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20050905 がや

 名古屋弁$${^{*1}}$$の終助詞に「がや」というのがある。インターネット百科事典$${^{*2}}$$を見ていたら、この「がや」は驚きを表す終助詞$${^{*3}}$$と書いてあった。今までそう言った意識をせずに使っていたが、「驚きを表す」と言われればそんな感じもする。ただし辞書として、最初に掲げる意味としては違和感がある。「がや」の用法で最も多いのは驚きを表す時ではない。

 単なる「強調」だ。標準語$${^{*4}}$$の「ね」「よ」「ぞ」に当たる。「そうだがや(そうだね)」「これだがや(これだよ)」「そうしたがや(そうしたぞ)」となる。ただし強調の意味しかないのでそれぞれが必ずしも標準語の終助詞との対応関係にはならない。「一緒に行こうね → ×一緒に行こうがや」「どうだね → ×どうだがや」「早く行こうよ → ×早く行こうがや」「手伝ってよ → ×手伝ってがや」「他に何があろうぞ → ×他に何があろうがや」と同じ終助詞であっても単純な置き換えはできないのだ。正しい名古屋弁は「一緒に行こうね → ○一緒に行こみぁあ」「どうだね → ○どうでぁあ」「早く行こうよ → ○早(はよ)行こみぁあ」「手伝ってよ → ○手伝ってちょう」「他に何があろうぞ → ○他に何があろうぞ(変化なし)」である。どこの方言でも同じだが、それぞれ特有の文法があるのでそれを理解していないとテレビジョンドラマなどに出てくる「変な名古屋弁」となってしまう。

 「がや」は男言葉であって通常女性は使わない。女言葉は「がね」になる。「がや」の「が」の母音が省略されて「ぎゃあ」となる場合もある。これは女性も使う。「ぎゃあ」は「がや」「がね」よりも軟らかい印象がある。砕けた表現なので公式な場で使わない。そういう場合は「なも」や「えも」になる。 

*1 純正なごやん
*2 20030628 ウィキペディア
*3 名古屋弁 - Wikipedia
*4 なごや弁INDEX

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