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20021223 さしがね

 「誰それのさしがねに違いない」と言った具合に「さしがね」という言葉を使う。この「さしがね」というのは曲尺(かねじゃく)$${^{*1}}$$のことだとずっと思っていた。曲尺と「誰それのさしがね」とが私の頭の中でどう結びついていたかというと、あの直角に曲がった物差しの長い方の端をもって、短い方の縁で人の背中を突く動作が「ほれほれ」とそそのかす感じがして、それが語源だと勝手に思い込んでいた。どうして人をそそのかすのに曲尺を使うのかははっきりしないが、頭の中ではそう言う図式が出来上がっていた。

 この場合の「さしがね」は黒塗りの竿の先に針金をつけた芝居の小道具$${^{*2}}$$のことであった。

*1 さしがね
*2 日本の音楽と舞踊の魅力を探る VOL.1 ものぐるいの美-狂うほどの愛、知っていますか- より レクチュア「物狂考」その4

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