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制作進行はコンテンツマーケティングの基礎体力

コンテンツマーケティングという言葉が浸透して久しく、今では多くの企業が様々なコンテンツを発信しています(動画、ラジオ、ブログ、ホワイトペーパー、セミナーetc.)。コンテンツマーケティングを行う上で、顧客理解や企画力が重要なのは当然ですが、もう一つ重要な要素として制作進行があります。

以前の記事で、こんなことを書きました。

CRMの事業・支援会社に在籍していた頃、「企画はできても進行管理ができない」という課題に何度かぶつかりました。

例えば、「リード獲得のためオウンドメディアを作る」という企画を立てたことがあります。ペルソナや対策キーワードの設定などはできたのですが、Web制作やディレクションの知識が無いため、「CMSは何が最適なのか」「実装工数をどのように見積もれば良いのか」「スケジュールをどう引けば良いのか」などが分かりませんでした。そのあたりが曖昧だとエンジニアに対する指示も上手くできないので、結局オウンドメディアが立ち上げに至りませんでした。

実現できない企画は絵に描いた餅なので、企画だけできても意味がありません。
(略)
BtoBマーケティングにおいて、LPやサイトやメルマガなどコンテンツ制作は避けて通れませんし、コンテンツ制作をやるからには制作進行が必須になるからです。

CRM事業・支援会社からWeb制作会社に転職した話

私の経験則ですが、大手企業やスタートアップなど会社規模を問わず、多くの企業のマーケティング担当者は企画や戦略設計などの上流工程は十分に勉強しておりノウハウもあるのですが、制作進行の経験は不足しています(私がまさにそうでした)。具体的には、以下のような人が多いでしょう。

  • タスク管理が苦手。タスクをBacklogやNotionに追加するものの、更新せずに放置している。

  • デザインディレクションが苦手。トンマナやコンセプトを提示せずに「デザイナーのよしなに」で制作依頼するので、制作物の品質がブレる。

  • スケジュール管理が苦手。「いつまでに作ってほしい」と明確な期日をデザイナーやエンジニアに提示しないので、スケジュールがずるずると後ろに倒れる。

  • ワイヤーフレーム作成が苦手。「こういう意図でこの要素を訴求してほしい」がデザイナーやライターに伝わらないので、意図と乖離した制作物が出来上がる。

  • etc.

これらのスキルは制作進行の基本であり、Web制作会社でディレクター経験のある人であれば十分こなせるでしょう。ところが、ディレクター経験を持った人が社内にいない状態でコンテンツマーケティングを進めると、制作段階で上記の問題が頻発し、企画したコンテンツがいつまでも完成しなくなります。まさに「絵に描いた餅」ですね。

スポーツに喩えるなら、制作進行とはコンテンツマーケティングの基礎体力であり、企画や戦略設計とは試合に勝つためのトレーニングだと思います。基礎体力だけを付けてもトレーニングの仕方が的外れであれば試合に勝てませんが、基礎体力が無いとすぐにバテてしまい、まともにトレーニングをできません。noteやSNSだと「オウンドメディアの戦略設計」などトレーニング方法ばかり注目されますが、基礎体力を付けることも意識したいですね。


私のBtoBマーケティングの仕事については下記の記事をご覧ください。

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