茨城県人を見れば日本人がわかる2

 友人Nたちと居酒屋に行った。メニューを見ると生牡蠣があったのでボクは注文した。
するとNが「生牡蠣なんちょ食べる人あんめよ」と言う。なにを言ってるのかわからなかった。ボクは生牡蠣が好きなので「オレは食べるよ」と言うと、なおもしつこく「食べる人あんめつうの」と言ってくる。
 
 どうやらNは宴会の料理に生牡蠣がついてきて、それを残す人が多いので、生牡蠣は食べないものだと思ったらしい。
ボクは食べる。好きだもん。たとえ食べる人が少なくてもボクは食べる。
居酒屋でも食べる人がいるから仕入れしてるんだし。
カウンターの仲のおにいさんに「早く持ってこいよ」というと、笑いながら「今やってるとこだよ。ところで、脇にいる変わった人はなに?」と言う。「なんだろねぇ」と言った。
 
またNはよくホッケの開きを注文して食べている」ボクが「おまえ、ホッケの開きが好きだよなぁ」と言うと「好きじゃあんめよ」と言う。「へ?口の中に入れてうまいからいつも食べてるんじゃないの?」「好きじゃあんめよ」と言う。
 じゃあなんで好きでもないものをいつも食べるのかというと、父親が晩酌でいつもホッケを食べるのを見ていたかららしい。父親というより母親が作って出してくれるからというのが大きいらしい。
 
ある日、Kさん達と仕事終わりの世間話をしていたら「中華料理なんちょ食べる人あんめぇっていう人いるんだなぁ」と言う。誰かから聞いてきたんだろう。「俺は食べるよ」と言うとなおも「食べる人あんめぇっていうんだなぁ」と言う。「食べる人はいるでしょう。日曜には中華料理屋満員になるよ」「人から悪くみられっちまうね」
 どうやら、自分で食べるものを決めていない。「食べる人いないって言った人は弱い人だよ」というと「強いんじゃねぇのけ」と言う。強い人なら「自分は中華が嫌いだから食べないよ」って言えばすむことだもん。それを人の力借りて言ってるんだから。
 
 だいたい口の中に食べ物を入れて食べれば、うまいかまずいかは自分で決められるはずだが、それができずに人が食べるものを参考にして決めている。弱いから「自分はこれが好きだ」と言えないのだ。だから、みんなが食べるもの、流行っているものに決めて逃げている。
 

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