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#43 可哀想な人

鎮痛剤を何度飲んでも収まらない強烈な痛みを毎月抱えている。今日は職場で半泣きになりながら耐えていた。大人はそうやって我慢できる事を増やしていくのだと思う。
1日3回までと制限の決められた鎮痛剤だけど、用法容量なんて守っていると痛みで気絶してしまう。
女性はとんでもない爆弾を飼い慣らすから強い人が多いんだと思うよ。

職場に入ってみてそろそろ2週間(通勤開始から)。殆どの人が私に優しいが、1人明らかに当たりの強い人がいる。そしてそのほか優しい人全員が口を揃えて「あの人には気をつけて」と言う。
「可哀想な人」なんだそうだ。

私はスルースキルがまだあまり身についておらず、言われるだけ純粋に傷ついてしまう。
その人にも今のところ一つずつ傷付いている。
だから少し落ちたりして、同期に相談していたら、その子はこう言った。
「そういう人って行動理由がわからないよね。結局皆に腫物みたいにされて、働きにくいし好かれにくいし、なんの意味もないよね。権力ない限り」
確かにその人は管理職でもなんでもないので、ただ孤立していってるだけのように見えた。
可哀想な人か...

私は暫くまだ傷付くだろう。
たいした事ない注意で人を不快にさせる言い方をするので、すぐに傷付いてしまう。
私はこういう自分の純なところをいつまでも抱きしめたいから、それは仕方がないのだ。
目の輝きを失うなら、一つずつ心に傷を付けられる方がいい...気がする。

人はどこまでも子供のままなのに、大人の皮をかぶればかぶるほど、目の輝きを失っていく。
私は失いたくない。

みんなの言う可哀想な人、も目が全く輝いてない。何が今まであったのか私は知るよしもないんだけど、きっとそれを取り戻せば可哀想な人なんてレッテルは貼られないよと思う。
人の痛みが分かる人だから、輝くんだよ。

愛しかった君をなんで愛しかったか思い出せない。君の目を覗き込んでもいつまでも輝かなかった。
私の痛みを君は分かってくれなかったし、分かろうというそぶりもなかった。
君は消費するように私を傷つけ続ける事を選んでいたから、私は逃げ出した。
なんで好きだったんだろう。魔法が解けると一気に分からない。
そのうちにいろんな記憶も思い出も、はっきりと消えていっている。
本当に終わるんだなと思う。

新しい恋がしたい。

駆け出しですが、働きながら書き手を目指しています。コンテンツを気に入って頂けたら、是非サポートお願いします。創作の糧にさせて頂きます!