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㊹【会社の財務的健康診断を受けていますか?】地方在住の経営コンサルが地方在住の経営者のために書くブログ。

写真は少し前のニッキン記事の抜粋です。手形・小切手の電子化の流れは当然であり、企業経営者は変化に適応していくしかありませんね。

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タイトルを聞いて「ピンとくる」経営者の方とそうでない方がおられると思います。決算月をむかえ、税務申告をする頃になれば、決まった先から電話が入りすね。はい。そうです。取引銀行の担当者からの電話です。

知らずの内に財務的健康診断を受診

融資取引がある銀行から付属明細一式を含めた決算書の提出を求められます。これには根拠があります。金融庁から許認可を得てビジネスをしている銀行をはじめとした金融機関は、貸し倒れリスクを計算し、毎年それに見合った貸し倒れ引当金を積まねばならないルールが適用されています。この貸し倒れリスクを計算する作業を「自己査定」と言います。この自己査定時に行われるのが、財務格付けの洗い替え作業であり、いわば財務的健康診断です。

自社の財務格付をご存じですか?

自社の財務格付を知っている経営者はほとんどいらっしゃらないと思われます。というのも理由は明確で、金融機関はその情報を顧客に漏らしてはならないからです。では、どうするのか?

自社で計算するまでです。笑

我々のような財務的見地からコンサルティングを行っている、コンサルタントやアドバイザー、中小企業診断士の先生方は査定ツールを保有していることがほとんどです。しかしながら、その大部分が活用されていないのが現状です。

財務格付を判定するメリットは以下です。

1.対銀行交渉のスタンスを決めやすくなる。
2.自社の課題が明確になる。
3.自社を客観的に判断し、改善点があらわになり、改善策の意思決定をしやすくなる。
4.問題点が深刻になる前に未然に対策を打てるようになる。
5.どういう点を優先事項において経営に取り組むべきかの指針になる。

等々…。

要は経営計画書を作成する上で無茶苦茶参考になるということです。

格付け作業は経営要素を細分化

格付け作業は1次評価、2次評価、3次評価という構成で実施されます。

財務格付において1次評価において重要視される定量面(数値面)における項目は4項目です。

1.安全性項目

配点の高い指標・・・自己資本比率です。20%以上は確保したいところ。

2.収益性項目

代表的な指標・・・売上高経常利益率です。4%以上を目指すべきです。

3.成長性項目

代表的な指標・・・自己資本額の配点が大きいですが、年商10億円規模未満の中小企業においては経常利益の増加率30%以上の成長を目指すのが現実的です。

4.返済能力

代表的な指標・・・債務償還年数。理想は7年以内に収束していることですが、まずは12年以内を目指し、健全性を高めて行けばよいと考えます。

2次評価においては、定性分析が行われます。イメージしづらい点と思いますが端的に言えば「経営者の人間性がちゃんとしているか。」ということです。ごくたま~に意図的に「織田信長的尾張のおおうつけ作戦」や、「大石内蔵助的昼行燈作戦」を実施してくる「能ある鷹は爪を隠す」タイプの経営者さんもいらっしゃることにはいらっしゃいますが、そんなトリッキーなことはせず、変に誤解されないようにきちんと誠実に対応することをおススメします。笑

3次評価がミソ

定量的な決算数値、定性的な経営者の資質の部分が評価された上で、3次評価として以下の点が加味されることとなります。ここが評価の神髄的部分です。

要は「経営者の個人資産も含めて本当の返済能力はどうなのか?」という視点で判断されることとなります。

時価評価で再計算された純資産額。つまり、実態のB/Sが見られることになり、さらに個人資産背景も考慮され、最終的には他金融機関の支援体制やスタンスも含めて調整され、最終的な財務格付がはじき出されることになります。

まとめ

・自己査定のフローは金融機関にとって数限りなく企業の安全度を測ってきた尺度であり叡知です。この格付作業のプロセスの中に自社の業績向上のヒントが多くつまっています。


・財務格付けは定量的判断のみではないので、担当の銀行員さんとその上司の方との良好な信頼関係を構築されてはいかがでしょうか。


・まだ、財務面の健康診断をされたことがない方は顧問の税理士さんや会計士さん、中小企業診断士やコンサルタントの方に尋ねてみられることを強くオススメ致します。

今回もお読みいただきありがとうございました。

中村徳秀

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