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ヤクザと宗教 日本教団の闇を暴く①

登別温泉から味の大王 総本店へ向かう国道36号線を走る道中、私は左手に看板を発見した。

宗教法人日本教団総本山

創価学会や崇教真光ならまだしも、私が聞いたこともない新興宗教に興味を惹かれることはまずない。それは彼らの教義が大きな宗教の二番煎じであることが珍しくないからだ。例えば、教祖による女性信者への性的暴行が話題となった「摂理」(キリスト教福音宣教会)は同じ韓国発祥の旧統一教会と教義の類似性が指摘されている。もちろん、自民党(の悪評高い安倍派)の北村経夫参議院議員の一族が経営する天照皇大神宮教や小室佳代さんが信仰しているとされる大山ねずの命神示教会のように、一般的な知名度は高くないものの独自の教義を発展させ現実世界に影響力を持つに至った新興宗教もあることは間違いない。

私は「日本教団」という不思議な名前が気になりながらも空腹に勝つことはできずそのまま味の大王へ向かった。そして、辛口カレーラーメンとエゾシカぎょうざ(これが旨い!)を食べながら「日本教団」を検索したところ、なんと日本教団は神戸山口組の二次団体の組長を務めていた人物が、マネーロンダリングや節税のために買収した法人だというではないか!これはすごい!人口は24年連続で減少し続け、生活保護受給率は大阪に次ぐ全国二位を記録する北海道に舞い込んできた久しぶりの明るいニュース!私は苫小牧名物カレーラーメンを光の速さでかき込むと、再び日本教団総本山へ向かった。

日本教団総本山は、苫小牧市字植苗という国道沿いの林の中にある。周辺には資材置場や事務所が点在するエリアだ。公示地価は7750円/㎡(2022年)だが、実際はその半値でも活発に取引されることはないだろう。国道沿いにも反対派が散々看板を立てているカジノ誘致こそが危機的な経済低迷に苦しむ苫小牧を救う唯一の手段だったにも関わらず、教条的に賭博を批判し(その割に保護費をパチンコに投じるナマポは支援する。)、変化を嫌う左翼連中のせいで苫小牧の未来が失われたことは慚愧に堪えない。その影響で総本山の資産価値も今後上昇に転じることはないだろう。
総本山の土地は合計で2992㎡、地目は原野。登記名義人は日本教団の旧名称である「宗教法人洗心会」となっている。また、建物は木・鉄筋コンクリート造の地上2階・地下1階建て。延床面積は205.33㎡となっている。前面道路は苫小牧市道になっているが、除雪が入るかは未確認。ただ、総本山の先に民家があることなどから恐らく除雪は入るのではないかと推測される。建物は法定耐用年数を超える築後47年を経過していることから価値はないとして、土地はワンチャン1000万円程度で売却できるかもしれない。また、日本教団の実質的代表者が2021年に亡くなったためか、総本山に人気はなく、入口には簡易的な柵が設置してあるし、1階の室内も窓からのぞくと蜘蛛の巣が張っていて人の出入りが盛んにあるようには見えなかった。しかし、キーボックスが設置してあり、庭も長期間手入れがされていないとは言えない状況だったことから、まったく放棄されている訳ではないようだ。いきなり不動産価格の話で恐縮だが、私は不動産の人間なので諦めて欲しい。

さて、日本教団はS50年に設立(S53年に宗教法人格取得。)された洗心会を前身とし、H20年に日本教団に改称している。教義は「大日如来を本尊にいただき密教的修験を通して即身成仏、霊魂不滅の法理をひろめ、儀式を行い、信者を教化育成する」とある。H20年以降の日本教団の実質的代表者である神戸山口組の二次団体 英組(大阪市)初代組長 英五郎氏は、「全国平和連合」(旧統一教会のFWP世界平和連合とは無関係。)という右翼団体も持っていたようだが、神仏習合の文脈で天照大御神と同一視される大日如来は右翼ウケが良いのだろう。H2年時点の代表役員は菅原宗次という人物。H20年以降の代表役員は松田妙子氏で、住所は東京都港区高輪1丁目となっている。また、総本山の玄関にも看板が出ているのだが、日本教団は「世界宗教法王庁総本部」で、かつ「世界宗教連合会総本部」らしい。どちらの団体も聞いたことはないが、英五郎氏は自らが経営していた不動産屋も平和宅建(現有限会社帝国警備)と名付けるほど「平和」が大好きだったようなので(ヤクザなのに!)、宗教間対話で世界平和を実現!とか老人にありがちな痴呆に陥っていた可能性はある。

総本山は土地建物合わせてもせいぜい実勢価格で1000万円程度で、ここまでの話だとあまりテンションが上がらない。しかし、日本教団の資産は北海道だけにとどまらなかった!本丸は兵庫県西宮市剣谷町にあった!この豪邸は神戸の街を一望できる丘の上にある。門扉にはデカデカと「剣谷会館」「一期一会」の文字。そして空に翻る日本教団(のオウム真理教みたいなデザイン)の旗。これこそが2015年に現金3億円盗難事件の発生した英五郎氏の自宅兼日本教団の宗教施設だ!土地は688㎡。建物は鉄筋コンクリート造の地上2階・地下1階建て、延床面積は724.65㎡の豪邸だ。平和宅建がH12年に中古で購入し、H23年に日本教団に寄付されている。剣谷町は阪急神戸線の甲陽園駅から徒歩で30分程度と決して交通の便は良くないが、どうも高級住宅街として根強い人気があるらしい。過去の成約事例から剣谷会館をざっくり1億8000万円と見た。

と、ここまで書いて疲れてきたので一旦筆を休めることとしたい。

続く