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140【独力での経営計画策定限界説】地方在住経営コンサルタントの思索

写真は夜の大原美術館です。倉敷紡績の大原家は地域のリーダーとして街のあるべき将来像を見据え、周囲の大反対を押し切って美術館を建設したという事実があります。
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はじめに

「来年こそ計画的に経営するぞ!」

「来年は経営計画を策定して業績のV字回復だ!」

「きちんとした計画を立てて企業として生き残るぞ!」

など、全国津々浦々で多くの中小零細企業の経営者で内心、決意新たにしている方々がおられるのではないでしょうか?

日本には年末で1年を振り返り反省し、来年こそ良い年にして行こうとする、前向きな文化があるように感じます。SNSでの投稿も、この財務コンサルティングを生業とする前から自分も無意識に行っていたと感じます。

こういった決意を”空虚なもの”にしないためにも、いくつか注意点や工夫すべき点を述べて、2023年最後のブログ投稿とさせていただきます。もし良ければ、最後まで御読みください。

1.型を決める

このブログの中で幾度となく提唱してきたのが、クロスSWOT分析を起点・根拠としたアクションプランにまで落とし込んだ経営計画です。

経営計画の形式は無数にあると感じます。しかし、大事なのは読み手がその分野の素人だったとしても理解できる内容でならねばならないと考えます。特に年商10億円規模までの中小零細企業の経営においては銀行などの金融機関との良好な関係性は企業の継続において重要且つ必要不可欠な要素の一つです。ただ、銀行員は融資分野が専門であってその担当企業の分野のプロではありません。よって、素人でもきちんと理解できる内容で、数値の根拠が明確で行動計画にまで落とし込んだ経営計画があれば必ず、整備できていない企業よりも将来性を高く評価してくれるという現実を経営者は知るべきだと考えています。

2.作る期限を決める

一つの目安は法人であれば決算期までに3カ年先(5カ年でも構わない。)までの利益計画を詳細に示した経営計画を策定することが望ましいと言えます。各種事業主などの営業性個人であれば12月、まさに年末までに整備することをおススメします。

人間とは意思が弱い生き物で、生命としての脳の恒常性維持機能(ホメオスタシス)から元来、変化を嫌う生き物です。しかし、現実、経済の外部環境は刻一刻と変化し、既存の商品やサービスは市場のニーズに合わせて変化をし続けなければ生き残ることは困難です。商品やサービスは可視化されることが多いのと、売れ行きの鈍化から修正、変化の必要性はえてして一目瞭然です。しかしながら、組織体制や販売体制、財務面といった物理的ではない、情報空間に存在するものの陳腐化を見極めることは困難です。そういった、情報空間にあるものを仮説でも良いので現実世界(紙面上に)精緻でなくとも再現し、複数の目で客観的に見て、分析するという習慣が組織の継続(永続)において必須と考えられます。

3.作る目的を決める

既に前段で述べている部分はあるのですが、目的は情報の可視化です。もっと踏み込んで言えば、あるべき未来を描く判断材料の整理、とも言えます。

経営者が己の感覚のみに頼ると、業績に良い時と悪い時の波が出てきます。なぜかというと、外部環境や内部環境は目に見えないカタチで常に変化しているからです。

財務的に余力がある企業であれば、作成目的は
①次の効率的な経営の打ち手はなにか?
②どこまで数値目標を設定し、適切な成長スピードはどれくらいか?

筆者自説

などが経営計画策定の目的になるはずです。

しかし、一説によれば実態的に債務超過である企業は40%に迫ると言われています。外部環境がコロナ以前まで戻る保証はどこにもなく、人材確保やハイスピードの技術革新なども相まって、競争環境が今後厳しくなっていくことは必至です。

そのため、多少財務的にバックギアにある企業は何よりも、作成目的は
①金融機関からの融資支援を確保するため、という理由が最優先できます。
②経営の効率化、業績向上

という面も当然ながらあると考えられます。

筆者自説

4.運用方法を決める

結局、経営計画を策定しても運用面をきちんと整備しておかなければ、よくある「絵に描いた餅」という状況に陥ってしまします。

”三人寄れば文殊の知恵”とはよく言ったもので、先人たちは複数人で真剣に協議することで物事を思考して行く上で起きがちな盲点を減らすことができる点を体験的に自覚していたということではないでしょうか?

コーチングの卓越したプロフェショナルも相手がいなければと己の思考において、盲点をゼロにすることはできないという主旨をとある書籍にあったことを覚えています。確かにそうだと自分でも思い当たるフシがあります。

盲点の無い経営計画を複数人で策定し運用して、お互い怠慢やマンネリに陥らないようにけん制し合うという意味でも、幹部三人などの少数精鋭体制で経営計画がないがしろにならないようにチェックしていくことも、あらかじめ決めることが、経営計画の効能を最大限まで高める上で重要なことと言えます。

まとめ

上記の4点を踏まえていれば、計画を作ったけど何の意味も無かったなあ…。なんて状況に陥ることは稀です。なにがしかの意味は残ります。全く何も行動を起こさなかった場合よりも1000倍意味があります!新年の決意新たに自己変革を起こそうとしている方々が多いと思いこのブログをしたためました。かく言う私自身もその一人です。笑
来年も、充実した日々にして行くためにこのアウトプットは継続して参ります。読んでいただいている方々全てに感謝申し上げます。

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今回もお読みいただきありがとうございました。

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株式会社なかむらコンサルタンツ
代表取締役 中村徳秀

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