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BtoBマーケティングにおける「顧客情報の閲覧」について


なぜ顧客情報を閲覧する必要があるのか

BtoBマーケティングを業務委託で支援する上で地味に大きな問題が、顧客情報の閲覧権限を付与してもらえるかどうかです。

例えばインサイドセールスとして架電する案件の場合、リードの姓名が分からないと「○○さんはいらっしゃいますか?」と呼び出すことができませんし、役職や企業名、業界情報、流入経路などが分からないと、何の仮説も立てずに闇雲にテレアポし続けることになります。

Web広告やSEOの案件であっても、顧客情報の確認は重要です。広告やGAの画面上ではコンバージョン数が好調だが、実は顧客になりえないリード(競合他社や個人など)ばかりといったリスクがあるため、適切なリードを獲得できているかを確認する必要があります。

顧客情報の閲覧NGの場合

一方、クライアントの情報セキュリティポリシーなどの理由で、顧客情報の閲覧がNGとなることがあります(特に大企業に多い)。この場合、以下のような問題が発生します。

  • MA/SFA/CRMのアカウントは貰えるが、リードや商談の閲覧権限が無いため、画面上ではリードや商談が0件と表示される

  • レポートやダッシュボードを作っても0件となり、表やグラフが正しく表示されるか確認できない

  • メルマガの配信リストが0件となり、リードが正しく抽出されているか確認できない

  • メルマガを配信しても開封率やクリック率が0%となり、効果を分析できない

  • 商談の進捗を確認できない

  • Web広告からどのようなリードが流入しているか確認できない

こう見ると、顧客情報の閲覧がNGとなるだけで、BtoBマーケティングをまともに支援できないことがお分かりでしょう。支援できる範囲といえば、個人情報に影響が無い制作業務(LPやメール制作)ぐらいです。

私の会社員時代の話ですが、顧客情報の閲覧がNGであり、「閲覧する場合はオフィス内でのみ」というセキュリティポリシーを持つ大手クライアントがいました。

  • レポートやダッシュボードを作成した後、正しく表示されているかクライアントに確認してもらう

  • メルマガの配信リストを作成した後、正しく抽出されているかクライアントに確認してもらう

  • メルマガの開封率やクリック率などをメールで共有してもらう

  • 個人情報を閲覧しないといけない業務の場合、オフィスに往訪し、閲覧権限を付与してもらって作業する(オフィスから退出する際に権限を外す)

という業務フローでしたが、今思えば実に非効率的です(実際、業務負荷が大きすぎたため、この案件は途中で契約終了になりました)。

過剰なセキュリティはNG

顧客情報閲覧がNGとなると、業務委託や支援会社の力を借りることが難しいため、社内でBtoBマーケティングを回すしかなくなります(実質的なインハウス)。が、そもそも、企業が社外にBtoBマーケティングの支援を要請するのは社内のノウハウが乏しいときが多いのですから、「ノウハウが欲しいから社外に支援してほしい」「しかしセキュリティが理由で社外から支援でききない」というジレンマに陥ります。その結果、社内で遅々としてBtoBマーケティングを進めるしかなくなります。

情報セキュリティは重要ですが、過剰なセキュリティの結果、BtoBマーケティングの推進に支障を来たし、事業の成長が遅れるのは問題です。上手く協力しあいたいものですね。

※顧客情報閲覧NGの案件は、私はお受けしていません。

※「貸与したノートPCであれば顧客情報の閲覧OK」という案件もあるのですが、ノートPC貸与の案件はお受けしていません。


私のBtoBマーケティングの仕事については下記の記事をご覧ください。

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