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20020915 レターボックスとビスタサイズ

 DVDには収録画像サイズがいろいろあって紛らわしい。別段、箱で画像サイズを確かめもせずに再生をすると、どうも登場人物の顔が縦長のような気がしたり、少し横長のような気がする。まぁ、気のせいと思いながら見続ける。すると円であるはずの時計や自動車のタイヤなどが楕円になっているのに気付いて、映し出されている画像サイズが間違っていることが判る。

 DVDの箱の裏には「4:3」「16:9 LB」「LB」「WIDE SCREEN」とか書いてある。「4:3」と「スタンダードサイズ」とが併記されている場合もある。「16:9 LB」には「シネスコサイズ」「シネマスコープサイズ」または「ビスタサイズ」、「LB」には「ビスタサイズ」、「WIDE SCREEN」には「ワイドスクリーン」「シネマスコープサイズ」「ビスタ&シネマスコープサイズ」と書いてある。

 これら画像サイズの関係がよく把握出来ていない。「4:3」は判る。普通のテレビのサイズそのままだからである。「16:9」も判る。横長だからワイドサイズのテレビジョン画面一杯のサイズなのだろう。「16:9」の横の「LB」がよく判らない。「LB」とのみ表示されている場合は「ビスタサイズ」と書いてある。これは一体どんなサイズなのか。そして「ワイドスクリーン」と「16:9」との関係はどうなっているのか。

 LBとは「レターボックスletter box$${^{*1}}$$」の略らしい。横長の画像を「4:3」の普通のテレビジョンサイズに収めるために上下に黒い帯を画像に挿入した状態を「LB」と言うらしい。なぜそれを郵便受けというのか皆目見当が付かなかったが、この記事を書いている内に解ってきた。

 郵便ポストの中に入って外の景色を眺めると投函口は横長なので景色の上下が遮られてしまう。テレビジョンの画面の上下にわざわざ映らない部分を作って横長の画像を見るので、如何にも郵便受けから外を窺うような感じである。従って「LB」は画像のサイズではなく表示方法を示している。ワイドサイズのテレビジョンならば上下の黒い部分を消して画面一杯に表示する$${^{*2}}$$ことが可能である。

 ワイドサイズのテレビジョンのサイズは「16:9」になっている。このサイズは「ビスタサイズ$${^{*3}}$$」と呼ばれる。更に横長の「8:3(16:6)」が「シネマスコープサイズ(シネスコサイズ)」と呼ばれる。これらの収録画像サイズとテレビジョンの画像サイズとの関係はこのページを見ると一発で解る$${^{*4}}$$。

 ビスタサイズのビスタとは一体何のことだろう。ビスタ$${^{*5}}$$とは、パラマウント社が開発した高解像度撮影方法のビスタビジョン$${^{*6}}$$の「ビスタ」である。その画像サイズは「1.85:1(16:8.6)$${^{*7}}$$」で、ビスタビジョンそのものは技術革新によって使われなくなったが、この比率は残った。ビスタビジョンのサイズはほぼ「16:9」の比率になっている。「4:3」の自乗「16:9(4*4:3*3)」としたのは何か意味があったのだろうか。

*1 ASCII24 - アスキー デジタル用語辞典 - レターボックス
*2 レターボックスとパンスキャン
*3 アスペクト比
*4 What's DVD - MOVIEs.ne.jp
*5 10000系 ビスタカー1世
*6 Widescreen Museum - The VistaVision Wing
*7 HERALD ONLINE

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