63【中小企業の戦略的経費】地方在住経営コンサルタントの思索
写真は先日、新神戸駅で撮影した、山陽新幹線新大阪-岡山間開通50周年の記念パネルです。JR西日本という巨大企業にとっても今後、どう戦略的に資金を投入していくのか時代の岐路ですね。
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今回は中小、零細企業における業績を向上させるための戦略的経費について述べます。「何にどう資金を使っていけば良いのか?」「なぜか、資金が減っていて本当に必要なことに資金を投入できているのか自信がない。」と感じていらっしゃる経営者さんはぜひご一読いただければ現状打開のヒントになるはずです。
戦略的経費の3Kとは
戦略的経費の3Kというフレーズを聞いてピンとくる人は少ないと思われます。人によってはきっと3Kというと「きつい、きたない、きけん」のハードな職場のことを指す一昔前の表現を連想されるかもしれません。
ここでいう3Kとは。
①広告費(広告宣伝費)
②交通費(旅費交通費)
③交際費
+場合によっては、研修費(コンサルティング料)も入ることもあります。
あくまで一つの考え方ですが、一番伝えたいのは、業績向上につながる経費の効果検証です。つまり、その項目毎にあらかじめ、
「費用対効果」を計画、投入し、定期的に効果を分析、検証しているか?
ということが最もお伝えしたいことです。
自社の状況毎で違う投入の優先順位
自社が置かれた業界と、厳密に言えば財務状況によっても投入すべき額と優先順位は異なります。
経営計画書の中でも「戦略経費計画」という項目になります。
弊社においてはまず、根拠のある3期の中期経営計画をA3用紙5枚程度の分量で策定します。その後、施策実行支援をしているうちにあっという間に決算期が近づいてきます。
半年かけて作成→半年かけて運用(改善行動)→半年かけて更に詳細な計画書を加えていくというフローになります。
ちなみ、詳細な計画は代表的なもので6種類あります。
①販売計画
②仕入計画
③要員計画
④戦略経費計画
⑤設備投資計画
⑥資金計画
です。
その中でも業績に直結してくるので、今回述べる「戦略経費計画」(特に戦略的経費の詳細計画)は策定において優先順位は非常に高いものとなります。
「当初の経営計画書の中で戦略経費計画は決めないの?」という疑問もあるやも知れませんが、予想P/Lの中に数字上は示されています。そして目標効果も補記はしています。ただ、その数字を基に、より詳細にどう投入していくかということを分解して記述していくのが「戦略経費計画」です。
持論ではありますが、フォーマットに決まったものはありません。年商10億円規模までの中小、零細企業においてはあくまで計画が「ある」ことが何よりも重要で、内容はトライ、エラーの中で磨きあげて行けば良いと考えます。
あらかじめ予算組していなければ、様々な営業や誘いにより経費を浪費してしまう状況に陥りかねないので作成することには、それを防ぐ意味もあります。
財務状況毎の経費投入イメージ3パターン
6つある詳細な計画書は例えば、以下の様なケースにより内容は大きく異なってきます。
①財務格付けも高く内部留保が厚い企業。ただし、投資方法や分野の選定が難しいという多少贅沢な悩みの先。
→言い換えるなら、財務優良先。
往々にして人員確保すれば業績向上に繋がる企業が多く人材の採用教育分野への積極的投資が考えられます。更に人材を確保した上で、必要投資額が高額で二の足を踏んでしまっている、参入障壁の高い分野への設備投資(設備投資計画を策定の上)などが考えられます。
②自己資本比率20%~40%程度。運転資金借入の月商倍率も3カ月程度で余力がそれほどあるわけではないが安定巡行中の企業。
→言い換えるなら、正常先。
クロスSWOT分析から粗利の根源的確保や向上に繋がる広告費を緻密に計画した上で投入するケースが多くなります。
③実態的に債務超過である程度の個人資産余力があり、金融支援は得られるものの、資金繰りが繁忙であり、業績を向上させていかなければならない緊張感の高い企業。
→言い換えるなら、資金繰り繁忙先。
虎の子の資金となるため、徹底的に効果の仮説検証の上、目標値を定め広告費を投入します。どうしても、経営者のトップ営業に頼らなければならない局面も充分に考えられ、予算組と優先順位と獲得案件を明確にしたうえで、交通費と交際費を投入していくということが多くあるケースです。
まとめ
まずは戦略的経費とは何かを理解することが重要です。業界、業種、自社が置かれた外部環境により、戦略的経費の比重は異なると思います。何にいくら、どういう形で、いつ、だれが、どのように投入し、効果をいつ、だれが、どういう形で、どのように検証するのかなど、詳細に計画すればするほど、間違いなく戦略的経費投入の効果は見込めます。
繰り返しにはなりますが、あらかじめ計画し、効果を検証するという一連の王道的流れが業績向上のカギとなります。
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株式会社なかむらコンサルタンツ
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