経営者や管理職に期待しない

経営者や管理職向けのメソッドに「社員に期待しない」「部下に期待しない」というものがありますが、同様に、社員も経営者や管理職に期待しないことが重要だと思います。

そもそも、社長や取締役というのは必ずしも経営のプロではありません。親族から経営を引き継いだり、起業したり、起業当時から参画していたから経営を担っているだけであり、経営者として働くのはその会社が初めてというパターンが多いはずです（シリアルアントレプレナーなどは別）。よく実務経験が少ないエンジニアを「駆け出しエンジニア」と呼びますが、それと同じで駆け出し経営者なわけですね。そういう人に「経営者としてのリーダーシップ」とか「ビジョナリーさ」を求めるのは無理があります。

管理職も同様です。最初から管理職前提で採用された中途社員は別ですが、現場でプレイヤーとして働いていた社員を功績に応じて管理職に登用することが多いでしょう。駆け出し管理職なので、マネジメント能力が高いわけがないのです。

これらを踏まえると、自分の会社やクライアントに対して「経営者のリーダーシップが足りない」とか「管理職がマネジメントできていない」と思うのは自由ですが、彼らに経営能力やマネジメント能力の向上を求めても不毛だと思います。リーダーシップが無い会社の中でがんばるか、そんな会社に見切りをつけて転職or契約終了するか、いずれにせよ経営者や管理職に期待しないことが大事です。