「期待はヤマイ」

今朝は朝からインタビューが一本入っていて、バタバタとしているうちにあっという間に午後になっていた。

小学校から帰ってきた息子はまたしてもテンションが低く、学校にいる間はずっとマスクをしているせいなのかな、と思いそっとしておいた。

昼ごはんは息子の希望でベルリンのB級グルメの代表格とも言える「カリーヴルスト・ミット・ポムス」(フライドポテト付きカレーソーセージ)を近所でテイクアウトして簡単に済ませることに。

食べた後に休憩してから、宿題をしてサッカーに行く予定をしていたのだが、時間になったので声を掛けると、なぜか超絶に不機嫌な息子が部屋から出てきたので驚いた。

なぜだか私が忙しいときに限って、そうやってフェイントを掛けてくるのが子供というものだ。

宿題はどうにもこうにもならなかったので、何とかサッカーには出発していただく。天気もよかったし、ただでさえコロナ禍で運動不足になりがちだからだ。家で不機嫌を抱えながらゴロゴロしているよりよっぽどいい。

息子が出かけた後、ふーっと一息つき鬼のいぬ間に仕事!と取り掛かる。一段落したところでツイッターをふと見ると、「今から配信します。」という一文が目に入った。そうだ、今日は月曜日だった。「あなたのことは全て」でも書いたことのある白神真志朗さんが定期的にツイキャスで配信をされているのだ。

慌ててツイキャスを開き、聴きながら作業をする。

中でも印象に残ったのが、白神さんの「期待は病い」だ、という言葉だった。例えば、付き合っている相手に期待をして、それが自分の思うように行かないと人はイライラしたり、ガッカリしたり、残念に思ったりするものだ。

これは恐らく育児にも当てはまることで、「宿題をやってほしい。」とか「サッカーを続けてほしい。」といったこちら側の期待に子供がいつも、そしていつまでも応えてくれるとは限らない。

そこで今日の私のようにイライラしたり、そのイライラをぶつけたりすると、子供は自尊心を挫かれ傷つくこともあるかもしれないのだ。

もちろん、今日のツイキャスでの話は「付き合い」上の相手に対する期待だったわけだが、白神さん曰く「そういうときはすぐにぶちまけるのではなく、一晩寝かせたりご飯を食べてみるといい。」らしい。人間、疲れている時やストレスが溜まっている時、眠かったり空腹だったりすると判断が狂いがちだからだろう。

それに一度、相手に投げた批判的な言葉やキツい言葉は、自分でそれらを飲み込んで自分の中で精算して消化するのとは違い、相手の記憶に焼き付けられて消えないものだ。

それらの言葉がチリと積もって山になればうまく行くものもうまく行かなくなってしまうに違いない。

話を聞いていてなるほどな、とストンと附に落ちた気がした。特に今のようにコロナ禍で制限の多い生活をしていると、無意識のうちに心の余裕がなくなり、ストレスも溜まっている状態になっていることも多いだろう。そんな時こそ、たとえ腹が立つことがあってもグッと我慢して一晩寝かせると翌日には大したことない、と思えるものなのかもしれない。

「期待は病い」とは言い得て妙だな、と思った。

*タイトル画像はみんなのフォトギャラリーよりillust_himeさんのイラストをお借りしています


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