20001219 数の名前
ヨーロッパの各言語の数詞がどうなっているか気になったので調べて比較してみた。
日本語$${^{*1}}$$
1 1 11 10+1 30 3*10
2 2 12 10+2 40 4*10
3 3 13 10+3 50 5*10
4 4 14 10+4 60 6*10
5 5 15 10+5 70 7*10
6 6 16 10+6 80 8*10
7 7 17 10+7 90 9*10
8 8 18 10+8
9 9 19 10+9
10 10 20 2*10
英語$${^{*2}}$$
1 1 11 11 30 30(3*10)
2 2 12 12 40 40(4*10)
3 3 13 3+10 50 50(5*10)
4 4 14 4+10 60 60(6*10)
5 5 15 5+10 70 70(7*10)
6 6 16 6+10 80 80(8*10)
7 7 17 7+10 90 90(9*10)
8 8 18 8+10
9 9 19 9+10
10 10 20 20(2*10)
ドイツ語$${^{*3}}$$
1 1 11 11 30 30(3*10)
2 2 12 12 40 40(4*10)
3 3 13 3+10 50 50(5*10)
4 4 14 4+10 60 60(6*10)
5 5 15 5+10 70 70(7*10)
6 6 16 6+10 80 80(8*10)
7 7 17 7+10 90 90(9*10)
8 8 18 8+10
9 9 19 9+10
10 10 20 20(2*10)
フランス語$${^{*4}}$$
1 1 11 11(1+10) 30 30(3*10)
2 2 12 12(2+10) 40 40(4*10)
3 3 13 13(3+10) 50 50(5*10)
4 4 14 14(4+10) 60 60(6*10)
5 5 15 15(5+10) 70 60(6*10)+10
6 6 16 16(6+10) 80 4*20
7 7 17 10+7 90 4*20+10
8 8 18 10+8
9 9 19 10+9
10 10 20 20
イタリア語$${^{*5}}$$
1 1 11 1+10 30 30(3*10)
2 2 12 2+10 40 40(4*10)
3 3 13 3+10 50 50(5*10)
4 4 14 4+10 60 60(6*10)
5 5 15 15(5+10) 70 70(7*10)
6 6 16 6+10 80 80(8*10)
7 7 17 10+7 90 90(9*10)
8 8 18 10+8
9 9 19 10+9
10 10 20 20
ラテン語$${^{*6}}$$
1 1 11 1+10 30 30(3*10)
2 2 12 2+10 40 40(4*10)
3 3 13 3+10 50 50(5*10)
4 4 14 4+10 60 60(6*10)
5 5 15 5+10 70 70(7*10)
6 6 16 6+10 80 80(8*10)
7 7 17 7+10 90 90(9*10)
8 8 18 -2+20
9 9 19 -1+20
10 10 20 20
ポルトガル語$${^{*7}}$$
1 1 11 11(1+10) 30 30(3*10)
2 2 12 12(2+10) 40 40(4*10)
3 3 13 13(3+10) 50 50(5*10)
4 4 14 14(4+10) 60 60(6*10)
5 5 15 15(5+10) 70 70(7*10)
6 6 16 10+6 80 80(8*10)
7 7 17 10+7 90 90(9*10)
8 8 18 10+8
9 9 19 10+9
10 10 20 20
スペイン語$${^{*8}}$$
1 1 11 11(1+10) 30 30(3*10)
2 2 12 12(2+10) 40 40(4*10)
3 3 13 13(3+10) 50 50(5*10)
4 4 14 14(4+10) 60 60(6*10)
5 5 15 15(5+10) 70 70(7*10)
6 6 16 10+6 80 80(8*10)
7 7 17 10+7 90 90(9*10)
8 8 18 10+8
9 9 19 10+9
10 10 20 20
ロシア語$${^{*9}}$$
1 1 11 11(1+10) 30 30(3*10)
2 2 12 12(2+10) 40 40
3 3 13 13(3+10) 50 50(5*10)
4 4 14 14(4+10) 60 60(6*10)
5 5 15 15(5+10) 70 70(7*10)
6 6 16 16(6+10) 80 80(8*10)
7 7 17 17(7+10) 90 90
8 8 18 18(8+10)
9 9 19 19(9+10)
10 10 20 20(2*10)
エスペラント語$${^{*10}}$$
1 1 11 10+1 30 3*10
2 2 12 10+2 40 4*10
3 3 13 10+3 50 5*10
4 4 14 10+4 60 6*10
5 5 15 10+5 70 7*10
6 6 16 10+6 80 8*10
7 7 17 10+7 90 9*10
8 8 18 10+8
9 9 19 10+9
10 10 20 2*10
表の見方は日本語ならば「30」を「さん じゅう」と表現するので「3つの10」と言う意味で「3*10」とした。「10が3つ」として「10*3」としてもよいが、語順と数の並びとが逆転するので分かりにくい。「13」ならば「じゅう さん」で「10と3」だから「10+3」となる。
英語ならば「30」は「thirty」と言う。これは「3つの10」と言う意味になる。「thirty」の-tyはドイツ語の20から90に使われる10を表す接尾辞-zigが変化したもの$${^{*11}}$$である。古い英語では-tigだった。ドイツ語の10はzehnなのでこれが変化してzigになったのは分かりやすい。どちらも10の部分がかなり変形しているので「30(3*10)」とした。「13」は「thirteen」なので「3と10」で「3+10」としている。「ten」と「teen」とではさほど変化していないので、そのまま「3+10」とした。
フランス語、ポルトガル語、スペイン語などの13を「13(3+10)」としているのは、やはり10の部分が大きく変化しているからである。フランス語の11は「onze」、12は「douze」と規則性があるものの10を表す接尾辞「-ze」ともともとの10である「dix」とがあまり似ていないが「11(1+10)」「12(2+10)」とした。見方によっては「dix」のdが省略されて「-ix」となり、それが「-ze」に変化したとも考えられる。
こうやってみてみると1から10まではどこも同じ様な数え方をしている。つまりそれぞれの数に対して固有の言い方をしている。ところが11以上になるとバラバラである。フランス語は11から16までと17から19までとの表現が異なる。一方、ポルトガル語とスペイン語は11から15までがフランス語と同じ形式で、16から19までが異なる形式に変化する。イタリア語の11から19までは、フランス語、スペイン語、ポルトガル語の10の後半と同じ表現方法になっている。
なんとラテン語では18、19が20からの引き算になっている。ロシア語は40と90が独自の数詞である。フランス語の70と90とは複雑な計算式になっている。
やはりヨーロッパの言語の数詞があまりにも非合理的なことなのは気付いていたのだろう、人工言語のエスペラント語はちゃんとした十進法になっている。ヨーロッパ言語の親戚であるヒンディー語は1から100まで全て固有の数詞$${^{*12}}$$になっている。
*1 日本語の数体系
*2 英語の数体系
*3 ドイツ語の数体系
*4 フランス語の数体系
*5 イタリア語の数体系
*6 ラテン語の数体
*7 数詞(ポルトガル語) - CyberLibrarian
*8 数詞(スペイン語) - CyberLibrarian
*9 ロシア語 ロシア語の数字
*10 エスペラント語の数体系
*11 -ty | Origin and meaning of suffix -ty by Online Etymology Dictionary
*12 ヒンディー語の数体系
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