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陰性になった息子と1週間分の質問

昨日はコロナにかかってから5日目にして、ようやく一晩通して眠れたようで目が覚めたらずいぶんと体が楽になっていた。睡眠は本当に大切。

息子の方は感染から1週間が経ち、昨日も今日も抗原テストで陰性になった。一抜け!月曜日から学校に行けそうだが、それはそれで宿題が気になるらしく、ちょっと気の毒になる。

そんな息子だが、この1週間寝てる間に色々考えていたのかどうかは定かではないが、突然堰を切ったように朝ごはんを食べた後に話し出したのである。以下、その主な内容を箇条書きにしてみよう。

・ヒトラーとプーチン
・ベルリンの壁を人はどう超えたのか
・死ぬ人と生まれる人、からの世界の人口
・死んでそのままだと虫が食べるので焼いたほうがいい
・コロナと戦争での死者数はどちらが多いのか

うーん。活字にするとなかなかすごいテーマである。10歳の頭の中がこんなテーマで埋め尽くされているのであれば、ちょっと辛い気がした。彼なりにこの1週間は何もできず退屈だったので、あれこれ考えていたのかもしれない。もっと楽しいことを考えてほしい気もするが、今はこれが現実。気持ちの整理や現状を少しでも理解するためには、見てみぬフリをするより考えたほうがいいのだろう。

それにしても、重すぎるテーマである。なぜ突然、火葬の話になったのかはわからないが、これも戦場で火葬もされずに土葬にされる人々、のような話をどこかから聞いたのかもしれないし、そうでないのかもしれない。

ベルリンの壁についてはよくわからないが、突然「ママ、ベルリンの壁って飛行機で上を飛べば超えれたんちゃうの?なんでトンネルを掘ったんかな?」と聞いてきた。「飛行機はそんなに簡単にどこでも飛べるわけでもないからな。気球で飛んで超えた人はいるらしいよ。」という話や、ハンガリーやチェコを介して西ドイツ側に入った人々もたくさんいるよ、といった話になった。

家の近所にベルリンの壁資料館もあるので、ガイドツアーに参加すればいいと思うが、彼曰く、あそこはきれいになりすぎていて(当時の様子が)よくわからない、と言っていた。ただ、資料館には当時のアーカイブ映像なども見ることができるので、次の休みにでも機会があれば連れて行こうと思う。歴史博物館でもいいかもしれない。

ヒトラーとプーチンについては、彼の中ではヒトラーの方が「もっと悪い」という位置づけになっているが、とにかくヒトラーやプーチンがひとりで全て行ったわけではなく、周りの人間が反対しなかったことや一般市民が見てみぬふりをしたことも原因ではないか、というようなことを素早く伝えておいた。ただ、反対の意を唱えるのも場合によっては非常に難しかったであろうことも。端的にわかりやすく説明しないと、全く何も聞いてくれなくなるので本当に難しい。

でも、こうやってたまに自分が疑問に思ったことについて、矢継ぎ早に質問してくるようなところがあるので、そろそろ興味をもったことについて本を読んでみてはどうだろうか、といつも思うんだが、そこはなかなかこちらの思い通りには行かないのである。小学生用の歴史の本でも買ってきた方がいいのかもね。


*タイトル画像はベルリン「ライヒスターク」内に残されたソ連兵による落書き跡です



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