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ZAIM 2023年03月号

資金調達 「借りる」 ~ デッドファイナンス ~

「資金調達」 と聞いて、まず思い浮かべるのは銀行などの金融機関から融資を受ける、つまり 「借りる」 ことではないかと思います。 お金を借りて資金調達することを、デッドファイナンスといいます。デッドとは 「借金」 の意味です。 デッドファイナンスには金融機関からの融資のほかに、公募債や私募債、クラウドファンディングなどの方法がありますが、ここでは主に金融機関からの借入について説明します。
 
 借入についての大原則は3つです。
①   「借りたものは返さないといけない」。つまり返済があるということです。月ごとに分割して支払う場合や、期日に一括して返済する場合もあります。
②   「ただでは貸してくれない」、つまり利息を支払わないといけないということです。
③   「借入するには信用もしくは担保が必要」 だということです。逆に言うと、金融機関から借入することは信用力につながります。
 
(ただし、返済の義務があるということは 「他人資本」 となるので、借入をすると自己資本比率は低くなり、財務体質としては弱くなるといえます)
 
 この3つの原則は、デッドファイナンスのデメリットとして説明されることもありますが、大切なのはそれをどうやってメリットに転じていくかということです。
 
「返済」 については、きちんと約定通り実行していくとそれが 「信用」 につながります。


 
 また当初借入れた金額より減少していくことで、借入実績に対して余裕が出てきます。 これは再度の資金調達の必要が出てきたときに、有効な信用のある枠ととらえることも出来ます。 つまり、次の調達に際してハードルが下がることも考えられるわけです。

 利息の支払いに関しては、いかに低く抑えるかがポイントです。担保や信用保証制度(保証料がかかる)もありますが、金融機関から見た会社の与信格付け(信用格付け)が高いほど条件が良くなるといえます。
 金融機関は公的なものから民間でも様々な種類があり、会社の状況に応じての選択肢が多いともいえます。