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20020828 高橋泥舟

 日本の名書家、書道の達人に「三筆(さんぴつ)」「三蹟」と呼ばれる人々がいる。

 「三筆」とは嵯峨(さが)天皇$${^{*1}}$$、空海(くうかい)$${^{*2}}$$、橘逸勢(たちばなのはやなり)$${^{*3}}$$のことである。この平安時代初期の三筆に倣って本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)$${^{*4}}$$、近衛信尹(このえのぶただ)$${^{*5}}$$、松花堂昭乗(しょうかどうしょうじょう)$${^{*6}}$$の「寛永の三筆」、隠元$${^{*7}}$$(いんげん) 木庵(もくあん)、即非(そくひ)の「黄檗(おうばく)の三筆$${^{*8}}$$」、巻菱湖$${^{*9}}$$(まきりょうこ)$${^{*10}}$$、貫名菘翁(ぬきなすうおう)$${^{*11}}$$、市河米庵(いちかわべいあん)$${^{*12}}$$の「幕末の三筆」と呼ばれる人達もいる。

 「三蹟」とは小野道風(おののとうふう)$${^{*13}}$$、藤原佐理(ふじわらのすけまさ)$${^{*14}}$$、藤原行成(ひじわらのゆきなり)$${^{*15}}$$の三人である。

 これら三人衆とは全然分野は違うが、「幕末の三舟(さんしゅう)」と呼ばれる三人がいる。勝海舟$${^{*16}}$$、山岡鐵舟$${^{*17}}$$、高橋泥舟$${^{*18}}$$である。彼らは江戸城の無血開城での活躍で知られるだけではなく能書家としても知られている。

 この三舟の内、私の実家には高橋泥舟が書いたと言われている掛け軸がある。何と書いてあるのか誰も読めたことがないくらいの達筆である。落款には「泥舟」とあるので恐らく本物であろう。勝海舟$${^{*19}}$$や山岡鐵舟$${^{*20}}$$ではなく、高橋泥舟$${^{*21}}$$というところが本物と思わせる。

*1 嵯峨天皇像
*2 国宝 弘法大師空海展 国宝弘法大師空海展から 祈りの美
*3 橘逸勢(たちばなのはやなり)と伊都内親王願文(いとないしんのうがんもん)
*4 光悦筆扁額
*5 伊勢物語 近衛信尹 詳しい解説
*6 あいおい損保 椿絵ギャラリー
*7 豆知識
*8 黄檗山萬福寺
*9 江戸の儒学者 その二
*10 書体への誘い2~菱湖
*11 http://www.city.tokushima.tokushima.jp/johaku/meihin/img/10.jpg
*12 Kyoto National Museum
*13 小野道風
*14 藤原佐理(ふじわらのすけまさ)と離洛帖(りらくじょう)
*15 伝藤原行成「伊予切」
*16 ちくま小史
*17 木村屋總本店のホームページにようこそ
*18 高橋泥舟
*19 勝海舟 五言古詩 日本漢文の世界 kambun.jp
*20 書「四時行楽我輩亦 風月主人」 山岡鉄舟筆
*21 高橋泥舟

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