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20030616 昼間点灯

 最近は昼間でも自動車の前照灯を点灯したまま走行$${^{*1}}$$しているのをよく見かける。営業用の車両や輸送用の車両が殆どである。前照灯を昼間に点けることにより自車を目立たせ、自らの存在を早めに知らせることにより交通事故の発生を防ぐのである。

 昼間に前照灯を点ける習慣はたしか北欧で始まったと思う。緯度が高い国々では太陽の高度が低いので一日のうち薄暗い時間が長い。こういった事情から出来上がった習慣を緯度の比較的低い日本で広めて効果があるのだろうか。

 ここで話題として取り上げるぐらいだから、目立つことは間違いない。しかしもともと見えているものが更によく見えることによって事故防止につながるのだろうか。10mまで近づいてこないと見えてこなかった自動車が前照灯を点けることによって100m先から見えるのであれば、効果は絶大である。100m先から見えだしているところへ前照灯を点けることにより190m先から見えるようにすることに意味があるのだろうか。日本で昼間点灯すると言うことはこういう事なのである。

 10mまでしか見えない天候か100m先まで見える天候かといった判断をいちいちするのは大変だから、一律に昼間点灯を義務づけた方がいいという考え方もあるが、そんなことも判断できない人に自動車の運転を許可すること自体が間違っている。

 昼間も前照灯を点灯すると言うことはそれだけエネルギーを余分に使うことになるので、余分に使うエネルギーに見合った交通事故防止の効果がないとエネルギーの浪費となり、環境破壊の主役である自動車はますます環境破壊に荷担していることになる。これを少しでも軽減するために昼間に点灯する前照灯を消費電力が非常に小さい発光ダイオードにする$${^{*2}}$$という方法も考えられているが、真っ昼間から前照灯を点灯するのが本当にいいのか判らない状態では意味のある方法とは言えない。

 そういった風潮がある一方、一般の乗用車は夕方や雨の日など薄暗い状態でも前照灯を点けないのが圧倒的に多い。都市部はそうでもないが、田舎に行けばいくほど前照灯をなかなか点けない。燃費も大切だがこれでは歩行者や自転車など路上の弱者にとって危なっかし過ぎる。

 「自動車を運転すると言うことは危険業務に従事している」という認識が薄すぎる。

*1 安全運転のポイント
*2 昼間点灯、デイライトに。データイムランニングランプ:二葉計器

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