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また例の夢を見た

今朝方もまた例の夢を見た。

どう考えても大きすぎるモスクワの空港から、モスクワへ向かおうとしている夢だ。

大体、出発空港が到着空港なのだから辻褄が合っていない。夢だからこういうことが自然に起こる。

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「あ、またここに来たんだな。」

夢を見ながらそんなことを考えたくらい、何度か来たことのある見覚えのある場所。中は迷路みたいになっていて、目的の場所まで辿り着けるようには到底思えない。それくらいだたっ広い建物の中にいる。

今回、印象に残ったのはとにかく長い長いエスカレーターの脇にずらっと大型のテレビカメラが下の方から上の方までびっしりと並んでいたこと。

「これってなんの撮影なんですか?」

待ち構えていたカメラマンに尋ねると、どうやら有名な映画監督が来ることになっているらしい。

起きた時は名前を覚えていたが、忘れてしまった。ありきたりの名前だったから、セルゲイかもしれないし、そうでないかもしれない。

そして、カメラがずらっと並んでいる割にはその後ろにカメラマンの姿がぽつりぽつりとしか見えない。そして、その延々と続く長いエスカレーターを上っていく。

この空港にくると、決まって何かしらのトラブルで飛行機に乗り遅れるか、乗り遅れないまでも死にそうなくらい焦っている状況のことが多い。

今回はいつものように急いでいたもののトラブルばかりではなかったのだ。

「あ、このアプリやっぱり先にインストールしておいてよかった」
「この担当者に当たってよかった。思ったより親切だ」

といったように命拾いを何度かしている。

そしてなぜか、到着先で待っているはずの当の本人がギリギリのタイミングで行列に並んでいる私の様子を伺いに来てくれたりもした。

「あれ?ここにいるのがよくわかったね。もうすぐ終わるはず!」

というふうに。見慣れたいつものグリーンのコートと何故だかはわからないが、片目には眼帯。

そしてこう思うのだ。「この人が死ぬ前にもう一度会えて本当によかった」と。

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「モスクワ」のイメージが夢に出てくるときは、「やりたいことが思うようにいかない」とか「やらなければいけないことがあるとわかっているのにできない」といった焦燥感を抱いているときのように思う。

そして、本当にそろそろモスクワにも行った方がいい時期に来ているんだろう。久しぶりに会って話したい人がいるのだ。

何を言ってるんだと。自分の国にすら帰りたい時に帰れないのに、何がモスクワだよ、って。

こちら側にいる私はそんなことを考える。そして、今日もまた蓋をそっと静かに閉じるのだ。


Photo by Vanessa Lee on Unsplash

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