ。

*1 千田琢哉『「仕事が速い」から早く帰れるのではない。「早く帰る」から仕事が速くなるのだ。』セレクション|ベストセレクション|学研よみものウェブ ほんちゅ!
*2 5〉平成23年(2011年)4月25日(月曜日)国 士 舘 大 学 新 聞
*3 20001025 あさきゆめみし
*4 NISSAN Web:日産自動車ホームページ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?