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68【事業展開タテか?ヨコか?】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は岡山市内にあるシネマクレールという老舗小規模映画館です。独自の経営戦略で生き残り続けている映画館です。10代の頃に感動したフォレスト・ガンプのデジタルリマスター版に惹かれました。トム・ハンクスが作中で履いていたナイキのコルテッツを買った懐かしい記憶があります。
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分かりづらいタイトルですが、年商10億円規模までの中小、零細企業経営者の方ならばピンとくるかも知れません。現在の一点突破の商品、サービスが市場が縮小傾向にあって先細りの場合、有望な領域を選定し、戦略的に時間軸を捉えた上で投資していくことを徹底して考え抜いていらっしゃる場合、このタイトルが意味するところは何となく感じていただけるかと思います。

タテ展開とヨコ展開を定義

タテの展開
➡小売業なら卸やメーカーになるという川上や川下へ展開していくというイメージ。建設業であれば元請けを受注したり、分野によっては受注に注力し、施工をあえて下請けに発注して売上を増加させていく展開。

ヨコの展開
➡小売業やサービス業においては、業界に隣接する将来有望と思しき商材やサービス内容を選び、店舗やサービス内容を拡充していくイメージ。

せっかく差別化しても同質化してしまう現実

例えば、小売業の場合、事業を単純化して言えば、「メーカーや問屋から仕入れて自社で販売する」ということになります。

当初、苦労して差別化された商品と販売手法を確立し、エリアにおいてトップの地位を築いたとて、時と共に販売手法も仕入れに苦慮した差別化商品も普及していき、やがては同質化してしまうという憂き目にあってしまうのは必然であり、原理原則です。売上を確保しようとやみくもに営業力と魅力の薄い店舗を単純に増やしたとしても、あっという間に競争に負けてしまいます。

私の主戦場である岡山県内では90年代から2000年代に入って以降、激しい競争を繰り広げてきた、もしくは繰り広げているのは、以下のような業態です。小売業・サービス業且つBtoC業態のみです。

天然酵母のパンのお店
トラッドなバー
デートで使えるオシャレ・カジュアル焼肉店
焼肉丼のお店
手作りナンが売りのカレー店
郊外型大盛大衆中華店
高単価な美容院(サロン)
眼鏡のセレクトショップ
少し高価格帯のうどん店
餃子主体の居酒屋
パンケーキ主体のカフェ
サイフォンで作る本格派カフェ
健康促進型介護施設
パーソナルトレーナーと連携した24時間型ジム
女性専用スポーツジム
貴金属買取店
アパレル買取店
リサイクルショップ
中古農機建機店 
手もみ系マッサージ店
 
等々

ちょっと食べ物系に偏ってすみません…。

エリアで独特なポジショニングで営業していたといても、いずれ真似や良いとこどりをしたり、独立者が同業を営むことによって競争は激化し、本当に顧客から指示され、分厚いファンを獲得した店舗や企業しか長く生き残ることはできないというシビアな現実があります。

同質化の波に飲まれないように、新たな収益源を求めて事業展開をしていかざるを得ない企業が多々あると思われます。

生残りをかけたタテ展開とヨコ展開

俗に言うブーム商材。フルーツサンド、フルーツ大福、高級食パン、アイスメロンパン、からあげテイクアウト、無人餃子販売、タピオカドリンク等、都市部で流行し、一定のマーケティングリサーチ済み商材。言い換えるなら、短期回収型ビジネスモデル(短期決戦型)はご多分にもれず岡山県でも乱立していますが勝負がつくまでの時間軸が短いです。

こういったブームの特徴を捉え、ヒットアンドアウェイ戦法ではありませんが、ゆるぎない本業があるが敢えて、ボーナス確保的にブームの商材にエリアで素早く着手し、先行者メリットを享受し投資分を回収しできる限り短期で利益を積み上げ、ブームの終焉とともに撤退するという言わば、「一瞬型ヨコ展開」も戦術としてはあると思われます。

しかしながら、多くの企業にとっては問題の本質は、縮小していく経済において、本業での利益がおぼつかなくなってくるであろう、そう遠くない未来への根本的な対策で、タテ展開かヨコ展開かの思案をせねばなりません。

その前提で言えば、当然、腰を据えた事業展開になります。だからこそ、この一連の原理原則を理解している経営者はしかるべき先手を経営計画の中に記載し、根拠を持って先手を打ち続けます。

その根拠になるのが、フレームワークの代表格であるクロスSWOT分析です。

次で、私のコンサルティングの経験から導いた事柄をまとめて今回を締めます。

まとめ

・そもそも論ではあるが、事業展開の前に既存事業でも基礎からやり直すべき項目は多く存在している。

・タテヨコどっちが正解というわけではない。置かれた外部環境や社内のリソースによって最適な選択は変わってくる。

・根拠に基づいた先行投資という概念と戦略を作る習慣を身につけているかが肝要である。

・タテの方が困難であるが成功した場合の効果は太くて息の長い事業に成り得、ヨコより大きい可能性がある。

・国が推し進める補助金はヨコでもタテでもとにかく、この申請をきっかけに計画書を策定するプロセスでPDCAを身につけ生き残って欲しいというメッセージではないか?と前向きに捉えた方が得。
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株式会社なかむらコンサルタンツ

代表取締役 中村徳秀

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