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エンタープライズSaaSに必要なマーケティングの後方支援

エンタープライズSaaSといえば決裁者へのアポ取り、ステークホルダーの把握などセールスの業務が注目されがちです。実際、SMB向けSaaSに比べればセールスの比重が大きいことは間違いありませんが、セールス活動だけで案件を受注できるわけではありません。セールスを後方支援するマーケティング活動も重要です。

例えば、文面や便箋など工夫して決裁者への手紙(いわゆるCxOレター)がを送ったのに、全然返信が来なかったという方は多いと思います。実は、CxOレターが返信を貰えるかどうかは、文面や便箋以上に、「相手(決裁者)がこちらの企業名を認知しているかどうか」が大きく影響します。大手企業の決裁者は同じような手紙を山ほど貰っているので、知らない企業からの手紙であればスルーすることも多いからです。言い換えれば、決裁者に自社名を認知させる活動があって、初めてCxOレターが有効に働くのですね。

よくセールスはサッカーのフォワードに喩えられますが、エンタープライズセールスでは

  • フォワードに球が回る(アポ取り)

  • ゴールキーパーを突破する(提案)

  • ゴールを決める(受注)

の過程が注目されがちです。しかし、そもそもフォワードに球が回ってこない(CxOレターの未読スルー、アポ打診無視)とか、敵に球を奪われる(競合他社が先に提案して負けた)こともあります。それを防ぐためには、ディフェンス(マーケティング)が球をキープし、フォワードに渡す後方支援が必要です。具体的には、

  • セミナー、導入事例、ホワイトペーパーなどを発信して社名の接触機会を増やすことで、「○○といえば××(社名)」という純粋想起を形成する。

    • ○○に興味がある企業は××を認知しているため、アポ取りや提案がしやすくなる。

  • 調査レポート、機能比較表、カオスマップなどを作成し、「××(社名)は○○の会社」という助成想起を形成する。

    • ××が何の会社なのかを認知しているため、怪しまれずにアポ取りできる。

などです。後方支援が潤沢だとセールスはとても営業しやすくなるので、エンタープライズSaaSではセールスだけではなくマーケティングもがんばりましょう。


私のBtoBマーケティングの仕事については下記の記事をご覧ください。

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