見出し画像

54【前職の経験値を最大限活用すべき】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は「日本のエーゲ海」と評される瀬戸内市牛窓の入口にあるオブジェです。

今回は、実際の財務面を軸とした経営コンサルティングを行う上で活用している、新卒で入社した銀行時代に培ったノウハウについて述べます。

結論から言えば、

(私の場合で言えば)「貴重なノウハウとスキルを20代で身に付けており、それらをコンサルティングにおいて活用でき、更に自らの営業活動とお客様の営業活動にも役立っているということ。」

ということになります。

おそらく、お読みになられている方々もそれぞれの業界、会社にて現在の業務に適用すれば思わぬ効果を発揮するかも知れないことが多々存在すると考えられます。

それでは、私の当時の状況と学びを述べます。

新入行員時代はBtoB営業の基礎鍛錬

社会人1年目は、SMBCにおいてラストバンカーこと西川善文頭取の最終年でした。置き土産的に大胆な研修施策として行われたのが、総合職採用の人間は支店勤務を経ずして6か月の長期研修の後に、全員、法人融資部門である、法人営業部への配属となる初の試みでした。

支店勤務を経ず、座学で業務を習うだけなので、「こんなもんかな?」という程度の理解で、実際の現場に出ることになります。

まだ公的資金は完済前で、大胆に営業人材を数多く育て、支店勤務などの丁稚奉公的読み書きそろばんチックな下積みでのパッションダウンによる退職をできる限り排除したいという狙いがあったのかも知れません。しかしながら、ご多分に漏れず、3年で3割近い平均的な離職率だったという記憶です。

田舎国立大学卒だったので大したプライドもなく、どぶ板営業は当たり前という感覚で法人営業部勤務に臨みました。志願して、飛び込み営業からスタート。感覚的に、「若い今しかできないんじゃないか?」という意識が働きました。

志願してかっこつけてみたはいいものの、結局初年度の成果は90社アプローチして2社のみ。融資までに至らなかったにせよ、ウェブバンクやコンサルティングの会員契約等取引できた先が5社ありました。

しかしそうは言っても、新卒時の経験というのは鮮明に残っています。基本的な活動パターンの基礎になりうる部分が多々ありました。成功体験も失敗体験も財産ですね。何ものにも代えがたい経験と糧を得ました。

思い出されるシーンと学び

①全てはラポール構築から

➡同郷の創業社長に地元ネタきっかけで仲良くなり、設備投資資金800万円の融資成約となりました。

②一歩も引かない姿勢を経営者に見られている。

➡乾物卸売業の創業社長に名刺を捨てられても何度も食い下がり、ウェブバンキングの取引をしてもらえました。

③プロパー融資組み立てのしんどさ、労力(論理に基づく資料作成術)

➡社団法人への融資で、本部稟議承認に困難を極めたものの、部内の方々の協力も得て複雑な稟議を組み立て、新規で3000万円の融資を行いました。

全て貴重な財産です。自らの営業スタイルの「型」の基礎を作ることができた期間でした。

強みを伸ばすと同時に改善行動も必要

平成19年春。部内の先輩に来ていた転勤のオファーを受け、戦力ダウンを懸念した当時の部長さんが、代わりに私を推薦し、二階級特進のような出世で西梅田の大型営業拠点に栄転となりました。しかし、能力、経験、努力、センスの全てが不十分だった私は3か月で営業をクビになり、内部の仕事中心に1年経験を積み、再度復帰戦ということで、営業現場に出ましたが、またしても結果は出せず、事務部門関連会社への出向という結果になってしまいました。要は人生初の挫折でした。

その時の心境はというと悔しさと安堵感か入り混じったなんとも複雑なものでした。しかし一方で、家族との落ち着いた時間を確保でき、自分のキャリアを見つめなおす精神的余裕ができる幸運に恵まれました。自己研鑽に充てる時間と余力ができ、いわば「次の戦争への準備期間」という時間に結果的にはなりました。

この時の挫折の経緯を振り返ると、思い出す史実があります。先の大戦における、珊瑚海海戦とセイロン沖海戦で既にミッドウェーでの敗戦の伏線・兆候があったのと同様です。この時は徹底した索敵と攻撃を受けることへの警戒する力の不足が大敗に繋がったということが定説です。

真摯に自分の弱みに向き合い、改善する努力を継続する。

この点が20代の私には最も欠落していたと感じます。言い換えるなら、辛抱する力です。

簿記を中心とした財務面の知識と、事務面の処理能力が今、思えば最大の弱点でした。ここに目をそらさず、スキルを向上させていく努力を積み上げて行けば、結果は違ったものになっていたかも知れません。

銀行の法人営業部のPDCAは高水準

当時は無我夢中で業務に取り組んでいましたが、BtoBの営業組織としてはある種の完成形に近い水準であったと感じます。印象深いものをピックアップします。

①案件管理

➡現在はわかりませんが、案件成約可能性毎に分類されたエクセルシートとリンクした訪問計画書に基づき、毎朝始業前と夕刻の帰店報告という形で案件毎の進捗管理が徹底的に行われます。

②顧客管理

➡「調査カード」というフォーマット形式で、旧住友銀行から受け継ぐ呼び名です。定性面、定量面の重要項目が一目瞭然となる形になっており、担当者が代わっても必要な顧客情報を効率的に把握できるようになっています。国が定める、「法人概況表」のようなイメージです。

③推進項目毎の責任者、数値達成におけるこだわりと、これでもかと言わんばかりのがっちがちのガバナンス

➡週の初めに、主任係長クラスの中堅行員が各業務推進項目毎に、拠点の年間目標値と現在の進捗状況及び目標値との乖離、超過などを全部員に情報共有します。全ての推進項目に拠点の評価の点数が割り振られているため、未達は絶対に許されない空気感でピリピリしています。そして、定められたありとあらゆる社内規程や書式、事務規程が存在します。

まとめ

なかなか、文字情報だけでは、伝わりにくい部分もあろうかと思いますが、お伝えしたいのは、あくまで前職のノウハウを現在の業務に落とし込むことでイノベーション的な効果を望める可能性があるということです。

つまり、前職と今の業界が違うから、前の方式は役に立たない、という先入観は排除すべきということを述べたいのです。

こういう例もあります。私の顧問先でA工場とB工場という別の会社での下請け業務を担う法人があります。この経営者さんから伺った話では、A工場での安全管理基準をB工場に適用したところ、事故発生率が劇的に減少し、B工場の親会社から著しく評価されている、ということです。

つまり、学んだノウハウを違う場面で適用すれは思わぬ成果をもたらすことが十分あり得る、という可能性に気付いていただきたいです。

ーーーーーーーーーーーー

今回もお読みいただきありがとうございました。

「読了」の目安としての「スキ」をお願いいたします。

少しでも共感する部分がありますように。

もしフォローいただければ嬉しい限りです。

中村徳秀

メッセージあればご遠慮なく個人facebookまでお願いいたします。

https://www.facebook.com/norihide.nakamura.18







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?