マガジンのカバー画像

マーケティング

69
マーケティングについて書いた記事です。
運営しているクリエイター

2023年8月の記事一覧

自社マーケティングは支援会社の真の実力が試される

私は広告代理店・Web制作会社・BtoBマーケティング支援会社など、様々な支援会社で働いた経験がありますが、支援会社ではクライアントワークはできているのに自社マーケティングはできていないという現象がよくあります。「医者の不養生」ともいうべき現象です。 Web制作会社なのに自社のコーポレートサイトのクオリティが低い CRM支援会社なのに顧客管理がきちんとできていない SEOコンサル会社なのに自社サイトでキーワード上位を取れていない etc. 私自身、数年前にCRM支援

バーティカルSaaSに必要なのはマーケティング経験者よりもセールス経験者

バーティカルSaaSはレガシーな業界をITで変革するというコンセプトであるため、ターゲット企業もレガシー業界になりがちです。中にはWebをほとんど使わないようなITリテラシー低めの業界もありますが、その場合はWeb広告・SNSなどが刺さりづらく、テレアポ・リファラル・展示会・紙DMなど、アナログやオフライン施策のほうが効果を発揮しやすいといえます。 これらの施策を設計・実行する上では、Webマーケティング経験が豊富な人よりも、セールス経験が豊富な人のほうが重宝されます。もち

メールマーケティングの「シナリオ」の定義

BtoBマーケティングにおいて、メールマーケティングは未だに有効な施策です。メールマーケティングでは最初にシナリオ設計を行いますが、この「シナリオ」の定義が人によってかなり違うように思われます。 私の経験則でいうと、「シナリオ」には3つの意味があります。順番に説明します。 「シナリオ」の定義(1)顧客の検討プロセスに紐付くコンテンツの設計 「リード」「MQL」「SQL」や「情報収集層」「比較検討層」など、各検討プロセスの顧客が興味を持つコンテンツを設計します。ここでいう

マーケティングの課題を「顧客視点」で捉える

マーケティングに取り組む上で重要なのが現状の課題整理ですが、この「課題」を捉えるのが意外と困難です。多くの企業では、「課題」を企業視点だけで整理してしまっているからです。 例えば、Web広告を運用しており、以下のような状況があるとしましょう。 今はCPA改善にフォーカスしているが、CVRが低いという課題がある ヒートマップを見るとメインビジュアルでの直帰がほとんどなので、「メインビジュアルの訴求が弱い」という仮説を立てた メインビジュアルのA/Bテストを実施した こ

BtoBのコンテンツ制作を外注する際の「業界理解」の課題

※「外注」という言葉は「社外に発注する」の意味のみで用いており、発注先や協力会社軽視などの意図はありません。 以前BtoBマーケティングも業界特化する時代が来ると書きましたが、これは中長期的な展望であり、現状ではまだまだ業界特化が進んでいません。以前よりもBtoBマーケティングの専門家は増えましたが、「物流業界に強いフリーランス」「製造業専門の広告代理店」などはほとんど存在しません。 このBtoBにおける課題が、コンテンツ制作の外注です。BtoBマーケティングでは色々なコ

数学もBtoBマーケティングも「積み重ね」が大事

数学は「積み重ねの教科」といわれることがあります。 足し算を理解しないと、掛け算が理解できない 引き算を理解しないと、割り算が理解できない 正負の数を理解しないと、文字式が理解できない のように、ある単元を理解しないと、その次の単元も理解できないという依存関係になっているためです。なので、足し算も理解していない人がいきなり掛け算をやるのは無理です。 ここで話を変えますが、実はBtoBマーケティングも数学と同じく「積み重ね 」型の施策です。ある施策を実施していないと、

BtoBマーケティングにおける「顧客情報の閲覧」について

なぜ顧客情報を閲覧する必要があるのかBtoBマーケティングを業務委託で支援する上で地味に大きな問題が、顧客情報の閲覧権限を付与してもらえるかどうかです。 例えばインサイドセールスとして架電する案件の場合、リードの姓名が分からないと「○○さんはいらっしゃいますか?」と呼び出すことができませんし、役職や企業名、業界情報、流入経路などが分からないと、何の仮説も立てずに闇雲にテレアポし続けることになります。 Web広告やSEOの案件であっても、顧客情報の確認は重要です。広告やG