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20010924 オペアンプのピン

 パソコンや電化製品の中を開けて見ると、中にはいくつかの黒い樹脂製の四角い部品$${^{*1}}$$が半田付けされた板が入っている。その半田付けされた樹脂製の四角い部品をよく見ると横から金属製の足の様なもの$${^{*2}}$$が沢山出ているのが分かる。この部品は、集積回路Integrated Circuitと呼ばれるもので、略してICと言う。何が集積されているかというとトランジスタや抵抗やコンデンサ$${^{*3}}$$といった電子部品がこの樹脂の中に何百何千個と入っている。実際には数mm角のもっと小さいところに集積されているのだが、小さ過ぎると半田付けがし難いので樹脂やセラミックの箱に入れてわざわざ大きくしている。

 集積されたトランジスタの数が何万、何十万個$${^{*4}}$$もあるものは特に「大規模集積回路Large-Scale Integration」、略してLSIと呼ばれる。

 ICの金属製の足は半田付けをするためだけに付いているのではなく、ICが動作するための電気を供給したり電気信号の受け渡しをするためのものである。従ってそれぞれの足にはそれぞれの役目があり、ICの種類によってその役目は様々である。同じような形をしていても足に出入りする電気信号の種類や性質が違ってくるので、ICを使って電子回路を設計する時や工作をする時はそのICの足の役目をちゃんと調べなければならない。

 調べるとこのように$${^{*5}}$$足の役目とICの中に入っている電子回路の記号が図示されている。ICの足は通常「ピン」と呼ばれ、足の役目を示した図を「ピン配置図」と呼ぶ。

 どのピンがどんな役目をするかはこのピン配置図さえあれば、意図通り接続することができる。どんなピン配置になっていようが構わないのであるが、場合によってはある程度決まりみたいなものがある。例えばテキサスインスツルメント社$${^{*6}}$$のSN74シリーズ$${^{*7}}$$のICでは駆動するための電源用のピンは角に配置されたピンで、マイナスが「7番ピン」、プラスが「14番ピン」に統一されている。

 オペアンプと呼ばれる集積回路がある。オペアンプとはOperational Amplifier演算増幅器の略で増幅器の一種である。「-入力(反転入力)」と「+入力(非反転入力)」との二つの電気信号を受け入れるピンとその入力に応じた信号を出す「出力」ピンで構成される。オペアンプの記号$${^{*8}}$$はこのように表される。+-と書かれた三角形の底辺から出ている線が電気信号を受け入れるピンで、三角形の頂点から出ている線が出力ピンである。実際には代表的なオペアンプの中身の回路$${^{*9}}$$はこうなっている。

 代表的なオペアンプのピン配置$${^{*10}}$$はどうなっているか。「-入力」は2番ピン、「+入力」は3番ピン、「出力」は6番ピンである。2×3=6となっている。ピンの配置はICそのものの設計者が好き勝手に決めればいいのだが、これは粋な決め方がしてある。

*1 SILI15.JPG
*2 ROMチューニング用追加基板の取付
*3 1石レフレックスラジオ_2/9
*4 Pentium 4の実力検証
*5 集積回路
*6 標準ロジック トップページ
*7 7400 Quad 2-Input NAND Gate
*8 オペアンプの基本的な性質
*9 LM741オペアンプの内部回路
*10 741 Op-Amp Tutorial, 741 circuits, 741 Schematics, with examples

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