不眠症と決定的な一言
今朝は10時頃までうとうとしていたというのに、20時半前にもう目がショボショボしている。2キロ少し走っただけで、特に慌ただしい1日だったわけでもない。
体力がないのか、たーいーりょーく!!
ひとまず、無理ができない年になった、ということにしておこう。
生まれ持ったキャパというものは、恐らく年齢とはそれほど関係のない、非常に個人的なもので、人によって大きく異なるのではないかと思っている。たった数時間の睡眠で事足りてしまう人もいれば、私のように8時間くらいがっつり寝たい人もいる。10キロなんて軽く走れる人もいれば、2キロがやっとの人もいるのだ。そして2キロだって大変な人だってもちろんいるだろう。
人と比べて落ち込む必要なんてどこにもない。比べたところで、そもそもマネなんてできやしないのだ。それだったら、始めから自分のペースでコツコツやる方が気が楽だ。
眠りひとつとっても色々という話をしたが、去年はとにかく生まれてこの方、眠れないという問題を抱えてこなかった私が、なぜか突然眠れなくなってしまった。先述したように、理想の睡眠時間は8時間。6時間を切ると、目に見えて体調が悪くなるのである。それがなんと、ひどい時には3時間くらいしかまとまって眠れなくなった時期が続いたのだ。そんな状態が2ヶ月か3ヶ月は続いたのではなかったか。
眠れない→食欲も沸かない→気分転換に走ってみる→眠れない
眠れない→眠ろうとするのをやめる→やっぱり眠れない
眠れない→ハーブ系の睡眠導入剤を飲む→眠れない→好きな音楽を聞いてみる→眠れない→気付いたら外が明るくなっている
何をしてもだめだったので、さすがに焦った。焦るどころか、体重も5キロ近く減ってしまった。ホームドクターで事情を話して、カウンセリングの紹介状ももらったのだが、とにかく眠すぎて探したり通ったりする気にもなれない。日々の生活を何とか回すだけで精一杯だったのだ。
そこにさらにロックダウンが重なった。仕方がないので、毎日このnoteを書いたり、走ったりということを始めた。寝不足なのに走ろう、というのだから狂気の沙汰である。どうやって睡眠不足の日々を乗り越えたのか、今から振り返っても疑問でしかないが、生きているとそんなこともたまに起こるのだ。
結局、原因だと思われることを何とか軌道修正して、また徐々に眠れるようになった。少なくとも3ヶ月くらいは掛かったんじゃないだろうか。よくあんな状態で病気にならなかったものだ、と自分でも呆れてしまう。
野生の感ではないけれど、危機的な状況に陥ると、必ず決定的な一言のようなものを与えてくれる場面に出会うことが多いのだ。
モスクワに残るか、ベルリンに帰るか、という決断をする時もそうだった。
「ベルリンに帰れるのであれば、ここにしがみつく必要はないでしょう。今すぐ帰った方がいい。」
目の前の人物は私の目を見てはっきりとそう言った。もちろんその人物は私が決断をなぜ引き伸ばしにしていたのか、という事情までは知らなかった。それでも、その一言で決心がついたのだ。
「ベルリンに帰ろう。」
いずれにせよ、安心して帰るところがないと、冒険すらできないものなのかもしれない。
体力もそう。睡眠は生きるためには欠かせない。皆さんもどうか睡眠だけは削らないでほしい。ということで、今日は早めに寝ます。
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