20010806 オイラー
先日、物理学などで用いられる定数を表す記号の由来$${^{*1}}$$について書いた。読者の方から、自然対数の底「$${e}$$」はEulerオイラーの「$${E}$$」ではないかと言う指摘を頂いた。
記事では、自然対数の底「$${e}$$」はexponential、と書いたが、これは特に調べた訳でもなく、何となくこんなものだろうと思って書いてしまったのである。
調べてみると色々面白い記述$${^{*2}}$$があった。自然対数の底をロジャー・コーツ$${^{*3}}$$は「$${M}$$」で表していたらしい。なぜ「$${M}$$」としたのかよく分からない。オイラーはこれを「$${e}$$」と表した。ニュートン$${^{*4}}$$が最初に一般的な指数を$${a^z}$$(aの肩に小さくzを書く)という形で記述したらしい。この表記をオイラーも採用していた。ここからはこのページの著者の考え$${^{*5}}$$であるが、「$${a}$$」によく似た母音の「$${e}$$」を自然対数の底の数値として代表させたのではないか、というのである。因みに円周率をπと最初に表したのはウィリアム・ジョーンズ$${^{*6}}$$だが、オイラーもこれを採用$${^{*7}}$$したので、これが一般的になったようだ。
このページ$${^{*8}}$$では「$${e}$$」はオイラーの「$${E}$$」が由来であると断言している。
このページ$${^{*9}}$$では、オイラーは「$${e}$$」をexponetialの意味として使用していたのではないかとしている。
これらを考え合わせると自然対数の底を「$${e}$$」としたのはオイラーのような気がしてくる。いつからこの記号を使い出したかというとこのページ$${^{*10}}$$では1731年であり、このページ$${^{*11}}$$では1727年、そしてこのページ$${^{*12}}$$では1713年になっている。オイラーが生まれたのは1707年だから1713年というのはちょっと早すぎるような気がする。もしかしたら1713年は1731年の間違いかも知れない。
結局「$${e}$$」の由来はよく分からない。オイラー自身が自分の名前の頭文字ということで使い出したのかも知れないし、たまたまオイラーは「$${e}$$」を持ち出しただけで、後生の人々がオイラーの業績を称えて由来をEulerの「$${e}$$」と言うようになったかも知れない。ただし、別の数値でオイラー定数$${^{*13}}$$というのがある。
*1 20010717 プランク定数
*2 Leonhard Euler (1707 - 1783)
*3 Cotes
*4 Newton
*5 Leonhard Euler (1707 - 1783)
*6 Jones
*7 Pi history
*8 ■e(自然対数)
*9 The Number e
*10 Leonhard Euler (1707 - 1783)
*11 Euler
*12 数学者クイズ
*13 Euler-Mascheroni Constant
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