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クリスマスの都・ストラスブール

冬のヨーロッパ観光における一つの目玉がクリスマスマーケットである。
大都市から小さな町まで、それぞれに趣向を凝らしたクリスマスマーケットが行われている。
特にドイツなどのイメージが強いかもしれないが、フランス・アルザス地方に「クリスマスの首都」と銘打つクリスマスマーケットの街がある。
今回は、そんなクリスマスマーケットに沸くストラスブールを取り上げたい。

ストラスブールはこんな街

ストラスブールはフランス東部・アルザス地方、ドイツ国境近くに位置する人口約28万人の街である。
ストラスブールは、アルザス語で「街道の街」を意味し、その名の通り交通の要所として古くより栄えた。また歴史上しばしばドイツとフランスの間で領有権が争われ、幾度となくドイツ領とフランス領を行き来していた歴史を持つ。
その中心地は「ストラスブールのグラン・ディル」として、ユネスコの世界遺産にも認定されている。

ストラスブールへのアクセス

首都パリからは電車で約2時間程度の道のりなので、日帰りでの訪問も不可能ではない。
またストラスブールは、ドイツとの国境に位置する街であるため、ドイツからのアクセスも容易だ。フランクフルトから電車で約2時間、シュトゥットガルトからでは約1時間半で到着できる。
また空港もあるため、さほど便は多くないようだが、他のヨーロッパ各地からもアクセスが可能だ。

ストラスブールの玄関口

イギリス駐在中のある冬の週末、クリスマスマーケット巡りを敢行していた私は、基本的にはドイツを中心に回る予定であったが、アクセスの容易さからストラスブールも目的地に加えることとして、前日宿泊したシュトゥットガルトから、電車にてストラスブールへ向かった。
(余談にはなるが、シュトゥットガルトのクリスマスマーケットも見事だったので、ストラスブールへ行く際は併せて訪問を検討しても良いかも知れない。)
シュトゥットガルト中央駅からパリ東駅行きの電車に乗り込んで約1時間半の道のりだ。

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電車はストラスブール中央駅に滑り込む。

まず駅舎に驚かされる。建物としてはよくあるような建築様式であるが、

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駅舎全体がガラスのドームに覆われているのだ。

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1883年に建てられた駅舎を残しつつ、2007年の改修工事にてこのような形になったそうだ。まるで駅舎自体を芸術品として保護するかのようなドームである。

旧市街へ

出だしから圧倒されながら、観光の目玉スポットである旧市街へ向かう。
トラムも走っているが、徒歩でも十分にアクセス可能だ。

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なぜ目玉が飛び出ているのかは置いておいて、クリスマスムードが高まってくる。

プティット・フランス

まずは、最もストラスブールらしいエリアとも言える、イル川がいくつかに分岐した中洲のプティット・フランスに行く。

川沿いに、ドイツを思わせる木組みの家が並ぶ。

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川沿いのどこを見ても絵になる風景だ。
遊覧船もあるそうで、川から眺めるのも良いかも知れない。
そして、やはりクリスマスを思わせる飾り付けが期待を膨らませてくれる、

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ストラスブール大聖堂

さらに、街の中心地へ。ランドマークともいえるストラスブール大聖堂(ノートルダム大聖堂)を目印に進む。

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1015年から建設が開始されたという1000年の歴史を数える建造物だ。
お目当てのクリスマスマーケットも開催されているが、まず大きさに圧倒される。

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赤色砂岩という岩で作られているらしい。日光を浴びてピンク色に光る姿が美しい。

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内部もまた荘厳だ。
13-14世紀のものと言われるステンドグラスも見事だし、

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そういえば、クリスマスってキリストの誕生日だったな、と改めて思い出させるような飾り付けも楽しい。

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なにより、目を引くのは天文時計と言われる大きな時計だ。

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時間によってはからくり人形の動く姿も見れるらしいのだが、残念ながら私が行った時間では見ることが出来なかった。

大聖堂を出て、中心地を歩き回る。
クリスマスマーケットの店店ももちろん楽しいのだが、
建物の飾り付けの本気度が、「ここはクリスマスの首都だ」という誇りを感じさせてくれる。

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一旦ホテルに戻り、夜を待つことにする。
小腹がすいたので、偶然見かけた店でテイクアウトすることにした。

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オニギリシルブプレーと言いたくなる、おにぎり屋だ。
(残念ながら現在は閉業してしまったようだ。)

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比較的無難なところをチョイス。味は正直さほど印象に残っていないが、そもそも期待をしていないのでショックもなかったのだろう。
ホテルでのんびり夜を待つ。

夜のクリスマスマーケット

やはりクリスマスマーケットは夜のライトアップされた姿を見て回るのが醍醐味だ。
そしてある程度の規模の都市になると、複数の会場で開催されている。
まずは、プティット・フランスに向かう。

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他の会場ほど、大規模ではなくどこかこじんまりとしているが、町並みと相まってメルヘンな雰囲気を楽しめる。

続いて、クレベール広場の方に向かう。

この広場のマーケットが最も広々としていて、ゆったり見ることが出来た。

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今見ると、めちゃめちゃ美味しそうだ。どうして写真だけ撮って食べなかったのか、悔やまれる。
そして、クリスマスマーケットといえばやはりヴァン・ショー(ホットワイン)だろう。冷えた体をワインが優しく温めてくれる。

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ここクレベール広場最大の見どころはなんと言っても大きなクリスマスツリーだろう。

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時間によって色を変える姿がまた幻想的だ。

そしてやはり大聖堂の広場のマーケットに否応なしに期待が高まる。

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ライトアップされて、その荘厳さに磨きのかかる大聖堂と、その下で色とりどりに輝くマーケット。これぞクリスマスマーケットだ。と思わせてくれる。

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私がこれまで訪れた教会の中で独断と偏見で選ぶ世界3大教会に、ケルン大聖堂(ドイツ・ケルン)、カイザーヴィルヘルム教会(ドイツ・ベルリン)とともに、ストラスブール大聖堂がノミネートされた瞬間であった。
なかなかその全景を撮影するのが難しい。
どうにかローアングルで撮ってみる。そんなにジロジロ見ないでくれ。

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自分の写真の腕が大してないためその魅力が十分伝わらないことが悔やまれるが、そんなことは構わず取り憑かれたかのように歩き回っては写真を撮り続けていたのであった。

ストラスブールのマグネット

ストラスブールのマグネットがこちら。

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イル川沿いの木組みの美しい家々に大聖堂、そしてストラスブールの街の鳥であり幸運のシンボルであるコウノトリと、バランスがよく名物が収まっているのがポイントが高い。

終わりに

クリスマスマーケットといえばどうしてもドイツのイメージが強いかも知れない。もちろんドイツのクリスマスマーケットも素晴らしい。
が、もしドイツ西部のクリスマスマーケットに行くのであれば、そこからもう一足伸ばしてストラスブールに行くことも検討してみてほしい。
そこにはクリスマスの都と言われるだけの景色があなたを待っているだろう。

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最後までお付き合いいただきありがとうございました。
次回はイングランドの端っこを取り上げてみたいと思います。

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