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【新型コロナ】予約不要でトラブル少ない「相馬モデル」のワクチン集団接種3つの特徴

全国で新型コロナウイルスのワクチン接種が本格化し、医療従事者や高齢者を対象にした接種が進められています。ワクチン接種をめぐっては、集団接種、個別接種ともにさまざまなトラブルや混乱が発生し、連日メディアでも報道されています。

そんな中、すでに高齢者への2回目の集団接種と基礎疾患がある方へのワクチン接種がはじまり、7月末には若者を含む全市民へのワクチン接種が完了する予定の自治体があることをご存じでしょうか?

それは、福島県相馬市です。

河野太郎ワクチン担当大臣も、ワクチン接種が進む相馬市の取り組みを自身のTwitterで取り上げています。

相馬市のワクチン接種の取り組み「相馬モデル」では、

・市が地区ごとに接種日時を指定、予約不要で受けられる

・1カ所の会場にまとめての集団接種(現在は2カ所に増設)

・接種担当の医師のサポートは同じ病院のスタッフで固める

ことによって、市民へのワクチン接種をスムーズに進めています。大きなトラブルが少ないだけでなく、1日当たりの接種人数を開始当初の300名から550名へ増やすなど、集団接種の効率的な運営を進化させています。

もちろん、全国の自治体にさまざまな条件や制約があり、一概に参考になるものではないことはわからないながらに理解しています。

ただ、この「相馬モデル」をもっと知ってほしい、ワクチン接種に限らず何かの参考になればと思い、noteにまとめました。3分ほどで読めますので、ご一読いただければ幸いです。


「相馬モデル」3つの特徴

冒頭でも触れた3つの特徴についてもう少し詳しく解説します。

1.予約不要、地区ごとに決められた順で接種する

相馬市では、あらかじめ地区の行政区長がくじ引きを行って接種順を決め、意向調査はがきで接種を希望した方に市から順次案内通知を送付しました。案内通知に書かれた日時に会場にいけば接種を受けられるようにすることで、デジタルが苦手な高齢者が予約する負担を減らすことができました。

また、地区ごとにまとまって接種を受けるため、無料送迎バスもスムーズに運営できるとともに、高齢者の移動への負担も軽減しました。


2.市内1カ所の会場にまとめての集団接種(現在は2カ所に増設)

相馬市では、原則集団接種のみで個別接種は行っていません。テレビユー福島の報道ではそのメリットを下記のように述べています。

集団接種で一か所に市民を多く集めて接種するほうが効率的なので一度に短い期間で大量に市民に接種できる方法

繊細な管理が必要なワクチンを1カ所にまとめることで、管理によるトラブル低減、ワクチン廃棄減少にもつながっているようです。なお現在は、第1会場の隣にある大型施設に第2会場を設置して集団接種を行っています。


3.接種担当の医師のサポートは同じ病院のスタッフで固める

ニュースサイトしらべぇによると、接種担当の医師のサポートは同病院に勤める看護師が同行して行っています。

集団接種会場では医師会から2名、公立病院から1名、民間病院から1名の計4名体制で実施。(中略)その際に医師は自身の病院に勤務する看護師を同行させ、自分のレーンを気心の知れたスタッフで固める。

普段から一緒に働くスタッフが連携することで、スムーズに接種を進められていると考えられます。民間病院の医師は、自分の病院を月に数日間休みにして、市民へのワクチン接種に臨んでいるそうです。


相馬モデルでのワクチン接種フロー

会場内でのワクチン接種フローの詳細が、ニュースサイトしらべぇの記事にわかりやすくまとまっていたのでリンクを共有します。


なぜ、相馬モデルが実現できたのか?

福島テレビの報道によると、相馬市では、来るべきワクチン接種に向けて、昨年末から何度も研修訓練を行っていたようです。

相馬市の立谷秀清市長は現役の医師でもあり、市長の理解とリーダーシップのもと、官民一体となって事前に準備を進めていたことが、相馬モデル実現に寄与したのではないかと考えます。


さらに、直近のNHKの報道によると、「相馬モデル」の効果を検証しより良い方法を探ろうと、公衆衛生学の専門家や医師らによる検討組織が立ち上げられたそうです。検証結果が全国に広まる動きが始まると聞いて、うれしく思いました。


さいごに

福島県相馬市は、私の生まれ故郷です。相馬市には、日本百景にも選ばれ小松島とも例えられる「松川浦」の絶景や、甲冑に身をかため腰に太刀をつけた騎馬武者が野原を疾走する、時代絵巻のような「相馬野馬追」など、見て食べて楽しめる観光スポットがいろいろあるいい街です。

コロナが落ち着いた折には、ぜひ相馬さ遊びに来でくんちぇ!


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