【AIに物語りを作らせる!】AI作家の編集者としてアイディアを出す。
桃太郎の続編をAIで生成する連載5回目。
使用しているAIは「ChatGPT」の有料最新版「ChatGPT-4 turbo」となります。
前回「【AIに物語りを作らせる!】 ストーリーの章立てをするプロンプト。」という記事では、これまでAIが生成した桃太郎の続編「桃太郎2(仮)」の章立てを行いました。
これまでの流れは
ここからはいよいよAIに小説の細部を生成させていきます。作業としても面白くなっていく部分です。
これまで何度も言及していますが、現在のChatGPT-4では長文の物語をいっぺんに出力させることはまだ困難です。そのため全体のイメージを作って章立てが完成したら、その章または節ごとに生成していく必要があります(節:章のなかでさらに分けられた文章)。
「編集者」の意識でAIに指示を出す
本題に入る前に、AIに物語を生成させるために持っておくと良い視点について解説します。
それは(ここまでの作業も含めてですが)「自分は編集者である」という意識をもつことです。するとより冷静に(ゆえに的確に)AIに指示を出せるかと思います。
「お前そんなこと言ったってこっちは編集なんてやったことねーし、そもそも編集者なんてリアルで会ったことすらねーよ!」
と、毒吹矢をこちらに向けて構えそうになる気持ちをぐっと抑えて(何時代?)、AI作家の編集者として行う作業を聞いてください。そんなに難しいものではありません。
そもそもAIがあらすじの段階で生成してきたアイディアがいくら面白そうなものであっても、実際に書き出してみると「面白みのかけらもない」ということは多々あります。というかその場合がほとんどです。経験的に、AIが一発で「いいじゃん!」とテンションが上がるような物語文を書いてきたことはまずありません。
でも、それがすなわち失敗を意味しません。
AIはキャッチボールを行っていくことでアウトプットの精度が上がっていきます。このときに編集者の視点を意識します。
編集者にとって大事な視点は、
「なんで心が動かないんだろう?」
という見方です。
「どうすればもっと面白くなるだろう?」
もちろん、必ずしもあなた自身は面白いアイディアをひねり出す必要はありません。それはAIに任せてしまっても大丈夫。ただ、AIに面白いアイディアを出させる手助けが必要なのです。
なんといってもAIは世界中の物語を飲み込んでいる化け物です。可能性の塊です。角度を変えて意見を与えれば、生成する物語がぐっと良くなったりします(このあたり、まさしく小説家と編集者の関係に似ています)。
また「なんで心が動かないんだろう?」と考えることは、とりもなおさず「自分は何を面白いと感じる人間なんだろう?」という自分自身の内側を観察していることに他なりません。
「あぁ、自分はこういうものを面白いと感じる人間なんだ」
自分探し、自分の発見は作業を通して大きな喜びになります。そしてAIに物語を生成させていくと、間違いなく執筆のスキルアップになる。
さらに視点を高めるなら「みんなは何を面白いと思うのだろう」というような、市場を意識した視点を持ってもいいでしょう。ただし、
「自分は面白いとは思わないけれど、みんなは面白いと思うだろう」
という気持ちで作った作品は、マジで誰にとってもつまらない作品になる、ということは肝に銘じておきましょう。自分が面白いと思えることが最も大切なことです。
編集者としての視点でAIに物語を生成させる準備ができたら、早速「桃太郎2(仮)」の続きを生成していきましょう。
章立てをブラッシュアップする
前回、AIに章立てさせた目次は以下の通りです。
この段階で、気になった部分を修正していきます。
この目次では、第一章の第三節「古い仲間、新たな決意」で、かつての仲間が一致団結することを予期させます。
でも、最初から犬、雉、猿がそろっているよりも、かつての仲間が少しずつ再集結していく方が読者も盛り上がるだろうし、物語の広がりも想像しやすくなります。そのあたり、AIはどう考えているんだろう?
考えても分からないので本人に訊いてみます。
ほんと、まるで編集者と作家のやりとりです。
ではここで時間差で仲間が集まっていくバージョンを作ってもらいましょう。
むくれっツラをして「ちょっと1週間考えさせてください」などと言い出さないところがAIの素晴らしいところです。すぐに新しい目次を生成してくれました。
この新しい構成では、仲間との再会が順々となっています。
このように、章立てした時点で気になった部分は、この段階でAIに指摘しておく方があとで楽になります。
このバージョンを覚えさせておきましょう。
では、いよいよ第一章の第一節から生成していきます。生成した第一章の三節分をまとめて掲載しますので、文末のリンクから見てみてください。
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第一章を生成!↓
AIが生成する「桃太郎」の続編小説。第一章を書かせてみた。
この連載のまとめはこちらから。
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