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久しぶりの図書館

いつもは娘が息子と連れ立って日本語の補習校へ向かうのだが、今日は変則的に私が息子だけを学校に連れていく必要ができた。片道45分ほどかかるのと、授業時間が午後5時から8時までの3時間と長いので、うまく時間を使う必要が出てくる。さて、どうしようか。

学校周辺の地図を眺めていたら、近くに図書館があるのを思い出した。今日中にやっておきたかった作業もまだ残っているので、いい機会だと図書館でその作業の続きをすることにした。今日もベルリンは日中30度という夏日。ベルリンの公共図書館は冷房完備ではないので、室内の気温が暑すぎると辛い。果たして居心地がよい空間なのだろうか。

建物の中に入ると思いのほかヒヤリとしていた。これなら大丈夫そうだと、空いている一角を見つけてそこに陣取る。小腹が空いたときに食べる菓子パンとマイボトルにいれたコーヒーが味方だ。そこで1時間半ほど集中できたおかげで、何とか今日中に作業を終えることができた。図書館効果はあなどれない。定期的に近所の図書館も利用した方が良さそうである。作業効率が格段に上がるかもしれない。

残念ながら、今座っている図書館は19時閉館なので、残りの1時間は銀行に行ったり、買い物をしたりして過ごそうかと思っている。図書館にいると、いつも思い出すのは村上春樹さんの小説に出てくる「夢読み」のことだ。書物がたくさんある場所って、なぜ落ち着くんだろう。「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」にも「世界とその不確かな壁」にも「夢読み」の男は出てくる。

こちらの世界とあちらの世界、というテーマやここ、とここではないどこか、に思いを馳せることは素敵なことだし、誰にとっても必要不可欠なことなのかもしれない。

日本ではないどこか、としてベルリンやモスクワにたどり着いたんだけれど、ベルリンには長く留まりすぎているのかもしれない。図書館で見つけたパンフレットをパラパラと眺めながら、そんなことを思ったりもする。

図書館で見つけたパンフレット

Die Metropole NEU entdecken
メトロポリス(大都市)を新たに発見する

とでも訳せばいいだろうか。飽きたと感じているからこそ、自分から積極的にまだ知らないベルリンという街の側面を掘り下げて見る必要があるのかもしれない。30年近く住んでいても未踏の地は山ほどあるはずだから。

こちらとあちらを自由に行き来できるのがベストなんだろうなぁ。

*タイトル写真はベルリンではなく宮崎にある都城図書館です。




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