BtoBマーケティングに必要な「想像力」
マーケティングにおいては顧客理解が重要ですが、我々はターゲットを設定することはできても、それと同じ立場になることはできません。そのため、顧客の解像度を上げるにも限界があります。
例えば、私は過去に10-20代の女性向けのコスメのマーケティングの仕事を受けたことがあります。知人女性にコスメの使い方や切り替えるきっかけなどをヒアリングし、知識を蓄えることはできましたが、「コスメを使う女性」の立場になったわけではありません。
BtoB製品ではこの傾向はより顕著です。例えば「医療機関向けの電子カルテシステム」のマーケティングを担当するとして、「電子カルテを使う医師」の立場を経験するのはほぼ不可能でしょう。BtoC製品であれば、実際に商品を買ったり使うことで擬似体験もできますが、BtoB製品は擬似体験すらできないのです。
顧客を理解しなくてはならないが、顧客と同じ立場にはなれない。BtoBマーケティングにおけるこのハードルを超えるためには、「想像力」が必要です。
このユーザーはどんな課題を抱えているのか?
どんな情報を求めているのか?
どんなタイミングで製品を検討するのか?
の仮説を立てなくてはなりません。ただし、「想像」というのは現実と乖離した妄想になる恐れもあるので、「想像」を裏付けるためにユーザーインタビューやヒアリングをする必要があります。
または、ユーザーインタビューやヒアリングを元に、真の課題や悩みを「想像」することも大事です。有名なサラダマックの失敗事例からも分かるように、顧客は本音を喋らないこともあるからです。
「想像力」を養うためには、ビジネス書よりも創作物のほうが良いでしょう。例えば、高校の国語の授業で『こゝろ』で読んだ人は、「Kが自殺した理由」「先生が自殺した理由」について考えたことがあると思いますが、文学や映画やアニメなどの優れた作品は、キャラクターの行動や心理描写も緻密であるため、「なぜこのキャラクターはこう考え、こう行動したのか?」と読者に考えるきっかけを与えてくれるからです。
私のBtoBマーケティングの仕事については下記の記事をご覧ください。
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